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レクサス、「RX」をフルモデルチェンジ。直噴2.0リッターターボ搭載モデルをラインアップ

ハイブリッドの「RX450h」とガソリンターボの「RX200t」の2グレード体系に

2015年10月22日発売

602万5000円~742万5000円(RX450h)

495万円~621万円(RX200t)

RX450h“version L”(グラファイトブラックガラスフレーク)

 レクサス(トヨタ自動車)は10月22日、プレミアムクロスオーバー「RX」をフルモデルチェンジして発売した。価格はハイブリッドの「RX450h」が602万5000円~742万5000円、ガソリンターボの「RX200t」が495万円~621万円。

RX450h

モデルハイブリッドシステム駆動方式価格
RX450h“version L”リダクション機構付のTHSII2WD(FF)7,025,000円
4WD7,285,000円
RX450h“F SPORT”4WD7,425,000円
RX450h2WD(FF)6,025,000円
4WD6,285,000円

RX200t

モデルエンジン変速機駆動方式価格
RX200t“version L”直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ6速AT2WD(FF)5,950,000円
4WD6,210,000円
RX200t“F SPORT”4WD6,050,000円
RX200t2WD(FF)4,950,000円
4WD5,210,000円
RX450h“F SPORT”(ホワイトノーヴァガラスフレーク)
RX200t“F SPORT”(ディープブルーマイカ)
RX200t“version L”(アンバークリスタルシャイン)
新型RXのボディーサイズは4890×1895×1710mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2790mm。エクステリアデザインはSUVらしい「力強さ」と知的な「大人の色気」を兼ね備えたという

デザインを刷新するとともに、ボディーサイズを拡大

 4代目となる新型RXでは、テーマに「RXでありながらRXを超える」を掲げてデザインを刷新するとともに、ボディーサイズの拡大、新パワートレーンの採用などさまざまな点で変更・改良が行われた。

 ボディーサイズは4890×1895×1710mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2790mmとし、先代モデル(RX450h比)から120mm長く、10mm広く、20mm高いサイズとなり、ホイールベースも50mm伸ばされて新たなプロポーションを生み出した。

 そのエクステリアではSUVらしい「力強さ」と知的な「大人の色気」を兼ね備えたとし、キャビンの前後を絞り込むような菱形状のメインボディーと、大きく張り出した前後フェンダーによって抑揚のある伸びやかな塊感を表現。特に目につくフロントビューでは、薄くシャープなアッパー部と分厚く堂々としたロア部を対比させた、鋭さと力強さを表現したスピンドルグリルを採用。ロアグリルは下辺とプロテクター形状を一体化させることで、SUVとしてのスピンドルグリルの進化を表現したという。

 また、3眼フルLEDヘッドライト(RX450h、RX200tは単眼タイプのLEDヘッドライト)には、レクサスフェイスの象徴となるアローヘッド形状のLEDクリアランスランプを採用し、ウインカーを点灯させると18灯のLEDランプが車両内側から外側に流れるように光る仕組みを有している。

 そのほか、リアクォーター部をブラックアウトさせた“ヒドゥンピラー”を採用するとともに、ウインドーメッキモールによる縁取りや、ドアロアモールと融合したシャープな形状のバッフルなどにより先進性と力強さを表現した。

RX450h“version L”(ソニッククォーツ:“F SPORT”は選択不可)
RX450h“version L”(プラチナムシルバーメタリック)
RX450h“version L”(ソニックチタニウム)
RX450h“version L”(ブラック)
RX450h“version L”(グラファイトブラックガラスフレーク)
RX450h“version L”(レッドマイカクリスタルシャイン)
RX450h“version L”(スリークエクリュメタリック:“F SPORT”は選択不可)
RX450h“version L”(アンバークリスタルシャイン)
RX450h“version L”(ディープブルーマイカ)
RX450h“F SPORT”(ホワイトノーヴァガラスフレーク:“F SPORT”専用色)
アローヘッド形状のLEDクリアランスランプを採用した3眼フルLEDヘッドランプ
RX450h、RX200tは単眼タイプのLEDヘッドランプとなる
写真左がRX450h、右がRX200tのリアアンダー。RX200tではRX450hと異なるディフューザー形状が与えられる
RX450h、RX200tに標準装備される18インチアルミホイール(タイヤサイズ:235/65 R18)
“version L”に標準装備される切削光輝タイプの20インチアルミホイール(タイヤサイズ:235/55 R20)
中空構造によって走行中のタイヤノイズを低減するノイズリダクションタイプの20インチアルミホイール(タイヤサイズ:235/55 R20)は“version L”にオプション設定
全グレードにオプション設定されるセレクタブルカラートリムアルミホイール(写真はソニックチタニウム)。カラーはソニックチタニウム、ブラック、ソニッククォーツ、アンバークリスタルシャインの全4色が用意される。タイヤサイズは235/55 R20
全車にオプション設定のパノラマルーフ(チルト&アウタースライド式、写真左)とムーンルーフ(チルト&スライド式、写真右)
ルーフレールも全車オプション設定
“F SPORT”は専用メッシュ形状のスピンドルグリルをはじめ、スポーティさを高めたエクステリアデザインが与えられる
専用のスピンドルグリルはフロントロアバンパーモール(金属調塗装&メッキ)が備わる
“F SPORT”専用のブラック塗装ドアミラー
“F SPORT”専用エンブレム
“F SPORT”専用となるダークプレミアムメタリック塗装の20インチアルミホイール(タイヤサイズ:235/55 R20)
“F SPORT”専用のリアロアバンパーモール(メッキ。ガソリン車のみ)

カップルディスタンスを広げ「LS」と同等の着座姿勢を確保

 一方、インテリアでは先代からフロントピラーの位置を後方に配置し、クォーターピラーの傾斜を強めることで居住性を確保しつつ滑らかなキャビンを創出。ラゲッジスペースも拡大された。また、ステアリングの角度とヒップポイントを下げることでよりスポーティな乗車姿勢を実現したほか、後席では足下のフロア面を下げたりカップルディスタンスを広げたりしたことで、フラグシップセダン「LS」と同等の着座姿勢を確保したという。

 インテリアデザインは他のレクサス車と同様に、インストルメントパネルの水平軸を低い位置にレイアウトし、ワイド感と開放感のある骨格を表現。装備面ではレクサス車で最大となる表示スペースを備えたフルカラーヘッドアップディスプレイ(下段に走行支援エリアと車速エリア、上段にナビ連携エリア、アイコン、メッセージエリアを配置)のほか、地図などをフルスクリーンで表示する12.3インチワイドディスプレイ、新たに「BACK」ボタンとパームレストの両サイドに「ENTER」ボタンを加えた「リモートタッチ」、走行状態と連動して室内を照らす「アンビエントイルミネーション」などを採用している。

 そのほかエンジン音の低減を図ることを目的に、エンジンルーム内の吸音材の厚みや面積を拡大するとともに、フロアに塗布型制振材に加え制振効果の高い吸音材を採用。そのエリアをリアシート下まで拡大させることで静粛性を向上させた。リアシートでは先代からレッグスペースが広げられ、電動でリクライニングが可能なパワーシートやシートヒーター機能を与えることで快適性を高めている。また、レクサスエンブレムに手をかざすとバックドアが開くタッチレスパワーバックドア(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付き)をレクサス車として初採用した。

RX450h“version L”のインテリア。内装色はノーブルブラウン
“version L”にオプション設定される「リヤシートエンターテインメントシステム」を選択すると、11.6インチの高精細ディスプレイがフロントシートの背面に2台設置される。前席と同じ映像はもとより、外部機器を接続して独立した映像を楽しむことができる
12.3インチワイドディスプレイやフルカラーヘッドアップディスプレイに加え、メーターパネルに4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイも備わり、それぞれで各種情報を見ることができる
RX450h“version L”のインテリア。内装色はノーブルブラウン
リッチクリーム
ブラック
アイボリー
トパーズブラウン
RX450h“F SPORT”のインテリア。内装色は“F SPORT”専用のダークローズ
“F SPORT”専用のホワイト
“F SPORT”専用のブラック
本木目(レーザーカット本杢用)+本革ステアリング
“F SPORT”専用ディンプル本革ステアリング(パドルシフト付)
本木目(縞杢用)+本革ステアリング
本木目(ウォールナット用)+本革ステアリング
バンブー+本革ステアリング
本革ステアリング
RX450h“F SPORT”のインテリア。内装色は“F SPORT”専用のダークローズ
メーターも“F SPORT”専用
“F SPORT”専用メーターの左側にあるマルチインフォメーションディスプレイでは、Gモニター(写真左)、油温計、油圧計を表示。RX200t“F SPORT”ではブースト圧の確認(写真右)も可能
“F SPORT”専用ディンプル本革ステアリング(パドルシフト付き)
“F SPORT”専用ディンプル本革シフトノブ
“F SPORT”専用アルミ製スポーツペダル&フットレスト
“F SPORT”専用スカッフプレート(LEXUSブラックロゴ入り)
“F SPORT”専用オーナメントパネル(本アルミ/ミディアムシルバー)
ラゲッジルームの開口幅は先代と同じ1185mmながら、フック形状などの見直しにより9.5インチのゴルフバッグを4個横置きすることを可能にした。ラゲッジ容量は553L(うちデッキアンダースペースが47L)で、先代から43.3L拡大している
レクサスのエンブレムに手をかざすと自動で開く「タッチレスパワーバックドア」(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付き)を全車に標準装備した

直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボを搭載する「RX200t」を新設定

「RX200t」に搭載する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ「8AR-FTS」エンジン

 パワートレーンに関しては、これまでRXシリーズは直列4気筒DOHC 2.7リッター「1AR-FE」エンジンを搭載する「RX270」、V型6気筒DOHC 3.5リッター「2GR-FE」エンジンを搭載する「RX350」、V型6気筒DOHC 3.5リッター「2GR-FXE」エンジンにモーターを組み合わせるハイブリッドの「RX450h」を展開していたが、今回のフルモデルチェンジでハイブリッドの「RX450h」はそのままに、ガソリンモデルに直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ「8AR-FTS」エンジンを搭載する「RX200t」を新設定。

 このRX200tでは、ツインスクロールターボチャージャーと吸排気のバルブ開閉タイミングを最適に制御するDual VVT-iWを組み合わせるとともに、D-4Sのターボ用の直噴技術「D-4ST」を採用。これにより、1650rpm-4000rpmという幅広い回転域で350Nmの最大トルクを発生させることに成功し、アクセル操作に対するレスポンスや滑らかに素早く伸びていく加速フィーリングを実現したという。

 また、RX200tの4WDモデルには速度・舵角・ヨーレートに基づき前後100:0~50:50までのトルク配分を自動的にコントロールする「ダイナミックトルクコントロールAWD」を採用。通常の走行時はFF状態で燃費効率に優れる走りを、滑りやすい路面などを走行する際には車両の状態に合わせて最適なトルクを後輪に配分し、旋回時にはステアリング操舵量からターゲットラインを算出して車両挙動に応じてきめ細やかに後輪にトルクを配分する。

「RX450h」に搭載するV型6気筒DOHC 3.5リッター「2GR-FXS」エンジン

 一方のRX450hでは、全主要部品を一新したというGR系エンジンの集大成として開発されたV型6気筒DOHC 3.5リッター「2GR-FXS」エンジンを搭載。「2GR-FXS」エンジンでは吸排気のバルブ開閉タイミングを最適に制御するDual VVT-iWや、筒内直噴と吸気ポート噴射の2つのインジェクターを持ち、高い燃焼効率を可能にするD-4Sを採用。これにフロントモーターとして最高出力123kW(167PS)、335Nm(34.2kgm)を発生する「6JM」を、さらに4WD車ではリアモーターとして最高出力50kW(68PS)、139Nm(14.2kgm)を発生する「2FM」を採用。こうした高トルクモーターを組み合わせることで力強い加速を実現したという。なお、JC08モード燃費に関しては、RX200tでは11.2km/L~11.8km/L、RX450hでは18.2km/L~18.8km/Lをマークしている。

新型RXでは旋回時にボディーが変形するのを最小限に抑えるため、骨格を最適に配置するとともに、結合構造を一新。高強度キャビンを実現している
フロントサスペンション(写真左)はマクファーソンストラット、リアサスペンション(写真右)はダブルウィッシュボーンを採用。とくにフロントサスペンションは徹底的に見直され、フロントスタビライザーの径を拡大して剛性を高め、フラットな車両姿勢を実現したという
ハイブリッド車の透過図
ガソリンターボ車の透過図

安全運転支援システム「ITS Connect」の採用など安全装備も充実

 安全装備に関しても充実しており、進路上の車両や歩行者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、衝突の危険性がある場合に警報やブレーキ制御によって衝突回避や衝突被害の軽減を図る「プリクラッシュセーフティ」(歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ)、車線維持をサポートする「レーンキープアシスト(LKA)」、ロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム(AHB)」、先行車との車間距離を維持しながら追従走行する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」をパッケージ化した予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」を全車に標準装備。

 これに加え、ITS(高度道路交通システム)専用周波数(760MHz)による路車間・車車間通信を活用した安全運転支援システム「ITS Connect」、アクセルの踏み間違いや踏み過ぎなどによって起こる衝突を緩和する「インテリジェントクリアソナー」、駐車時に左右後方から接近してくる車両と衝突の危険性がある場合、自動的にブレーキ制御する「リヤクロストラフィックオートブレーキ(RCTAB)」をレクサス車として初採用している。

車線維持をサポートする「レーンキープアシスト(LKA)」
アクセルの踏み間違いや踏み過ぎなどによって起こる衝突を緩和するインテリジェントクリアソナー
駐車時に左右後方から接近してくる車両と衝突の危険性がある場合、自動的にブレーキ制御する「リヤクロストラフィックオートブレーキ(RCTAB)」

新型RX主要諸元(抜粋)

RX450h“version L”RX200t
駆動方式4WD2WD(FF)
全長×全幅×全高(mm)4890×1895×1710
ホイールベース(mm)2790
トレッド(mm)1640/1630(前後)
最低地上高(mm)200
車両重量(kg)21401890
エンジンV型6気筒DOHC 3.5リッター直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ
最高出力[kW(PS)/rpm]193(262)/6000175(238)/4800-5600
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]335(34.2)/4600350(35.7)/1650-4000
フロントモーター6JM-
フロントモーター最高出力[kW(PS)/rpm]123(167)-
フロントモーター最大トルク[Nm(kgm)/rpm]335(34.2)-
リアモーター2FM-
リアモーター最高出力[kW(PS)/rpm]50(68)-
リアモーター最大トルク[Nm/rpm]139(14.2)-
JC08モード燃費[km/L]18.211.8
トランスミッション電気式無段変速機(THS II)6速AT
サスペンション前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
タイヤ235/55 R20 102V235/65 R18 106V

(編集部:小林 隆)