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富士通テン、視線センサーを取り入れた安全運転支援システムを披露
視線情報と車両のセンサー情報をクラウドで分析
(2016/5/17 23:39)
- 2016年5月19日~20日 開催
- 入場無料(事前申込制)
富士通テンは5月17日、同日報道公開された「富士通フォーラム2016」(5月19日~20日開催)において、ドライバーの視線情報などを取り入れた安全運転支援サービスのデモンストレーションを披露した。
「ヒトとクルマをつなぐ安全・快適な運転支援サービス」と題したデモは、2019年を想定した安全運転支援サービスで、ドライバーの目の動きを感知する視線センサー、車両周辺をセンシングするためのカメラやミリ波センサーなどを搭載した実験車両が用意された。
デモでは、ドライバーの視線情報とクルマが収集したセンサー情報をクラウドで分析して、現在よりも先の危険を予測してドライバーに情報提供するようすを示した。
実際のデモでは、ドライバーの脇見運転を検知するようす、車両に接近してくる自転車を音を使ってドライバーに方向感を与えて注意喚起をするようす、ドライバーの運転負荷状態を判断しながら情報提供のタイミングを変更するようすを体験することができた。
富士通テン 共通技術推進部主査の山田浩氏は「我々が2019年に提案したい内容を、実験車両を持ち込んでデモンストレーションを行なっています。2020年には新車の6割に通信ユニットが付くとされ、コネクテッドカーが普及した時に、センシングした情報をクラウドに吸い上げてお客様にどのようなサービスが提供できるかと検討を進めています」と話した。
同システムに採用されている視線センサーについて、山田氏は「視線センサーによりドライバーの瞳孔の位置を見て、ドライバーがどこを見ているかを感知しています。デモでは一番分かりやすいものとして脇見運転を感知するようすを示しましたが、お客様を安全に誘導するためのHMIとして活用を考えています」と話した。
今回の実験車両については「周囲をセンシングした情報は、まずはドライバー席に届けようということで、自車に接近する車両があれば近づいてくる方向から音を出すことで危険を知らせ、音を操ってドライバーに伝えるようにしています」と説明。
また、ドライバーの運転負荷を感知するシステムについては、ドライバーの目の動きの速さを検出するとともに、フロントウィンドウに設置されたカメラにより周辺状況の煩雑具合も判定しているという。
山田氏は「これらの技術は自動運転やコネクテッドカーの普及を見据えて研究を進めているものですが、自動運転もレベル2程度ですとドライバーは前を向いて注意していなければなりませんし、クラウドから提供するサービスをいつでも提供してもいいわけではありません。人の状態と周囲の情報を見てサービスを提供するようにしています」との考えを示した。
免許証をかざして個別にデータ作成できる「安全運転管理テレマティクスサービス」
また、6月1日より発売する安全運転を支援する「安全運転管理テレマティクスサービス」を展示。サービスは通信型ドライブレコーダー「G500Lite」、車載機「DRU-T500」、通信ユニット「DCM-T500」、ICカードリーダー「ICR-T500」を組み合わせて提供される。端末の価格はいずれもオープンプライス。サービス利用料は月額2200円/台。
同サービスでは、ドライバーが免許証をICカードリーダーにタッチして運転を開始することにより、車両に関わらずドライバー個人のデータを収集できるようにした。通信型とすることで業務終了後にデータをパソコンにダウンロードするなど利用者や管理者の手間を省いた。
クラウドセンターへ送信されたデータは、個人の運転特性を解析して運転診断書や改善点のコメントを自動で作成したり、過去の運転データを基に改善項目と目標値の推奨値を自動で設定したりするなど、専門知識を持った運行管理者のいない一般企業においても簡単に安全運転管理が行なえるという。