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スバル、2018年にPHV、2019年に新設計ダウンサイジングターボ、2021年にEV投入を予告
2016年3月期決算発表会を開催。営業利益は5656億円、4期連続で過去最高
(2016/5/12 19:04)
- 2016年5月12日 発表
スバル(富士重工業)は5月12日、2016年3月期決算(2015年4月1日~2016年3月31日)を発表した。
発表によると、売上高は前年同期比で12.3%増の3兆2323億円、営業利益は同33.7%増の5656億円、経常利益は同46.6%増の5770億円、当期純利益は同66.7%増の4367億円となり、各利益段階のいずれも4期連続で過去最高となった。
国内は前年比10.7%減、しかし全世界販売台数は8.6%増
スバル車の全世界販売台数は、前年同期比5.2%増の95万8000台。国内販売は新型車効果の一巡した登録車が前年を下回ったことなどにより、同10.7%減の14万5000台となったが、海外販売では「レガシィ」「アウトバック」が年度を通して好調であったことに加え、北米市場で「インプレッサ」「クロストレック」が順調な販売数で推移し、海外合計では同8.6%増の81万3000台となった。
また連結損益は、為替変動や販売台数の増加、原価低減の進捗等により、諸経費等ならびに試験研究費の増加をカバーし、営業利益が前年同期比33.7%増となる5656億円。経常利益は同46.6%増の5770億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同66.7%増の4367億円になったとのこと。
2017年3月期も全世界販売台数は過去最高の見通し
また、2017年3月期の通期連結業績見通しについては、引き続き好調な北米などでの増加を見込み、前年同期比9.6%増の105万台と、スバルとして初めての100万台超えを計画。
それにより、通期連結業績については販売台数の増加や原価低減の進捗により、諸経費等ならびに試験研究費の増加をカバーしながらも、為替レートを前年度よりも円高(105円/USドル、120円/ユーロ)で見通し、連結売上高は同1.9%減の3兆1700億円、営業利益は同25.7%減の4200億円、経常利益は同27.2%減の4200億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同32.9%減の2930億円を計画。北米での販売台数は8期連続で過去最高、全世界販売台数および海外販売台数は5期連続での過去最高となる見通しを明らかにした。
2019年にダウンサイジングターボユニット、2020年にはEVの市場投入を計画
なお、今回の決算説明会では、同社代表取締役社長の吉永泰之氏からいくつかの新情報が発表された。
まず、供給不足が指摘されてきたスバル車の生産台数については、SIA(スバル・オブ・インディアナ・ オートモーティブ)でのトヨタ自動車「カムリ」の受託生産が5月で終了することから、アウトバックの生産に切り替えて改善を図ることが明かされた。
今後の商品戦略としては、新型「インプレッサ」から導入される「SGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)」により、毎年新型車の投入を予定しているとのこと。また、環境対策として直噴ユニットの拡大展開を行ないながら、2018年にPHV(プラグインハイブリッド)、2019年に新設計のダウンサイジングターボユニット、2020年にEV(電気自動車)の市場投入を計画しているという。吉永氏は「ハイブリッドについては先に技術を持っていた他社と一緒に進めさせていただいたが、EVについては両社ともゼロからのスタート。スバルらしいEVを作りたい」と意欲を見せた。
また、2017年4月1日付で社名を「株式会社SUBARU」に変更するとの発表もあった。その前段階として、10月1日から産業機器カンパニーを自動車部門へ統合し、従来から自動車の開発リソース不足を指摘され続けてきたことから、統合により人材を自動車の開発リソースへ引き当てる予定とのこと。