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スーパー耐久シリーズ開幕。初戦を制したのはスリーボンド日産自動車大学校GT-R

開幕戦を戦った62台をクラスごとに紹介

2016年4月2日~3日 開催

会場:ツインリンクもてぎ

ST-Xクラス1位 No.24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R(NISSAN GT-R NISMO GT3)

 4月2日~3日、ツインリンクもてぎにてスーパー耐久シリーズの開幕戦が行なわれた。1990年にN1耐久ラウンドシリーズとしてスタートして現在に至るこのレースは今シーズンで26年目を迎え、65台ものマシンが年間エントリーしている。

 ポルシェ、フェラーリ、マクラーレンなどのFIA-GT3マシンが争う「ST-X」クラスから本田技研工業「フィット」、マツダ「デミオ」など身近なコンパクトカーが争う「ST-5」クラスまで6クラスに分けられた多種多様なマシンが混走する様は圧巻だ。今回は開幕戦を戦った62台をクラスごとに紹介しよう。

ST-Xクラス(FIA-GT3規定に基づいた車両)

 SUPER GT GT300クラスでもおなじみのFIA-GT3マシンが争うのがトップカテゴリーのST-Xクラスだ。星野一樹選手、柳田真孝選手、佐々木孝太選手、横溝直樹選手ほか、多数のSUPER GTドライバーも参戦する。このクラスを制したのは日産自動車大学校と近藤真彦氏が率いるKONDOレーシングの学生参加共同プロジェクトチーム「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」で、マシンはもちろんNISSAN GT-R NISMO GT3だ。なお、フェラーリの最新GT3マシン「488 GT3」が早くも参戦している。

今シーズンの初戦を制したのは日産自動車大学校と近藤真彦氏が率いるKONDOレーシングの学生参加共同プロジェクトチーム「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」。表彰台を3台のNISSAN GT-R NISMO GT3が独占した
2位 No.5 Mach MAKERS GTNET GT-R(NISSAN GT-R NISMO GT3)
3位 No.3 ENDLESS・ADVAN・GT-R(NISSAN GT-R NISMO GT3)
4位 No.22 Clearwater Racing by Mooncraft Cars(McLaren 650S GT3)
5位 No.8 ARN SLS AMG GT3(SLS AMG GT3)
6位 No.16 REAF REAL ESTATE KiiVA BMW(BMW Z4 GT3)
7位 No.25 ケーズフロンティア911GT3R(PORSCHE 911 GT3)
8位 No.89 HubAuto Ferrari 488GT3(Ferrari 488 GT3)
9位 No.10 Adenau SLS AMG GT3(SLS AMG GT3)
10位 No.108 Direction Ferrari 458(Ferrari 458 GT3)
11位 No.70 J-Fly Racing R8 LMS Ultra(AUDI R8 LMS Ultra)

ST-1クラス(エンジン排気量3501cc以上の車両)

ST-1クラス1位 No.777 D’station Porsche 911(PORSCHE 911 GT3 CUP)

 ST-1クラスは2台のみのエントリーで「D’station Porsche 911」が勝利した。

ST-1クラスを制したのは、昨年「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」のドライバーを務めた星野敏選手とル・マン24Hウイナー荒聖治選手のコンビが駆る「D’station Porsche 911」
2位 No.51 Diamango BMW Z4(BMW Z4 M Coupe)

ST-2クラス(エンジン排気量2001cc~3500ccの4WD車両)

ST-2クラス1位 No.59 DAMD MOTUL ED ERX STI(SUBARU WRX STI)

 6台の新旧三菱自動車工業「ランサーエボリューション」と1台のスバル(富士重工業)「WRX STI」がエントリーした4WD車のみで争われるST-2クラスはスバル WRX STIが勝利した。

以前からランエボVSインプレッサの構図が続いているST-2クラスは、そのインプレッサの末裔スバル WRX STIの「DAMD MOTUL ED WRX STI」が6台ものランエボを制し勝利した
2位 No.20 RSオガワADVANランサー(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION X)
3位 No.6 新菱オートDIXCELエボX(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION X)
4位 No.31 HASEPRO RACING LANCER EVOLUTION X(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION X)
5位 No.30 RSオガワEVO IX(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION IX)
6位 No.7 恒力技巧☆新菱オートDXLエボIX(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION IX)
No.505 ビズキューブレーシング ランサーX(MITSUBISHI LANCER EVOLUTION X)

ST-3クラス(エンジン排気量2001cc~3500ccの2WD車両)

ST-3クラス1位 No.38 MUTA Racing TWS IS350(LEXUS IS 350)

 岡部自動車がエントリーする3台の日産自動車「フェアレディZ」とトヨタやレクサスが争うST-3クラス。埼玉トヨペットは昨年より自社が取り扱うトヨタ「マークX」で参戦。レースはレクサス「IS 350」の「MUTA Racing TWS IS 350」が制した。

2台のレクサスが1-2位を獲得。クラス1位は「MUTA Racing TWS IS 350」、日産勢は3位に「岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34」が食い込んだ
2位 No.62 DENSO Le Beausset RC 350(LEXUS RC 350)
3位 No.15 岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34(NISSAN Fairlady Z)
4位 No.34 assetテクノRC350(LEXUS RC 350)
5位 No.68 埼玉トヨペットGBマークX G’s(TOYOTA Mark X)
6位 No.14 岡部自動車KYOSHIN195Z34(NISSAN Fairlady Z)
7位 No.23 岡部自動車KゼロサンMBFネットワークスZ34(NISSAN Fairlady Z)

ST-4クラス(エンジン排気量1501cc~2000ccの車両)

ST-4クラス1位 No.13 ENDLESS・ADVAN・86(TOYOTA86)

 今レース最大の参加台数の22台が争ったST-4クラス。うち9台がトヨタ「86」とスバル「BRZ」、10台がホンダのVTEC勢。結果はトヨタ「86」が表彰台を独占。続く4位から8位までをVTEC勢が続いた。

クラス優勝を果たした「ENDLESS・ADVAN・86」をはじめ表彰台をトヨタ 86勢が独占した
2位 No.86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86(TOYOTA86)
3位 No.55 SunOasisネッツトヨタ東埼玉86(TOYOTA86)
4位 No.333 GLORY RACING A-ONE FN2(HONDA CIVIC TYPE-R EURO)
5位 No.48 DIJON エンドレスワコーズ NILZZ DC5(HONDA INTEGRA TYPE-R)
6位 No.41 TAKUMI×HERO’S SSR ings S2000(HONDA S2000)
7位 No.93 SKR ENGINEERING S2000(HONDA S2000)
8位 No.116 W.S.ENGINEERING S2000(HONDA S2000)
9位 No.111 EXPRIDE G-Tech Sportster GT/R(Sportster GT/R)
10位 No.36 エンドレスアドバントラストヴィッツ(TOYOTA Vitz GRMN Turbo)
11位 No.27 D’Station FINA BRZ(SUBARU BRZ)
12位 No.12 シビックTYPE-R☆STA(HONDA CIVIC TYPE-R)
13位 No.95 SPOONリジカラS2000(HONDA S2000)
14位 No.40 ゴーゴーガレージRAMD86AGE AGE RACING SSRings(TOYOTA86)
15位 No.216 ニールレーシングwithセイコーSSR亜衣(TOYOTA86)
16位 No.60 AGENT-1 WM インテグラ(HONDA INTEGRA TYPE-R)
17位 No.54 TC CORSE iRacing ROADSTER(MAZDA ROADSTER)
No.18 Y’s distraction 86(TOYOTA86)
No.58 ウインマックステインワコーズDC5☆KRP(HONDA INTEGRA TYPE-R)
No.117 W.S.ENGINEERING S2000 TAIKEN(HONDA S2000)
No.100 アミューズ SPV 86(TOYOTA86)
No.52 埼玉トヨペットGreenBrave86(TOYOTA86)

ST-5クラス(エンジン排気量1500cc以下の車両)

ST-5クラス1位 No.69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT(HONDA FIT3 RS)

「フィット」「ヴィッツ」「デミオ」といった街で見かけることも多いコンパクトカーが争うST-5。今シーズンは最新のND型マツダ「ロードスター」も加わった。優勝はホンダ「フィット RS」の「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT」。S耐唯一のディーゼル車「XLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」は参戦2年目にして2位表彰台を獲得した。

1位は「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT」。上位を占めるホンダフィット3RS勢に割って入り、2位を獲得したデミオは参戦2年目のディーゼル車だ
1位 No.69 BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT(HONDA FIT3 RS)
2位 No.17 DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D(MAZDA DEMIO Diesel Turbo)
3位 No.4 BTHE BRIDE FIT(HONDA FIT3 RS)
4位 No.2 ホンダカーズ野崎 with CUSCO & BOMEX FIT(HONDA FIT3 RS)
5位 No.213 WAKO’S APP 菅野自動車 Vitz(TOYOTA Vitz RS)
6位 No.46 DIJON エンドレスワコーズ NILZZ FIT(HONDA FIT2 RS)
7位 No.37 ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ(MAZDA DEMIO)
8位 No.88 村上モータースMAZDAロードスターND(MAZDA ROADSTER)
9位 No.66 odula MAZDAデミオ15MB(MAZDA DEMIO)
10位 No.33 TOITEC Racing WAKO’S μ VITZ(TOYOTA Vitz RS)
11位 No.19 BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT(HONDA FIT3 RS)
12位 No.71 ピースMS NUTEC 制動屋 Fit RS(HONDA FIT2 RS)
No.11 隈元建設×BSR WM☆Vitz(TOYOTA Vitz RS)

 1周5kmに満たないツインリンクもてぎにおいて、ラップタイムが30秒以上も違うマシンの混走となるスーパー耐久。出場マシンの性能差が激しいのはもとより、経験や技術の差も大きいハイアマチュアから国内トッププロまでが揃うこのレースは、プロにとっても非常に難しいレースだと今回2号車のホンダ「フィット」で参戦したCar Watchでもおなじみの松田秀士選手は語る。

 その一方で混走ゆえ車種バリエーションが多く、スーパースポーツから身近なコンパクトカーまでがコースを疾走するその雰囲気は、他のレースに見られないスーパー耐久ならではの大きな特徴だ。随所で見られる同クラス同士のバトルも見応えがある。今回行なわれたツインリンクもてぎでの開幕戦を皮切りに全国で6戦が予定されていて、次戦は5月14日~15日にスポーツランドSUGOで行なわれる。

速度差の大きいマシンの混走となるため、抜く方にとっても抜かれる方にとっても高い技術と判断力が求められる長丁場のレース。それが「スーパー耐久シリーズ」だ
1つのレースの中で、同じクラス同士の譲れない戦いもコースのあちこちで見られる

(高橋 学)