トピック

NAOさんのDIYでクルマいじり 「ブリザック VRX2」特別編

フルサイズミニバンに「ブリザック VRX2」を装着、ツルツル路面から高速110km/h区間まで3000kmドライブ(ドキドキワクワク編)

待ちに待った雪道ドライブシーズン、待ちに待ったブリヂストンの新スタッドレスタイヤ「BLIZZAK(ブリザック)VRX2」が登場!
ブリザック VRX2で日本全国を早速ドライブ!、まずは岩手県雫石で雪道走行した際のイメージ映像をどうぞ♪
さらにしっかり止まり、さらにしっかり曲がり、とっても静かで長持ちになったという性能を徹底的に楽しむぞ!!!

待ちに待った冬休み&雪道ドライブシーズン到来!

 水を得た魚、雪を得たNAOさん。磯釣りシーズンからウインタードライブシーズンへと季節が変わるにつれ、ワクワクドキドキ雪道ドライブが待ち遠しくなりますね~!!

 2013年に「ブリザック史上最高性能」と謳われたスタッドレスタイヤ「BLIZZAK(ブリザック) VRX」がさらに進化し、今シーズンは「ブリザック VRX2」が満を持して新登場。いち早くその性能と楽しさを体感するべく、早速NAOさん定番ルートへドライブにGO!つい、うっかり、膨大な量のロケをしてきてしまったので(笑)、今回は取り急ぎドキドキワクワク編として概要をお伝えします。

2017年9月1日に全国一斉発売された新スタッドレスタイヤ「ブリザック VRX2」
雪上氷上でさらにしっかり止まり、さらにしっかり曲がるとともに、とっても静かなのが印象的だ
ふかふかの新雪を踏みしめて、大地にブリザック VRX2のパターンを刻む快感♪
アイスバーン路面の上に積もった雪が、微妙に溶けている下りカーブ
夜になり再凍結し、さらに滑りやすくなった上りカーブ
ものすごい安心感に包まれながら、ガンガン走破!
絵に描いたようなブラックアイスバーンの交差点。完全にスケートリンク状態だが、ググッ!としっかり氷に噛み付き安全に停車
スタッドレスタイヤとしては異例なほどの静粛性を実現したブリザック VRX2。以前にREGNO GRVIIで騒音測定したルートで比較してみた
お気に入りの琵琶湖周辺道路ももちろん走行
新東名の一部区間に続き、東北道の一部区間でも規制速度110km/h実験が始まっているので、早速走ってみる
圧雪の下にある氷が溶け出してきたツルツルテロテロ路面での走りっぷりも気になるところ
というわけで、東奔西走およそ3000kmのドライブで感じた印象をお届けします!!

7歳を迎えた愛車をシビアコンディション点検

 現在の愛車である20系ヴェルファイアが納車されたのは、本連載の開始と同じく2011年。(ぜひバックナンバーも読んでみてね♪)電装系イジリと完全防音施工はクルマを買い換えるたびに毎回行なっているものの、実はこれまでの筆者クルマ歴で購入から5年以上同じクルマに乗り続けているのは初めてだ。

 決して飽きっぽいわけでも余裕がたっぷりあるわけでもなく(笑)、生活スタイルの関係でだいたい1年に4万~5万km程度走行するため、5年程度で「まあ、元を取ったかな」という感じなのだ。現愛車はこれまで乗ってきた各トヨタ車と同様非常に優秀で、故障やトラブルもなく、そしてディーラーさんの対応にも非常に満足している。これは快適なクルマ人生を過ごす上で本当にありがたいことだ。

いつもお世話になっている、マイネッツさいたま中尾店さん
おじゃましまーす♪
季節柄、店内にはスタッドレスタイヤが展示されていた

 あっちもこっちもバラバラ分解にしてイジリ倒しているNAOさんなので、「実はムチャして壊しているのでは」「そんな防音施工をしたら車検に通らないのでは」などご意見をいただくこともたまにあるのだが、前記のとおりディーラーさんとは用事がなくてもコーヒーを飲みに行く(迷惑か(笑))ぐらい仲良くさせてもらっているし、重要保安部品に近い部分をDIYした際など要所要所できちんと点検を受けているのでご安心を。

 筆者のように走行距離が多かったり、磯釣りや雪道ドライブでなにかと塩分を浴びていたり、「過酷」な使用状況にあるクルマ向けに「シビアコンディション点検」というサービスもあるので、気になる方は最寄りのディーラーさんなどに相談してみては(※各種点検には費用が発生します)。

プロ仕様のリフトでヴェルファイアの巨体が軽々と持ち上がっていく。自宅に欲しいなぁ(笑) エンジニアの芳賀さん、いつもありがとうございます♪
「あれ? ロアアームとか、いつの間にかG's仕様になってますね...(笑)(過去記事参照)」という漫才が楽しめるのも点検の魅力。写真のとおり、後から交換したパーツ以外に錆が若干目立ってきた
点検OK!ついでにオイルなどもリフレッシュ。いくら素晴らしいタイヤを履いたとしてもクルマ自体が不調では正しく楽しめないので、これで一安心

タイヤのことならタイヤ館でブリザック VRX2と戯れる

 ブリザック VRX2は2017年9月1日、全国同時に発売された。ブリザック史上最高性能を謳い「頂点=VERTEX」を意味するVRXと冠したタイヤの第2世代、VRX2。

 開発者さんたちの努力による技術の進歩は本当にありがたいもので、曲がる、止まる、長持ち、静か、ドライでもウエットでも、それからそれから……という相反する要素すら含む要求を、見事に製品として世に出してくれているのだ。ありがとう!全世界の全メーカーの頑張っているみなさん!!

 過去記事のとおり、20年以上にわたりブリザックを追いかけてきた筆者なので、タイヤ館にクルマを停める時点から基本的に顔がニヤニヤしていることが多い。ましてや、新製品タイヤが発売されて店内に展示陳列されているとなれば、自動ドアを通ることにはヨダレが垂れているのも仕方あるまい。

これまたいつもお世話になっているタイヤ館川口店さん。リニューアル工事も完了し、さらにカッチョよくなっているぞ
店内には各ピットの作業状況がそれぞれ確認できるモニターも設置されている
タイヤ好きにはたまらない、ゾクゾクするようなディスプレイ。これらの展示什器も商品にしてくれたら、自宅に飾れてよいのにな

 そんな筆者を早速見つけて、副店長の吉澤さんが「NAOさん、用意できてますよ」と早速ピットに案内してくれた(※ほかのお客様もいるのに店内にヨダレを垂らされてはたまらないからでは決してない(笑))。

 今回は撮影と比較のため、ブリザック VRXとブリザック VRX2それぞれを用意。並べてみてまず気がつくのは、VRXで用いられていたストレートリブレット(新品状態から氷上グリップ性能をより発揮させるため、パターン表面に付けられた細かな縦ミゾ)がVRX2では廃止されていることだ。代わりに、より微細なデコボコをトレッド面全体に施すことで氷上グリップ性能を初期から発揮させる「マイクロテクスチャー」が採用されているそうだが、残念ながら微細すぎて写真でお伝えするのは難しい。

撮影用に並べていただきました。うーん、壮観!
いつもながら、テキパキとプロのお仕事。素敵です!
自分が危険なだけでなく、他者を傷つけたり通行止めの原因にもなるので絶対ダメですよ

 また、パッと見てすぐ気がつくレベルでトレッド面に刻まれたサイブ=細かな溝の間隔が広くなり、各ブロックの剛性がいかにも高そうに感じられる。もし、全く同じゴムコンパウンドを用いてVRXとVRX2を製造したら、VRXのパターンのほうが細かなサイブがたくさんあり、氷上性能などはよさそうな印象を受ける。一方VRX2のパターンはいかにも剛性感があり、舗装路での性能やスタッドレスタイヤ特有の「みょ~ん」というノイズ低減にも効果が出ることだろう。

 普通に考えれば「氷上性能に有利なタイヤ」と「ドライ路面や静粛性に有利なタイヤ」という性格の異なる2種類のタイヤができ、それぞれ性能面でも得手不得手が出そうなのだが、なんと、VRX2は全ての性能においてVRXを凌駕しているのだという。

ブリザック VRXのトレッドパターン
ブリザック VRXのトレッドパターンには細かなサイプが多数あり、それぞれが路面を引っ掻き、タイヤと路面の間にできる水膜を取り除こうとしてることが読み取れる
ブリザック VRX2のトレッドパターン
ブリザック VRX2のトレッドパターンは、サイプの間隔がかなり広くなり、1つ1つのブロックが大型化されている。ブレーキング時はもちろん、旋回時や氷に乗り上げた際の形状変化が少なくなり、より安定した接地を実現できそうだ

雪道はなぜ滑るのか、スタッドレスタイヤはどんな仕事をしているのか

 ロシアのツンドラ地帯など一部地域では雪道でも夏タイヤのまま普通に走ることができるそうだ。日本だって冬にはあちこちで路面凍結しているじゃないかと言われるかも知れないが、日本の寒さでは「完全に凍結し続ける」ことは難しく、日光やタイヤと路面の摩擦によって僅かずつ路面の雪や氷が溶けだしてしまう。そう、雪や氷で直接滑るのではなくて、路面とタイヤの間に挟まった「水」が原因でグリップできなくなってしまうのだ。

 VRXでは細かなサイプを多数用意して水膜を破り、氷とタイヤを接地させようとするアプローチだった。ところが、VRX2ではサイプの間隔を広げブロックの接地面積を広げ、剛性を高める方向で設計されている。指で手を押しても痛くないが、針で手を押すと刺さってしまうように、接地面積が広くなるほど接地圧力は弱まるため、氷上性能だけをみれば不利になってしまう。

ブリザック VRX2のテクノロジー。トレッドパターンなど

 それでもアクティブ発泡ゴム2の性能によりしっかりと水膜除去を実現し、VRX2のほうが10%も氷上ブレーキ性能を向上させているというのだから、これはもう考えてもよく分からないレベル。一刻も早く愛車に装着して体験してみるしかない!(笑)

ブリザック VRX2のテクノロジー。アクティブ発泡ゴム2

いつでもどこでもタイヤ交換!?

 今回の執筆に際し、西は京都、東は盛岡・雫石と、およそ3000kmにわたり過去さまざまなタイヤでテストとロケをした地域を走行してみた。道中の高速道路は新品タイヤのならし運転も兼ね、VRXとVRX2がだいたい同じ走行距離になるよう途中でタイヤ交換を実施。毎度のことながら、撮影にご協力いただいた施設の方々には、心から御礼を申し上げたい。

助手席を一番後ろまで下げた状態でも、直径約70cmのタイヤをふつーに積載できるのがフルサイズミニバンの便利なところ。こすれ音が出ないマットなどを敷いて養生したい
タイヤの性能は適切な空気圧で初めて発揮できる。ゲージで測定し、過不足があれば調整する。寒くて手がかじかんでいると、ゲージを当てる際にシューシューと空気を抜いてしまうのはお約束(笑)
氷点下屋外での作業時間をできるだけ短縮するため、フロアジャッキは必須アイテム。雪の上で作業する際は、沈み込みや転倒に十分注意が必要だ(※土地所有者の許可を得て作業)
電動インパクトレンチがあれば、ホイールナットの取り外しが一瞬×5回でできる
規定トルクでホイールナットを取り付けるため、トルクレンチも必需品。規定トルク値は取扱説明書などに記載されている
カメラとマイクは、できるだけ運転席/助手席の頭の位置を意識して固定。雪道は振動が多いので、ショックアブソーバーなどで対策する

一番怖い、一番気になる、ブラックアイスバーンでの安定性は

 冬のドライブ旅行で一番ヒヤッとする瞬間はどんなときだろう。人によってさまざまヒヤリハットの想い出があると思うが、背の高いミニバンに乗っていると横風の影響をどうしても受けやすい。

 もし、ツルツルのアイスバーンを走行中、左から突風が吹いたら……。安全速度で走っていれば特段危ない目に遭うことはないはずだが、それでもクルマが「フワッ」と横に流される感覚は気持ちのよいものではない。

 盛岡地方はその地理的条件から北東北の中でも「ツルツル路面」になりやすく、特に郊外の田園地帯にある高架橋などは、強い風にさらされて完璧な「ブラックアイスバーン」になっている場所が多々存在する。その中でもブラックミラーバーン状態かつ数カ所の段差がある高架橋を走った際、タイヤによるクルマの挙動変化の差を感じられた。

 言う間でもなく、ブリザック VRXとブリザックVRX2、どちらも極めて高性能なスタッドレスタイヤであり、上記のような路面でも安心して走ることができる。それを踏まえた上で、VRX2のより高い氷上グリップ性能と接地性が感じられる瞬間を納めたので紹介したい。

ブラックアイスバーンの高架橋で段差を踏み越えた後の挙動
[テスト条件]速度:50km/h クルーズコントロールで定速走行/試験車輌:トヨタ ヴェルファイア DBA-ANH20W-NFXQK 2400cc 前輪駆動/試験路面:岩手県盛岡市内一般道/気温:-3℃~-4℃
ブリザック VRX2(タイヤサイズ:215/60R17 96Q/空気圧:240kpa)
ブリザック VRX(タイヤサイズ:215/60R17 96Q/空気圧:240kpa)

 動画からも伝わるかと思うが、路面は完全なミラーバーン状態。停止時には毎回ABSが作動し、再発進時にはTRCが頑張って仕事をすることになる。制限速度の50km/hにクルーズコントロールをセットし高架橋に向かう。どちらもスムーズかつ安定して走行しているが、段差を踏み越えたことによる一瞬の荷重変化により、着地後VRXは僅かながら駆動輪にスリップが発生し、トラクションコントロール(TRC)作動灯が点滅していることが分かる。

 繰り返しになるが、車両安定制御システム(VSC)が作動するような挙動の乱れが発生している訳ではないし、乗っていて不安を感じるようなことは全くない。だが、VRX2のほうが「より一層」安定した接地を感じられ、ステアリングを操作した際のリニア感もしっかりしている。頂点=VERTEX=VRXを超えたVRX2の性能は、数字ではなく過酷な路面を走行してみてハッキリと体感することができた。

頂上決戦のあとは、いろんな場所でVRX2を楽しむぞ♪

 VRX2のデビュー戦からいきなり重箱の隅をつつくような実験をしてしまったが、現時点でブリザック史上最高性能であることは間違いなく体感できた。筆者がスタッドレスタイヤで特に気になる縦横方向のグリップバランスも良好で、運転していてとても心地よい。さらにさらに、「冬のREGNO様」だと言い過ぎかもしれないが、スタッドレスタイヤとしては相当な静粛性を実現していることは、クルマ防音マニアの筆者としてポイントが高い。次回は、さまざまな場所での走行シーンを動画を交えて紹介したいと思う。

 もちろん、DIYのネタもいろいろ準備しているのでお楽しみに♪

 あらためまして読者のみなさま、本年も大変お世話になりありがとうございます。よいお年を!!!

寒い夜、大好きなタイヤと一緒にお風呂にはいりたくなりますよね。でも、ゴムに悪影響が出る可能性があるそうなので、できるだけガマンしましょう……

提供:ブリヂストンタイヤジャパン株式会社

撮影協力:
タイヤ館 川口店
https://www.taiyakan.co.jp/shop/kawaguchi/
マイネッツさいたま中尾
http://mynetz.jp/company/ShopInformation.aspx?CD_TENPO=18
雫石プリンスホテル
http://www.princehotels.co.jp/shizukuishi/

※撮影は周囲の安全に十分配慮して行なっています
道路使用許可:盛岡西警察署 第1587号