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メルセデス・ベンツ、2015年にディーゼルハイブリッドを日本導入、Cクラスにはクリーンディーゼル&PHVモデルを展開

2015年の事業戦略説明会とともに、GLクラス初の右ハンドル車「GL 350 BlueTEC 4MATIC」発表会開催

2015年1月22日開催

 メルセデス・ベンツ日本は1月22日、2015年の事業戦略説明会および同日発売したラージSUV「GLクラス」の追加モデル「GL 350 BlueTEC 4MATIC」の発表会を、東京 六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション」で開催した。

「GL 350 BlueTEC 4MATIC」とメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏
2015年に日本市場に投入されるさまざまなパワートレーン

「Sクラス」「Cクラス」がけん引し、日本市場では前年比13.2%増の6万834台を記録

 説明会で登壇したメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏は、まず2014年の販売実績について振り返り、メルセデス・ベンツブランドの通算世界販売台数が前年比12.9%増となる165万10台となり、通年で各単月記録を更新したことを報告。アメリカ、中国、ドイツ、イギリスに次いで大きなマーケットとなっている日本市場も前年比13.2%増の6万834台を記録し、初めて6万台を突破した。

 その販売好調な理由について、上野社長は各モデルへの導入が進む安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」が高い評価を得ていることを挙げるとともに、「Sクラスは国産車を含めた大型高級車セダンセグメントの半数を占める約6500台を記録し、他を寄せ付けないベストセラーとなった。またCクラスは『2014-2015 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー』『2015年次RJCカーオブザイヤー(インポート)』『2014-2015 日本自動車殿堂インポートカーオブザイヤー』の三冠を達成するとともに、2014年に約1万700台を販売することができた」とし、2013年10月に発売した「Sクラス」と2014年7月に発売した「Cクラス」が販売をけん引したことを紹介した。

2014年の販売実績。メルセデス・ベンツブランドの通算世界販売台数は前年比12.9%増の165万10台、日本市場も前年比13.2%増の6万834台を記録するなど好調な1年となった
「Sクラス」と「Cクラス」が日本市場をけん引した
2014年は任天堂のゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」とコラボレーションしたTV-CMや、ウォルト・ディズニー・ジャパンとの共同プロジェクトとして自動車業界初となるミッキーマウスをモチーフとしたスマート特別仕様車を発売するなど、他業種とタッグを組んで積極的なプロモーション活動を行った

2015年は多様なパワートレーンを導入

2015年の主な取り組みについて
「本年はパワートレーン強化において、私どもにとって歴史的な年になる」と語る上野社長

 そして2015年については、「営業、マーケティングの積極的な活動を通じて2014年の実績を上回りたい。ネットワークの規模から考えて、6万台というのは大変チャレンジングな数字だが、日本におけるプレミアムブランドNo.1の座とともに維持したい」との抱負が語られた。

 この目標を達成するべく、2015年に7~8車種の新型車を投入する。その先陣を切るのが、2014年のロサンゼルスモーターショーで公開された「メルセデス-マイバッハ Sクラス」(2月発表予定)。上野社長は同モデルについて、「2002年~2013年まで販売をしていた『マイバッハ』とは異なり、メルセデス・ベンツブランドの傘下においてエクスクルーシブ性を追求した新しいブランドとして生まれ変わる」と紹介。

 また、2015年は「Eクラス」「CLSクラス」の4気筒クリーンディーゼル搭載モデルを今春に、「Cクラス」の4気筒クリーンディーゼルおよびPHV(プラグインハイブリッド)モデルを下半期に、日本初導入となるディーゼルハイブリッドモデルを年末に導入することが明らかになった。こうした多様なパワートレーンを日本市場へ導入する理由については、「メーカーとして技術的な先進性を示すとともに、燃費および環境適合により配慮したクルマをお求めのお客様にお応えすること」と説明を行うとともに、「本年はパワートレーン強化において、私どもにとって歴史的な年になる」(上野社長)と語っている。

 これに加え、モデル呼称の変更が行われることも発表。今後「A」「C」「E」「S」を基本とした商品名にしていくとし、例えば同社のSUVラインアップは現状、小さい順に「GLA」「GLK」「M」「GL」となっているが、今後フルモデルチェンジやマイナーチェンジのタイミングに合わせて「GLK」が「GLC」に、「M」が「GLE」に、「GL」が「GLS」になるという。

モデル呼称は今後「A」「C」「E」「S」を基本とした商品名に変更される。変更のタイミングは該当モデルのフルモデルチェンジやマイナーチェンジに合わせて行われる

 さらに4月1日から希望小売価格を平均で2%値上げすることも発表。このことについて上野社長は、「私どもにとって非常に厳しい決断であったが、昨今の原材料や輸送コストの高騰などにより苦しい状況が続いていた。このような状況に対し、企業努力ではまかえなくなった」と、値上げ理由についても語られている。

 上野社長は最後に「もっとも愛されるブランドを目指し、新車、中古車、アフターセールス、ネットワークのすべての面において妥協せず頑張っていきたい。来年はメルセデス・ベンツ日本創立30周年を迎えるので、本年から30周年に向けた取り組みを行っていく。本年もメルセデス・ベンツ、スマートをよろしくお願いいたします」と語った。

ナンバープレートの封印作業が可能な愛知県の豊橋新車整備センター(VPC)を2014年10月に新設。新車を購入したユーザーに、整備を行ったばかりの車両を直接納車できる施設となっている。2014年11月から新車整備センターの見学ツアーも開催しており、「数時間で予約が埋まる」(上野社長)ほど人気を博しているという
認定中古車にも力を入れていく

「GLクラス」初の右ハンドル車

「GL 350 BlueTEC 4MATIC」のボディーサイズは「GL 550 4MATIC」と同じく5125×1935×1850mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3075mmと、堂々とした体躯

 当日は「GLクラス」初の右ハンドル車となる「GL 350 BlueTEC 4MATIC」のお披露目も行った。Eクラスのセダン/ステーションワゴン、Mクラス、Gクラスに続くクリーンディーゼルモデルで、価格は1000万円。乗車定員は7名。

 詳細については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150122_684909.html)に詳しいが、尿素SCR(選択型触媒還元)を採用したディーゼル排出ガス処理システム「BlueTEC」を利用するV型6気筒3.0リッター直噴ディーゼルターボ「642」エンジンを搭載し、7速ATを介して4輪を駆動する。

V型6気筒3.0リッター直噴ディーゼルターボエンジンは、最高出力190kW(258PS)/3600rpm、最大トルク620Nm(63.2kgm)/1600-2400rpmを発生

「ML 350 BlueTEC 4MATIC」と同じパワートレーンを採用し、最高出力、最大トルクは同一のスペック。ただし、JC08モード燃費は「ML 350 BlueTEC 4MATIC」の12.5km/Lに対し、車重は290kg増の2540kgということもあり11.4km/Lとなる。

 この「ML 350 BlueTEC 4MATIC」について、上野社長は「GLクラスとして初めて右ハンドルを採用するとともに、最新のミリ波レーダーとカメラによる運転支援システムをはじめとする充実した装備を備えながら、1000万円という魅力的な価格を実現した」とアピールを行った。

撮影したモデルは「ML 350 BlueTEC 4MATIC」のパッケージオプション「レザーエクスクルーシブパッケージ」装着車。「GL 550 4MATIC」で用意される「AMG エクスクルーシブパッケージ」の設定はなく、「レザーエクスクルーシブパッケージ」のみの設定となる。「レザーエクスクルーシブパッケージ」の内容は、20インチ5スポークアルミホイール、ステンレス製ランニングボード(ラバースタッド、乗降時LED照明付)、パノラミックスライディングルーフ、本革シート(前列/2列目シートヒーター付)、本革巻きウッドステアリング(ナッパレザー)、レザーARTICOインテリア(ダッシュボード、ドア内張り)、パワーベンチレーションウインドー(3列目)となっている
「レザーエクスクルーシブパッケージ」装着車のインテリアカラーは、ブラックのほかブラック/アーモンドベージュの選択も可能。「GL 550 4MATIC」と同様、電動でサードシートへ乗り込めるポジションに変化するセカンドシート、同じく電動で格納/復帰が可能なサードシートなどが標準装備される

(編集部:小林 隆)