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メルセデス・ベンツ、GLKクラスの後継となる新型SUV「GLC」発表会

「セグメント唯一の“部分自動運転”SUV」と上野社長

2016年2月9日 発売

GLC:628万円~745万円

GLC 250 4MATIC Edition 1:796万円

新型「GLCクラス」発表会でのフォトセッション。左はメルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎氏で、ドアの前に立っているのはメルセデス・ベンツ日本がサポートしている日本女子プロゴルフ協会(LPGA)所属の松森彩夏選手(中央)と森美穂選手(右)

 メルセデス・ベンツ日本は2月9日、新型ミドルサイズSUV「GLCクラス」を発売。東京 六本木にあるブランド発信拠点「メルセデス・ベンツ コネクション」で記者発表会を開催した。GLCクラスのステアリング位置は全車右のみで、価格は628万円~745万円。

 また、この発売を記念する特別仕様車「GLC 250 4MATIC Edition 1」も同日に250台限定で同時発売している。GLC 250 4MATIC Edition 1はGLCクラスの最上位グレードとなる「GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)」をベースとしたモデルで、価格は796万円。

モデルエンジン変速機駆動方式ステアリング位置価格
GLC 250 4MATIC直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボ9速AT4WD6,280,000円
GLC 250 4MATIC Sports6,780,000円
GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)7,450,000円
GLC 250 4MATIC Edition 17,960,000円
GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)。ボディサイズは4670×1890×1645mm(全長×全幅×全高。GLC 250 4MATICの全長は4660mm)、ホイールベースは2875mm。ボディカラーは「イリジウムシルバー」
GLC 250 4MATIC Sportsは19インチのAMG5ツインスポークアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは前後235/55 R19
SUVとしての力強さと使い勝手を高めるステンレス製ランニングボード(ラバースタッド付)は12万円高のオプション装備
シーンに合わせて5種類の機能を使い分ける「LEDインテリジェントライトシステム」を全車標準装備。ヘッドライトユニット内にロゴマークを設置
リアコンビネーションランプやリアフォグランプもLEDを採用する
マフラーは左右2本出しのインテグレーテッドタイプ
GLC 250 4MATIC Edition 1。ボディカラーは通常は18万9000円の有償オプションである「ダイヤモンドホワイト」を標準設定
特別装備となる20インチのAMGマルチスポークアルミホイールを採用。タイヤも前後255/45 R20にサイズ変更される
両サイドのフロントフェンダー後方に「Edition 1」バッヂを装着
シート表皮にdesignoナッパレザーを使い、シート中央部分やドアトリムなどにダイヤモンドデザインのステッチが施される。また、シートベルトもクリスタルグレー色に変更

「GLE同様にセグメントで唯一の“部分自動運転”SUV」だと上野氏

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎氏

 発表会で登壇したメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏は、1月後半に行なわれた年頭記者懇談会でも紹介した2015年の販売台数について再度触れ、メルセデス・ベンツはグローバル、日本のいずれも過去最高の販売台数を達成したと述べ、感謝の言葉を口にした。

 この原動力について、日本初となったクリーンディーゼルハイブリッドをはじめ、高効率なガソリンエンジン、クリーンディーゼルの「BlueTEC」、プラグインハイブリッドなど、環境適合性の高い最新パワートレーンを多数投入した「エンジン革命」の年であったことをアピール。これを受け、2016年は「SUVイヤー」をテーマに、魅力的なSUVをはじめとする10車種以上の新型車を次々と市場投入して、日本のユーザーの選択肢をさらに拡大していく予定であると発表。メルセデス・ベンツには今でもセダンやワゴンのメーカーとして強いイメージがあるが、昨今はSUVにも力を入れており、今後も新規車種となる「GLE クーペ」を導入し、東京オートサロン2016で参考出品した「G 550 4×42」(ジーゴーゴーマルフォーバイフォースクエアード)についても導入を予定していることを明らかにしている。

 そんな「SUVイヤー」の第1弾モデルとなるのが「新世代プレミアムミドルサイズSUV」という位置づけとなる新規モデルのGLCクラス。従来の「GLKクラス」の後継モデルとして設定され、GLKクラスがV型6気筒3.5リッターエンジンとフルタイム4WDによる力強い走り、個性的な外観デザインなどを特徴としてきたが、新しいGLCクラスはメルセデス・ベンツの中心的車種である「Cクラス」と同等の安全装備や快適装備を備え、エンジンは直列4気筒2.0リッターの直噴ターボに刷新していると上野氏は紹介。

 車名はSUVモデルである「GL」と車格を表現する「C」を組み合わせており、この登場によってCクラスのバリエーションはセダン、ステーションワゴン、クーペ、SUVと4種類に拡大した。

 Cクラス同等という安全装備では、GLCクラスはステレオマルチパーパスカメラと6個のミリ波レーダーといったセンサー類を使い、車両周辺のほぼ360°を常時モニター。状況を判断してステアリングやアクセル&ブレーキを制御して、「GLE同様にセグメントで唯一の“部分自動運転”SUV」であると強調した。これに加え、「アダプティブハイビームアシスト・プラス」を機能させる「LEDインテリジェントライトシステム」、自動操舵や加減速によって車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」を全車標準装備。上野氏は「安全性はもちろんのこと、快適性も格段に向上しております」とアピールする。

 9段変速となるトルコンAT「9G-TRONIC」とフルタイム4WDシステムの「4MATIC」に組み合わされる直列4気筒2.0リッター直噴ターボエンジンは、GLKの3.5リッターエンジンから大幅なダウンサイジングを実施しつつ、最大トルクではほぼ同等の350Nmを確保しつつ、燃費は約15%の向上となっている。これにより「SUVにふさわしい力強さと静粛性、燃費性能という、一見相反するメリットを高次元で両立させています」とコメントした。

メルセデス・ベンツは2015年に日本国内で6万5159台を販売。3年連続の台数増としている
「SUVイヤー」として「GLE クーペ」を新規導入し、「G 550 4×42」の導入も予定していると紹介
Cクラスから踏襲した手ごろなボディサイズと車内スペースの拡大によって商品性を高めている
燃費には、セグメントトップとなるCd値0.31も貢献
直噴ターボによって効率を高めたガソリンエンジンに9速AT、「4MATIC」4WDシステムの組み合わせで、JC08モード燃費は13.4km/Lを達成
「LEDインテリジェントライトシステム」「アクティブパーキングアシスト」を全車標準装備
メルセデス・ベンツはF1やSUPER GTといったモータースポーツだけでなく、女子プロゴルフや自転車競技などをサポートしている

 このほかに発表会では、メルセデス・ベンツ日本が継続的にサポートしているプロスポーツ選手についても紹介。日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に所属する松森彩夏選手と森美穂選手、プロサイクリングチーム「CIEL BLEU KANOYA」(シエルブルーカノヤ)に所属する上野みなみ選手、塚越さくら選手といった選手から、サポート体制についてや今後に向けた抱負などが語られた。

LPGA所属の2選手には、今年から新型GLCがサポート車両として提供されることになった。これについて松森彩夏選手は「去年に引き続いて今年もかっこいいクルマを提供していただけるので、試合に行くのが楽しみです」とコメント
森美穂選手は今シーズンの意気込みについて「今年もメルセデス・ベンツさんが協賛する大会がたくさんあると聞いていて、(賞品となる車両をサポートカーに加えて)もう1台もらえるよう、優勝目指して頑張っていきたいと思います」と語った
1月に発売となった新型Vクラスをサポート車両として提供されるCIEL BLEU KANOYA所属の上野みなみ選手。「遠征のときに安全で快適に移動できて(メルセデス・ベンツのサポートカーがあって)とてもよかったです。また、レース会場や鹿屋でトレーニングしているときにもメルセデス・ベンツのサポートカーは注目を浴びて大人気だったので、私も注目を浴びる選手になるため頑張りたいです」とコメント
塚越さくら選手は「私にとって、3月に参加するイギリスの世界選手権がリオオリンピック出場をかけた最後のレースになるので、そこでしっかり成績を残してオリンピック枠を獲得できるように頑張りたいと思います」と意気込みを述べた
搭載する「274」型の直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンは、最高出力155kW(211PS)/5500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1200-4000rpmを発生
ラゲッジスペースの容量はリアシートを使っている状態で550L。フルラゲッジ状態では1600Lまで拡大する。リアシートのシートバックは40:20:40の3分割式
シートバックはラゲッジスペース側面のほか、リアシートの側面にも設置されたスイッチを引くことで格納可能
ラゲッジスペースのフロア下にもサブトランクを設定。組み立て式ボックスはGLC 250 4MATIC SportsとGLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)に標準装備
テールゲートはスイッチでの操作に加え、「ハンズフリーアクセス」でリアバンパー下に足先を入れることでも電動開閉可能
GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)のシート。内装色は全車ブラックのみを設定する
GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)のドアトリムにはアルミニウムパネルを装備する
インパネデザインはグレードが変わっても大きな変化はない。パドルシフトを備えるナッパレザーの本革巻きステアリングも全車標準装備
スピードメーターは260km/hスケール。レッドゾーンは6200rpmから設定されている
COMANDシステムも全車標準装備となり、センターコンソールにはタッチパッド付きのCOMANDコントローラーを備える
「9G-TRONIC」をマニュアル操作するパドルシフト。右手側がシフトアップ、左手側がシフトダウンとなる
COMANDシステムの8.4インチワイドディスプレイ
センターコンソールのエアコン操作スイッチはトグルタイプとなっている
パノラミックスライディングルーフはGLC 250 4MATIC Sports(本革仕様)専用装備
フロントウィンドウ内側に「360°カメラシステム」のステレオマルチパーパスカメラを装備

(編集部:佐久間 秀)