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BMW、「7シリーズ」に搭載する世界初の「リモート・パーキング機能」のデモを公開

オプション価格は7万4000円。車外からディスプレイ・キーで前進・後退を操作可能

2016年5月16日 オプション設定開始

7万4000円

 ビー・エム・ダブリューは5月16日、フラグシップセダン「7シリーズ」に新しいオプション装備「リモート・パーキング」を設定して販売を開始した。オプション価格は7万4000円。

 2015年10月に日本導入が開始された新しい7シリーズは、新オプションとして追加されたリモート・パーキングのほかにもLEDハイビーム・ヘッドライトに加えてレーザーライトが夜道を照らす「BMWレーザー・ライト」、ドライバーの手や指先の動きを3Dカメラが認識してスイッチ類に触らなくてもジェスチャーだけでオーディオの音量や空調などを操作できる「ジェスチャー・コントロール」などの量産車で世界初となる機能を用意。車両のデビュー時と同時に採用されたほかの装備から半年ほどのタイムラグを経て、リモート・パーキングも全車でオプション装着できるようになった。

BMW 7シリーズ
リモート・パーキングなど新型7シリーズの概要、装備などについて解説するビー・エム・ダブリュー株式会社 広報部 製品広報 星川聡氏

 リモート・パーキングは同じく7シリーズの特徴的な装備である「BMW ディスプレイ・キー」を使い、車内に誰も乗っていない無人状態でも車外からキーに設置されたタッチパネルを操作することで前進・後退の操作が可能。ドアを開けてドライバーが乗り降りする必要がなくなるので、幅が狭いスペースにも駐車できることがメリットになる。

 5月16日に東京都内で行なわれた記者発表会にはリモート・パーキングを装備した車両が用意され、実際にリモート・パーキングで駐車するデモンストレーションが披露された。

BMW「7シリーズ」の新機能「リモート・パーキング」・前方駐車(46秒)
BMW「7シリーズ」の新機能「リモート・パーキング」・後退出庫(46秒)
キーのロック/アンロックやトランクリッドのオープンといった基本的な動作だけでなく、ドアウィンドウの上下やエアコン設定などを操作できる「BMW ディスプレイ・キー」
画面に表示されたアイコンを指で触り、前進・後退を操作可能。どちらも約1.8km/hという徐行速度で走行する
デモ駐車は車両(7シリーズ)とブロックを模した障害物のあいだのスペースにリモート・パーキングで駐車・出庫するという内容。今回は機能紹介ということで直線的なスペースに駐車したが、実際にはある程度までの障害物はステアリング操作によって回避可能とのこと。このデモの途中にも、駐車車両のボディの局面を検知して、少しだけ左右にタイヤが切れるシーンも見かけられた

 リモート・パーキングは「まっすぐ前進して駐車する」というシチュエーションを想定した装備。狭い場所に駐車してから、トランクに収めている荷物の出し入れで困らないようにとの配慮で前方駐車が基本とされている。このため、システム作動の初期段階ではステアリングを直進状態にする動作からスタート。車両の周辺状況は、PDC(パーク・ディスタンス・コントロール)のコーナーセンサーを、既存の前後で8カ所に加えてサイド4カ所にも増設した12個に、車両の前後とドアミラーに設置した4つのカメラによる映像を組み合わせて警戒。スペースに張り出した障害物をステアリング操作で回避できるほか、歩行者などが近づいた場合には接触する前にぶつからないように停車する。

BMW「7シリーズ」の新機能「リモート・パーキング」・障害物検知(8秒)
車外にあるBMW ディスプレイ・キーの操作を受信する装置はリアバンパー内側などに設置されており、車両後方側であればこの程度であれば離れていても前進・後退といった操作が可能。デモを行なっているのはビー・エム・ダブリュー株式会社 御浜テクニカル・センター 試験マネジャー 早稲田寧氏
車両周辺の状況は、バンパーの側面にも追加されたコーナーセンサーや4つのカメラによる映像でチェックする
車両の後方に立ちながら後退出庫の操作を行なった場面。約30cm~40cmの距離まで近づいた時点でブレーキが作動して急停車する
車両後方に障害物を検知したことを、BMW ディスプレイ・キーの画面にも表示

(編集部:佐久間 秀)