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ホンダ、2015年国内モータースポーツ計画発表会

道上監督のドラコ・モデューロ・ホンダレーシングがSUPER GTに参戦

2015年2月13日開催

GT500クラス用のNSX CONCEPT-GT

 本田技研工業は2月13日、東京青山にある本社ビルで同社の2015年モータースポーツ活動の概要を発表した。それによれば、SUPER GT/GT500に関しては従来のホンダワークスチーム的な位置づけがされていた童夢レーシングがなくなり、新たに道上監督の下、15号車“ドラコ・モデューロ・ホンダレーシング”として新規参戦することなどが発表された。

 F1に関してはすでに発表のとおりで、WTCCは昨年同様のワークス2台、プライベート2台の4台体制。インディカーについても継続され、佐藤琢磨選手が今年もA.J.フォイト・レーシングから継続参戦、6チーム12台にエンジン供給することなどが明らかにされた。

SUPER GTとスーパーフォーミュラではドライバーの大シャッフル

  今年のホンダのモータースポーツの目玉は、言うまでもなく7年ぶりのF1参戦。このため、F1に関しては別途記者会見が行われており、本日の記者会見はF1以外のモータースポーツ活動、例えば2輪レースや、4輪でもF1以外の海外のレースや国内レース活動に関する発表が行われる場となった。

 冒頭で挨拶を行ったのは本田技研工業 取締役 常務執行役員 吉田正弘氏で「昨年獲ることができなかったSUPER GTのタイトル奪還が目標。スーパーフォーミュラではより強力なエンジンを投入し、ドライバーとチームのダブルタイトルを目指す」と述べ、SUPER GT/GT500、スーパーフォーミュラともにタイトル獲得を目指していくと力強く宣言した。

 次いで本田技研工業 モータースポーツ部 部長 佐藤英夫氏が今年のホンダの体制に関する発表を行った。

本田技研工業 取締役 常務執行役員 吉田正弘氏
本田技研工業 モータースポーツ部 部長 佐藤英夫氏
WTCC参戦体制
チーム名ナンバードライバー年齢出身地2014年の戦績
カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)2ガブリエーレ・タルクィーニ(Gabriele Tarquini)52イタリアWTCC 6位
18ティアゴ・モンテイロ(Tiago Monteiro)38ポルトガルWTCC 5位
ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)5ノルベルト・ミケリス(Norbert Michelisz)30ハンガリーWTCC 4位
ニカ・レーシング(Nika Racing)19リカルド・ライデル(Rickard Rydell)47スウェーデン-
SUPER GT GT500クラス
チーム名ナンバータイヤドライバー年齢出身地2014年の戦績
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)8ブリヂストン松浦 孝亮(Kosuke Matsuura)35愛知県GT500 16位
野尻 智紀(Tomoki Nojiri)25茨城県GT300 10位
ドラゴ・モデューロ・ホンダ レーシング(Drago Modulo Honda Racing)15ブリヂストン小暮 卓史(Takashi Kogure)34群馬県GT500 14位
オリバー・ターベイ(Oliver Turvey)27イギリス15年より新規参戦
ケーヒン リアル レーシング(KEIHIN REAL RACING)17ブリヂストン塚越 広大(Koudai Tsukakoshi)28栃木県GT500 12位
武藤 英紀(Hideki Mutoh)32東京都GT500 14位
エプソン・ナカジマ・レーシング(Epson Nakajima Racing)64ダンロップ中嶋 大祐(Daisuke Nakajima)26愛知県GT500 17位
ベルトラン・バゲット(Bertrand Baguette)28ベルギー
チームクニミツ(TEAM KUNIMITSU)100ブリヂストン山本 尚貴(Naoki Yamamoto)26栃木県GT500 4位
伊沢 拓也(Takuya Izawa)30東京都GP2シリーズ 18位
SUPER GT GT300クラス
チーム名ナンバータイヤドライバー年齢出身地2014年の戦績
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)55ブリヂストン高木 真一(Shinichi Takagi)44山口県GT300 11位
小林 崇志(Takashi Kobayashi)27広島県
チーム名ナンバータイヤドライバー年齢出身地2014年の戦績
リアル レーシング10ブリヂストン塚越 広大28栃木県SF 11位
11伊沢 拓也30東京都GP2シリーズ 18位
チーム 無限15ファビオ・ライマー25スイスWEC 17位
16山本 尚貴26栃木県SF 9位
ドラゴ コルセ34小暮 卓史34群馬県-
ドコモ チーム ダンディライアン レーシング40野尻 智紀25茨城県SF 10位
41ナレイン・カーティケヤン38インドSF 13位
ナカジマ レーシング64中嶋 大祐26愛知県SF 15位
65ベルトラン・バゲット28ベルギー15年より新規参戦

 WTCCは昨年同様2台のワークスと2台のプライベートチームという体制で、昨年独走を許してしまったシトロエンへの反撃がどの程度見せられるのかが課題となるだろう。

 SUPER GTで大きな変化はこれまでホンダのワークスチームと位置づけられてきた童夢レーシングの姿がなく、代わりに道上監督が率いるドラゴ・モデューロ・ホンダ レーシングが15号車でエントリーしていることだ。これにより、ドライバーの組み合わせも大幅に変わっており、昨年他の2メーカーに差をつけられてしまったホンダ陣営として体制一新で巻き返しを目指すことになる。

 スーパーフォーミュラに関しても同様で、長年ナカジマレーシングに在籍していた小暮選手が、道上監督率いるドラゴ コルセへ移籍して再スタートを切るなど、多くのシャッフルが行われた。また昨年まではトヨタ陣営のTeam IMPULのドライバーだったナレイン・カーティケイヤン選手が今年はホンダ陣営のトップチームの1つであるダンディライアンに移籍しているのも注目だ。

スーパーフォーミュラ用のSF14
SUPER GT/GT500の体制
SUPER GT/GT300の体制
スーパーフォーミュラの体制
2輪、4輪のライダー/ドライバーが最後に記念写真

(笠原一輝)