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【特別企画】“Wで止まる”スタッドレス「BLIZZAK(ブリザック)」をミニバンで試す(前編)
「ヴェルファイア」に「REVO GZ」で房総へ、こんなに快適にドライブできてよいのか!!
(2012/12/12 00:00)
本誌で「NAOさんのDIYでクルマいじり」を連載するNAOさん。夏休み特別企画として愛車のミニバン トヨタ「ヴェルファイア」に低燃費タイヤ「ECOPIA PRV(エコピア ピーアールブイ)」を装着してもらってのリポートをお届けした。今回は、冬休み直前特別企画として、ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK REVO GZ(ブリザック レボ ジーゼット)」の装着リポートをお届けする。
タイヤサイズは215/60 R17 96Q。このサイズはREVO GZのラインアップの中でも重量車向けにチューニングされており、「しっかり感をアップ」がうたわれている。連載中に登場しているヴェルファイアは、静音、制振材が詰め込まれており、「ノーマルより結構重め」(NAOさん談)とのこと。REVO GZの記事はこれまで何度か掲載しているが、今回は重量車でのスタッドレスタイヤリポートとなる。前編ではドライ路面を、後編では雪氷路面を、ヴェルファイアとREVO GZが激走(?)する。
タイヤの威力を改めて思い知ったこの半年
今年の夏にミニバン用エコタイヤ「エコピア PRV」を装着した筆者の愛車ヴェルファイアは、それまでの忍耐運転が嘘のように解消されてスーパー快適クルージングツアラーへと変身した。趣味の長距離ドライバー歴20年の筆者はこれまでよっぽど運がよかったらしく、「ステアリングを切れば思ったイメージどおりに車が曲がるのは当然のこと」だとずっと思ってきた。カローラセダン、カローラレビン、ウインダム、エルグランドと乗り継いできたが、思ったとおりに曲がらない……交差点が苦痛だ……なんだか運転が嫌になってきた……歳取ったからかな……などと感じたのは初めての経験だった。
愛車ヴェルファイアの乗り心地は快適だし、広くて静かで家族も満足しているし、燃費も抜群によくなったし、とよい点だらけなのだが、「イメージどおりに車が走らない」というストレスを抱えた期間は今だから言えることだが「もー!明日にでも売り飛ばしてやろうか(怒)」とさえ思ったほどだった。いつかは慣れる、人生忍耐だと自分に言い聞かせつつ、交差点の入り口ではイメージよりも多めにステアリングを切り、交差点を半分抜けたらイメージよりも早くステアリングを戻すというストレス走行生活を続けていた。
ところが、だ。イメージどおりに走れない原因は、匿名掲示板でトーチャンビームなどと揶揄される足まわりのせいでも、FF駆動のせいでも、筆者が老けたからでもなく、なんと「タイヤ」が原因だったのだ。Car Watchの谷川編集長から「NAOさん、とりあえずミニバン用の低燃費タイヤを履いてみてください」と勧められたエコピア PRVに履き替えた途端、愛車の走りが激変したのだ。タイヤ交換を行った「タイヤ館 パドック246」の駐車場から出た瞬間に車の軽さを感じ、最初の交差点に差しかかった瞬間に「あぁ、これだよ、この感覚!」イメージどおりのラインで車が素直に曲がっていく、特に意識することなく自然にステアリング操作をするだけで理想のラインを走行できる喜び、「運転が楽しい!!」と久々に思えた瞬間だった。うーむむむ、侮るなかれタイヤの力。その模様は、別途記事にしているので、ご覧いただければと思う。
●【特別企画】ミニバン用エコタイヤ「ECOPIA PRV」で京都にGO
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120726_548873.html
筆者とスタッドレスタイヤとの出会い
筆者は秋田県北部出身で、誕生日が11月なので運転免許の卒業試験は地吹雪バリバリだったという根っからの自称雪道野郎だ。雪かきと雪捨ては大変だが雪道は大大大好きで、関東住まいになってからも時間を作っては雪を求めて東北や北海道を走り回っている雪道ファンだという前提でこの先を読み進めてほしい。
雪解けの季節には道路の側溝がスパイクタイヤの粉じんだらけになっていた頃から雪道を走りまくっていた筆者が初めて履いたスタッドレスタイヤは、ブリヂストン「BLIZZAK MZ-01」だった。当時乗っていたAE101レビンの純正装着タイヤがブリヂストン「POTENZA RE71」で性能にとても満足していたので、なんとなーくスタッドレスタイヤも同メーカーを選んだのだが期待どおりの性能を発揮してくれた。1991年(平成3年)にスパイクタイヤ猶予期間が終わり、スパイクピンを引き抜いたスノータイヤでひと冬頑張ろうとする人も多くいたが、ちょっとした上り坂でスリップ大渋滞、こっちの下り坂ではガードレールにキスマークと、それはもう酷い有様だった。仕方なく皆スタッドレスタイヤを買うわけだが、まだまだ出始めの当時だけあってメーカーごと、製品ごとに性能のばらつきも大きかっただろうし、事実「スタッドレスなんて使い物にならない」と言い切り、スタッドレスタイヤに規制対象外の樹脂製ピンを打ち込む業者が地元新聞に広告を出したり、タイヤ表面にセラミック製の滑り止めを貼り付ける商品などがホームセンターでよく売れていたのを覚えている。
凍結路どうするんだよ、雪道はスパイクじゃないとダメなんだよ!と言い張る先輩方に「いや~、凍結路も結構いい感じだし、圧雪路なんてむしろスタッドレスのほうが雪を噛んでグリップしますよ……」といくら言っても「若葉取れたての若造が~(笑)」と一蹴されていた当時。そんなスタッドレスタイヤ黎明期であっても、BLIZZAK MZ-01は十二分の性能を発揮してくれ、市内に数カ所ある上り坂スタックポイントでも、さほど苦労せずFFのレビンで走り回ることができた。
私の記憶が正しければ、BLIZZAK MZ-01は触るとコンニャクのように柔らかく、言葉はわるいがグニャグニャした感じだったと思う。「タイヤが柔らかいから雪道でよく止まる」「タイヤが柔らかいから凍結路面でもしっかり止まる」小難しい技術背景は分からなくても、(当時の)F1だって予選用ハイグリップタイヤはコンパウンドが柔らかいらしいし、「柔らかいから止まるんだ」という公式が実体験として筆者の脳ミソに深く刷り込まれた。BLIZZAK MZ-01をとにかく気に入った筆者は友人知人に勧めまくり、自分でも走りまくった。「柔らかいから雪道安心」は筆者の中で万有引力並みの絶対神話となり、車種が変わってもMZ-02、MZ-03、REVO 1と履き潰していった。コンパウンドが硬めの他機種スタッドレスタイヤを見ると、あーこれは週末スキーする都会の人向けだよねー、と思っていた。ABSもTCSも何もなかった当時、BLIZZAK MZ-01の性能は筆者に絶対的な冬道安心感を与えてくれていたのだ。
●参考資料:環境省、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行について
http://www.env.go.jp/hourei/syousai.php?id=04000034
今回も「タイヤ館 パドック246」にタイヤメンテナンスを依頼、超丁寧作業なのに超迅速!!
エコピア PRVと同様、タイヤの購入とホイール組み付け整備は東京・用賀のタイヤ館 パドック246さんにお願いした。朝一番に谷川編集長と都内某所で待ち合わせ、これまた朝一番にパドック246さんにおじゃまする。既にスタッドレスタイヤの整備予約は混み合ってきているそうで、この日も作業予定のスタッドレスタイヤが大量に準備されていた。
迅速なピット作業でアッという間に冬仕様が完成
タイヤ組み付けの様子などをじっくり見学させていただくべくスタッフさんにご挨拶し、朝一番ということで先ずはラウンジで目覚めのコーヒーを一杯頂き、カメラのレンズをフキフキし、ついでにトイレに寄りつつピットに戻ると……あれっ!?しまった、既にタイヤとホイールの組み付け作業が完了しているではないか(汗)。えー、その、ホイール組み付け作業の様子は前回記事を参照して頂くとして(笑)、クルマにタイヤを取り付ける作業の様子をじっくり見ていただ……カチッ! うわわ、この音はトルクレンチ!いかんいかん、取材なので作業が終わってしまう前に写真を撮らなくては。
クルマ1台につき店長さん以下熟練スタッフ3~4人体制で作業を進めてくれるので、とにかく仕事が速いのなんの。もちろん品質は折り紙付き。このスムーズさで、予約さえしておけば出かける前にちょっと立ち寄って、コーヒーを飲んでいる間にスタッドレスタイヤに交換完了!ということも十分可能だろう。
今回はエコピア PRVを組み付けてある純正ホイールを持ち帰り、新たに購入したアルミホイール エコフォルム SE-12にブリザック REVO GZを組み付けてもらうので、ホイールナットも追加購入する必要があった。トヨタ純正アルミホイールはネジ座部分が平らになっているのだが、ほとんどの市販アルミホイールはネジ座部分がテーパー状になっているとのこと。そのため、純正ナットを市販アルミホイールに取り付けるとナット緩みの原因になるそうなので気をつけたい。
えっ!?これって夏タイヤですか? よすぎて逆に心配!?
「夏用タイヤとそんなに変わらない自然さで乗れると思いますよ」とは、パドック246のスタッフさん。
エコピア PRVの時は「店を出る瞬間から差が分かる」と言われて、事実一瞬で違いを体感できたのだが、今度はスタッドレスタイヤに履き替えたと言うのに夏タイヤと乗り味がそんなに変わらないはずだとのこと。夏タイヤから冬タイヤに履き替えたら、ハンドルが妙に軽くなりクルマがグニャグニャした感じになるというのが筆者の中での経験則。確かにブリザック REVO GZはトレッド面を触るとブリザック MZシリーズに比べてカッチリしているので、それだけ舗装路などでの乗り味は良好だろうと想像できる。パドック246の駐車場から出て、1つ目の交差点に向かうと……ほぅ……ん?……むぅ……??? なんだこりゃ!?乗り味がまるで夏タイヤなのだ。
東京都内など普段雪がほとんど降らず、ごく希に積雪した際やお休みにスキーに行くときに雪道を走れればよい、そういった雪道ライトユーザーにとって舗装路での走行性能や乗り心地は非常に重要だと思う。マーケットとしてもそうした需要は大きいだろうし、スタッドレスタイヤとは言え舗装路を重視するのも理解できる。だがしかし、筆者が望むことは「グニャグニャでもよい、たくましく凍結路面で止まってほしい(字余り)」タイヤなのだ。たとえ燃費がわるかろうと、ライフが短かろうと、「ここ一番!」の極限状況でチェーンを巻かなくても走破できること、しっかり止まれることこそ最重要だと筆者は考えている。
冒頭に書いたとおりの経緯もあり、触ってみてコンパウンドが硬かった時点で「(これ、凍結路面とか大丈夫なのかな……)」という不安をちょっと感じたのだが、この素晴らしいドライ走行性能を体感してしまうと、その安定性を喜ぶよりも先に雪道への不安が大きくなってきてしまったというのが正直な感想だ。REVO発泡ゴムGZなどで氷上ブレーキ性能がREVO 2比12%も向上したというREVO GZの能書きはもちろん事実なのだろうが、20年近く体に染みついてきた「グニャグニャで減りやすいから雪道で効くんだ」という筆者の思い込みは、実際に雪道を走ってみるまで消えそうにない。う~ん、心配……というか、とっても楽しみだ(笑)。
●参考資料:ブリヂストン、BLIZZAK REVO1を基準とした性能比較イメージ
http://www.bridgestone.co.jp/sc/blizzak/quality/
雨に強い!塩害にも強い! まずはいつもの釣り場道中で試してみよう
当然のことだが、雪道性能は雪道を走るまで分からない(笑)。まずは走り慣れたいつものルートをドライブしてみて、乗り味や燃費性能を見てみよう。パドック246を出てひとまず自宅に帰ろうと首都高に向かうと、程なくして突然大雨が降ってきた。スタッドレスタイヤは雨天走行が苦手と一般的に言われているなか、なんともタイミングがよい。
筆者は昨シーズン、過走行3シーズン目に突入してスタッドレスタイヤとしては限界を迎えた某スタッドレスタイヤを履き潰し走行していたのだが、雨の日の高速はいつでもどこでもズルズル滑り、IC(インターチェンジ)など急カーブが連続する場面ではVSCがピーピピピ!と警告音を出す状態だった。ズルズルの某スタッドレスタイヤから新品のブリザック REVO GZに履き替えたのだから印象は良いに決まっているのだが、エコピア PRVと比較しても遜色のない安定性で走行できるのには驚いた。資料を見るとウェットブレーキ性能がREVO 2比9%向上しているとのことだが、ブレーキ性能だけでなく直進、カーブ、あらゆるシーンでの雨天走行性能を高い次元で実現していることが体感できた。
日を改め、釣り道具を満載して釣り場へと向かう。高速道路に入りクルーズコントロールをセット、夏タイヤと同じような感覚で走り慣れた道をスムーズにドライブしつつ瞬間燃費計を見ると、転がり抵抗AAAを誇るエコピア PRVのようなずば抜けた数字ではないものの、以前の純正装着夏タイヤよりは明らかに良好な数字が表示されている。
「スタッドレスタイヤは重たいので燃費がわるい」という、これまた迷信のような思い込みを持っていた筆者なので、またまたビックリさせられる。筆者は感じたことを素直に書いているつもりだが、エコピア PRVといい、ブリザック REVO GZといい、高性能すぎるが故にほめすぎのような文書になってしまい「ほんとかよ?」と思われている方もいるかも知れない。今回は自宅から釣り場までビデオで撮影したので、こちらの映像も合わせてご覧いたただき、筆者の驚きを一緒に味わっていただければと思う。
高速道路、一般道、ちょっとした峠道と走ってみて、本当に夏タイヤのような感覚でスムーズに走行できたことは紛れもない事実だ。これだったら、年中履きっぱなしでもよいんじゃないかと思ってしまうほど(※もちろん、夏には夏タイヤが最適なのでちゃんと履き替えましょう)。エコピア PRVのように下りカーブで「誰かに背中を押されている」ような感覚はないが、エコタイヤ歴が半年しかない筆者にとっては、むしろアクセル開度や路面勾配に対するクルマの挙動が自然であるように感じられた。
往路は特に渋滞もなく、高速道路、一般道、ちょっとした峠道をスムーズに走行して釣り場へ到着。直後に近所のスタンドで給油してみたところ、車載平均燃費計で12.7km/L、満タン法で12.81km/Lとカタログスペックを上回る低燃費だった。ブリザック REVO GZが夏タイヤとしても最高レベルの性能を持っていることが実体験としてよく分かった(そして、雪道は実際どうなんだという疑問がますます強く……)。
同時装着したアルミホイールのエコフォルム SE-12はSE(Snow Edition)=冬季仕様ということで、塩水噴霧試験1000時間をクリアしているそうだ。融雪剤すなわち塩化ナトリウムたっぷりの雪道塩害対策なのだろうが、筆者のように波止場で潮をかぶりまくる釣り好きにとっても大変ありがたい性能だ。
ちなみに今回も釣果はバッチリ。日に日に海が快復していることに感謝しつつ、海の恵みを頂くことができた。
そして、いよいよ雪道ドライブへ!!
ブリザック REVO GZが乾燥路面、湿潤路面で夏タイヤと遜色ないどころか超一級の性能を持っていることはよーーーーく分かった。だが、くどいようだが、筆者は「よいスタッドレスタイヤはグニャグニャで柔らかいから雪道・凍結路面でよくグリップするのだ」と信じ込んできた。
過去一度だけ買ってみた他ブランドの高速道路重視スタッドレスタイヤは、以前に乗っていたセンターデフロック付き4WDエルグランドを持ってしても圧雪凍結+新雪のような路面ではズルズルと滑りだし、MZシリーズやREVO1を履いている時は平気だった高原の山道で坂が登れずチェーンを巻くという屈辱(?)を味わった。タイヤサイズが一緒なので昨シーズンはそのタイヤを現愛車FFヴェルファイアに履かせてみたのだが、結果がどうだったのかは言うまでもあるまい(チェーンの脱着はJAFの人並みに手際よくなれた気がする(笑))。
筆者も知識としては十分理解できているつもりの全方位高性能スタッドレスタイヤブリザック REVO GZ。その真価を、凍結・圧雪・シャーベット・新雪が立ちはだかるであろう乗鞍高原で実際に試してみた。結果は次回乞うご期待、お見逃しなく!!! その結果を年内に届けるべく現在奮闘中です。