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写真で見る ホンダ「フィット」(2017年マイナーチェンジ)
2017年6月29日 11:30
本田技研工業は、6月29日に「フィット」のマイナーモデルチェンジを発表。翌6月30日から全国のホンダディーラーで販売を開始する。
グレードや仕様、価格などに関する詳細は別記事で紹介しているのでそちらを参照していただきたい。本稿では写真を中心に新しいフィットについて紹介する。
今回のマイチェンでは内外装のデザイン変更、静粛性と乗り心地の向上、パワートレーンの進化など多岐に渡る改良が施されるが、とくにポイントとなるのはホンダの先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が搭載された点だ。
ホンダ センシングは対象物の形や大きさの識別に優れる単眼カメラと、対象物の位置や速度の測定に強いミリ波レーダーの2つのセンサーとコントロールユニットで構成されている。それらにより適切な運転操作を判断して、状況に応じて警報で注意を促したり、アクセルやブレーキ、ステアリングなどの操作をシステムが直接行なうというもの。
制御の内容は、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制、歩行者事故低減ステアリング、先行車発進お知らせ、標識認識といった一般道向けの機能のほか、高速道路向けとして路外逸脱抑制、前走車との車間と速度を適切に保つアダプティブ・クルーズコントロール、ふらつき防止のための車線維持支援などとなっているが、フィットは幅広い層のドライバーが運転する車種だけに、安全性を高めるホンダ センシングの搭載はユーザーだけでなく、販売の現場にとっても心待ちにしていたことだろう。
エクステリアに関しては前後バンパーの形状が変更されている。今回のモデルでは低重心かつ安定したフォルムに見せるため、前後バンパーとも「ウイング形状」と呼ぶデザインを採用。上級モデルとなるHYBRID・S Honda SENSINGとRS・Honda SENSINGは前後ともスポーティバンパーを装着しているが、このうちフロントバンパーはデザインがスポーティになっているだけでなく、前方への張り出しが55mm延長されていることも特徴。実車を見た印象でも、こちらのタイプのバンパーは立体感のあるデザインと併せ、フロントマスクがより精悍になっているように感じた。
ヘッドライトではハイ/ロービームオートレベリング機能とオートライトコントロール付きとなるインラインタイプのLEDヘッドライトが新たに採用された。HYBRIDとHYBRID・F、13G・Fはマルチリフレクターハロゲンヘッドライトが標準装備となるが、HYBRID・Fと13G・FはメーカーオプションでインラインLEDヘッドライトを装着可能となっている。バンパーに組み込まれるフォグランプ(HYBRIDは設定なし。HYBRID・F、13G・Fはメーカーオプション設定)もLED式だ。
リアコンビネーションランプは全車ラインLEDだが、HYBRID全車と1.5リッターエンジンのHonda SENSING車には発光パターンに特徴がある導光チューブタイプを採用している。
フィットは幅広いユーザーから選ばれるクルマということで、多様な嗜好性に応えるインテリアデザインを取り入れた。ベースタイプとなる内装は黒を基調としたシンプルなものとなっているが、販売の中心となるHYBRID・L Honda SENSINGと15XL・Honda SENSINGのグレードには、素材も上質感や心地よさにこだわったブラックコンビシート&専用インテリアを採用。さらにメーカーオプションとして表皮にウルトラスエードを使用したプレミアムブラウン・インテリアも用意されている。こちらのインテリアは今回の撮影車にも装備されていたが、革シートの質感を持つウルトラスエードと、明るめで落ち着いた色使いによって上質な雰囲気に仕上がっている印象を受けた。
また、HYBRID・S Honda SENSINGとRS・Honda SENSINGには、エクステリアのエアロパーツにアクセントとして使われるそれぞれの差し色を、シートの配色などにも取り入れてスポーティさを演出している。
ダッシュボードやメーターパネルなどの形状に変更はないが、メーター内の項目にホンダ センシングの情報表示が加えられたことで、ドライバーがメーターから受け取る情報量がアップした。そこでドライバーの視覚的負担を軽減することを目的に、スピードメーターの照明色を従来の青色入りから白基調に変更して、メーター表示から受ける情報量の調整を行なっている。また、形状に特徴があるハイブリッド専用シフトセレクトレバーだが、これまでは「ハイブリッド=先進的なイメージ」を持たせるためデザインに青色を取り入れていたが、今回の改良でインテリアカラーにマッチする落ち着いたダークトーンを採用している。
パワートレーンのラインアップに変更はないが、それぞれのパワートレーンごとに特性を生かすチューニングが施された。全モデルに共通する内容としては、軽量のために採用している中空カムシャフトの内径を従来の16φから17φに拡大し、さらなる軽量化を施した。そのカムを駆動するためのカムチェーンも、チェーン摺動部カバーの材料特性を改善して摺動時の摩擦抵抗を軽減。また、ノッキングの発生を抑えるため、エンジンブロックの軸間にスリットを入れて燃焼室周りの冷却性能を向上させた。
さらにフリクションロスを減らすため、シリンダースリーブ内壁の表面性状の加工精度をこれまで以上に高め、ピストン摺動時の抵抗を軽減している。これに加えてハイブリッドモデルではインテークポートの形状変更、ナトリウム封入中空エキゾーストバルブの採用、燃焼室のコンパクト化などの変更も行なわれた。
1.3リッターエンジンはアトキンソンサイクル DOHC i-VTECで、最高出力73kW(100PS)/6000rpm、最大トルク119Nm(12.1kgm)/5000rpmを発生し、トランスミッションはCVTと5速MT。1.5リッターエンジンは直噴DOHC i-VTECで、トランスミッションはCVTと6速MT。スペックは最高出力が97kW(132PS)/6600rpm。最大トルクが155Nm(15.8kgm)/4600rpmだ。そしてハイブリッドモデルは1.5リッターのアトキンソンサイクル DOHC i-VTECエンジンに高出力モーター内蔵7速DCTを組み合わせる。スペックはエンジン最高出力が81kW(110PS)/6000rpm、エンジン最大トルクが134Nm(13.7kgm)/5000rpm。モーターアシストを含めたシステム最高出力は101kW(137PS)、システム最大トルクは170Nm(17.3kgm)となっている。
ホンダアクセス製純正アクセサリー装着車「CROSS STYLE」
新型フィットの発表に合わせて、ホンダアクセスからも新しい純正アクセサリーが発売された。ラインアップはおなじみの「Modulo」を中心としたスポーティなアイテムのほか、女性向けの「デイリーリュクスコレクション」、そしてフィットカスタムの新たな方向性であるオフロードテイストを盛り込んだ「CROSS STYLE」を展開している。今回の撮影会には注目が集まりそうな「CROSS STYLE」のアイテムを装着したHYBRID・Fが用意されていたので、その細部も紹介していこう。
なお、ホンダアクセスの純正アクセサリーにはドライブレコーダー、チャイルドシート、キャリアシステム、さらに「HondaDog」ブランドの車内用ペット用品など、用途の広いフィットに合わせた各種アイテムが充実しているので、純正アクセサリーカタログもチェックしておきたいところだ。