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ジャガー・ランドローバー、自動運転車両の研究プロジェクト「MOVE-UK」に出資

自動運転車両を対象とした今後の車両保険の構築に寄与

2016年2月1日(現地時間) 発表

 英ジャガー・ランドローバーは2月1日(現地時間)、英国政府からも支援を受けている自動運転車両の研究プロジェクト「MOVE-UK」に出資してることを明らかにした。

 ボッシュが主導する「MOVE-UK」プロジェクトでは、グリニッジ・ロンドン特別区の職員がジャガー・ランドローバーの車両を毎日運転し、渋滞や混雑した交差点、道路工事、悪天候といった実社会で起きる運転状況の変化に対して、ドライバーがとるさまざまな反応を検証。車両に搭載されたセンサーが各種データを収集し、「ロータリーや交差点で道を譲る」「交差点でクルマの流れに入るために減速する」「渋滞中に車両後方から緊急車両が接近してきたときの対応」といった、複雑でストレスがかかる運転状況でドライバーが行なう運転操作と判断について明らかにしていくとしている。

 同社では自動運転システムを選択、採用するためには、ドライバーが車両に対して絶大な信頼を置く必要があり、自動運転車両が人間と同じように対応するプログラミングができれば、自動運転の走行体験がより自然になり、ドライバーが車両に操縦を委ねることができるようになるとしている。

 英ジャガー・ランドローバーのリサーチ&テクノロジー担当ディレクターであるウルフガング・エップル博士は、「自動運転車両の導入を進めるには、実はこれまで以上にドライバーの行動に注目する必要があります。将来的に自動運転車両の受け入れを求めるならば、現実社会で遭遇するダイナミックで偶発的な状況に、ドライバーがどのように対応しているかを理解することが不可欠なのです」

「車両がドライバーと同じ反応ができれば、高度に自動化された車両や完全自動運転車両が顧客に受け入れられる可能性は大いに高まります。運転中の動作を解明し測定することで、将来のジャガーまたはランドローバーの自動運転車両は、ロボットのように機能を実行するだけではなくなります。最終的な目標として、ドライバーが自動運転と通常の運転のどちらかを選択できるようにすることを考えています。ドライバーが自動運転を信頼できれば、シームレスにモードを切り替えることができます。自動運転モードは、駐車などの難しい操縦や、渋滞時のような注意散漫になりがちな状況で役立ちます。この自動運転体験が自然で安全なものに感じられれば、ドライバーは安心して車両に運転を任せられるはずです」と述べている。

 また、「MOVE-UK」プロジェクトは将来的な自動運転車両に関連する車両保険の構築を目的に、3年間で550万ポンド(約8億9650万円)を投じるプロジェクトとしてもこのデータを使用する予定。保険会社の専門家が実走テスト車両から取得したデータを使用して、特定の状況下での責任の所在に関して専門知識を提供する。

(編集部:佐久間 秀)