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首都高、定例会見で板橋・熊野町JCT間と堀切・小菅JCT間での4車線化拡幅などを発表
渋滞解消策「エスコートライト」などをまとめた「快適走行ビジョン」も策定
(2015/2/5 00:02)
- 2015年2月4日開催
首都高速道路は2月4日、2015年最初の定例記者会見を開催し、首都高速道路 代表取締役社長の菅原秀夫氏から、同日発表された中央環状線 王子南出入口の3月29日15時開通(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150204_686934.html)をはじめ、「板橋・熊野町JCT(ジャンクション)間」「堀切・小菅JCT間」を3車線から4車線に拡幅する工事の実施、2020年の東京オリンピックとその後までを見据えた「首都高 快適走行ビジョン」の策定、首都高への歩行者の立ち入りや逆走に対する取り組み、最近の通行台数状況などについて解説された。
首都高では混雑や渋滞の緩和を目指してさまざまな取り組みを行ってきており、前回の記者会見以降に始まった施策として2月7日から夜間車線規制を開始して本格的に工事がスタートする板橋・熊野町JCT間の4車線拡幅、同様の内容で予定されている堀切・小菅JCT間の拡幅工事について紹介された。
どちらの区間も2つのJCTが間近に隣接する構造となっており、各2車線の道路が1回合流して3車線に減り、短い距離で別方向に分かれるという状態になっていることから混雑を誘発する状態になっている。これを道路の拡幅によって4車線に増やし、合流と分流をスムーズに済ませられるよう改善する工事となっている。
2月7日から板橋・熊野町JCT間で開始される工事では、夜間車線規制を2017年度(平成29年度)まで実施予定。来年夏ごろまでは、土、日、月、祝日の夜間に外回り(下り)の3車線を、1車線、または2車線規制して工事を行うとのこと。同区間は上層に上り、下層に下りの車線が縦に並ぶ構造となっており、拡幅するために既存の上層を支える橋脚よりサイズの大きな橋脚を新設し、その後に既設橋脚を撤去する工事も実施される。
また、Car Watchでもたびたび記事で紹介している3月7日16時の中央環状線の全線開通を受け、首都高では都心部の渋滞と混雑が約4割減少すると試算。交通が周辺道路に分散するなど道路ネットワークに大きなインパクトを与えることから、新たに多岐に渡る渋滞対策、サービス向上などの施策をまとめた「首都高 快適走行ビジョン」を策定した。なお、前出の板橋・熊野町JCT間における道路拡幅などもこの新ビジョンの1施策と位置づけられている。
この快適走行ビジョンでは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までを第1段階として、渋滞・混雑量を現在の半分に抑制。さらに現在から10年ごとなる2025年ごろには第2段階として、第1段階で半減された渋滞などをさらに半減させることを改善目標として挙げている。
対策としては道路の拡幅や、時間帯による道路の合流方法の変更など規模の大きいものをはじめ、具体策の1つとして、LEDライトを使った光の演出で無意識の速度低下を抑制する「エスコートライト」が紹介された。
同じような誘導灯は東京湾アクアラインなどでも利用されており、アクアラインでは5~10km/hほどの速度低下に対する抑制効果が確認されているという。首都高では路肩が狭く、比較的車間距離が短いことなどを受け、縦型のLEDランプを3m間隔で設置し、隣り合う2灯を同時点灯させつつ進行方向に向けて制限速度を保つペースで流すスタイルを採用。2月中旬から首都高 3号線の池尻~三軒茶屋間(下り)で運用をスタートさせて効果を検証。内容を精査してほかの区間での展開も予定しているとのこと。
このほか、社会問題となっている高速道路への歩行者の立ち入りや逆走などに対する取り組みでは、2014年12月22日に首都高 3号線の渋谷出口で発生した自転車の立ち入りによる死亡事故について触れ、注意喚起の看板設置や路面に文字や矢印を追加したことを紹介。警視庁とも連携して、今後も継続的に対策を続けていきたいとしている。