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NEXCO東日本、北海道札幌市で「スノードライビングスクール」開催

「雪道で怖い経験をしたことがある人にぜひ参加してもらいたい」と講師の篠塚建次郎氏

16名が参加したスノードライビングスクール
2012年12月21日開催

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は12月21日、北海道札幌市のサッポロテイネスキー場で「スノードライビングスクール」を開催した。

 今回で4回目を迎えるスノードライビングスクールは、雪氷上での安全運転技術の向上を目的としたイベント。道内からの参加者が大半を占めるが、雪道に慣れていない女性から競技志向の人まで、幅広い層が今回のスクールに参加した。

 そもそも、高速道路の管理・運営を行うNEXCO東日本がスノードライビングスクールを開催する理由は、夏と比べ冬は高速道路での事故の件数が約2倍に膨れ上がることにある。そのため、同社管轄の高速道路は特に冬場の交通量が減少傾向にあると言う。そこでより雪道に慣れてもらうためにドライビングスクールを開催し、クローズドコースという安全な場所で雪道での限界を知ってもらい、日々の雪道走行に役立ててもらおうというのがイベントの主旨だ。

スノードライビングスクールが開かれたサッポロテイネスキー場
ドライビングスクールの講師を務めたラリードライバーの篠塚建次郎氏と関係者。スクールは安全かつスムーズに行われた

 ドライビングスクールの講師を務めたのは、パリ・ダカールラリーでの優勝経験を持つラリードライバーの篠塚建次郎氏。この日は午前中に篠塚氏による講演会が行われ、昼食後に第4駐車場へ移動し、実技講習会を実施。実技講習会では、参加者16名のマイカーの助手席に篠塚氏が乗り、雪道運転のテクニックを参加者に直接伝授した。第4駐車場に用意された体験コーナーは、急発進・急ブレーキ、コーナリング、クランク、スラロームの4つで、1人あたり2周走行できる。

 筆者もレンタカー(FFのフィット)で参加してみたのだが、いずれの体験コーナーもコースはパイロンで作られていて、幅もたっぷり取ってあるので多少オーバースピードで進入しても危険を感じなかった。特に難所と感じたのは、各体験コーナーでもっとも長い距離を走るスラローム。篠塚氏からはせっかく安全なコースレイアウトになっているので、可能な限りスピード出して素早くスラロームするようにと指示を受けたものの、オーバースピードだと簡単に外に膨らんでしまう。慌ててアクセルを抜いてフルブレーキをしても、雪道では簡単に止まらない。やはり雪道ではより慎重に運転をしなければならないと、身を持って体験できた。

 2周を終え、篠塚氏からは力んで運転しているのでシートポジションを1ノッチ下げ、もう少しリラックスして運転するよう心がけること、またハンドルを手のひらで回す癖があるので、ハンドルは9時15分で握ることなど、さまざまな指導を受けることができた。

第4駐車場に用意された体験コーナーは急発進・急ブレーキ、コーナリング、クランク、スラロームの4つ
スノードライビングスクールには、コンパクトカーからSUV、スポーツカー、ミニバンなど多種多様な車種が参加
ちなみに筆者はレンタカーのフィットで参加。タイヤは前後別ブランドで、フロントがトーヨータイヤ「GARIT G4」、リアが横浜ゴム「アイスガード iG20」
「雪道で怖い経験をしたことがある人にぜひ参加してもらいたい」と篠塚氏

 スクール終了後、篠塚氏に今後どのような人にドライビングスクールへ参加してもらいたいか聞いたところ、「雪道で怖い経験をしたことがある人にぜひ参加してもらいたい。怖い経験というのは、例えばコーナリング中に滑って飛び出してしまったとか。一般道は一般的に40km/hくらいで走行するだろうが、その速度で(滑りやすい路面で)いきなりブレーキを踏んで止めようとしても止まらない。ちゃんと止まろうと思ったらアクセルを離して(エンジンブレーキで)制動をかけ、それからブレーキを踏む。こうした一連の動作をしっかり学んでほしい」と語ってくれた。

 すでに北海道では例年を上回る雪が降っている。札幌市内も圧雪路やアイスバーン化している個所が多々見受けられ、取材日となる21日に市内を走行した際、何度も事故しているのを見かけた。雪道を走るのが苦手な人や、そもそも雪道を走ったことがない人などは、ぜひこのドライビングスクールに参加してみてはいかがだろうか。

 なお、2013年1月19日に新潟県の苗場プリンスホテル 苗場スキー場で同様のドライビングスクールが行われる。興味のある方は、関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121219_579439.html)を参照されたい。

スノードライビングスクールの最後に、篠塚氏がランサーエボリューション(III)でデモ走行。あまりの速さから、参加者からは感嘆の声が挙がっていた

(編集部:小林 隆)