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ホンダ、「燃費」「空間」「かっこよさ」を進化させた新型「フィット」

フィット ハイブリッドは36.4km/L、1.3リッターのFF/CVT車は26.0km/Lを達成

36.4km/LのJC08モード燃費以外にも見どころ満載の3代目フィット
2013年9月6日発売

126万5000円~193万円

 本田技研工業は、コンパクトハッチバック車「フィット」「フィット ハイブリッド」をフルモデルチェンジして9月6日に発売する。価格は126万5000円~193万円。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
13G直列4気筒DOHC 1.3リッターCVT2WD(FF)1,265,000円
4WD1,454,000円
13G Fパッケージ5速MT2WD(FF)1,360,000円
CVT2WD(FF)1,360,000円
4WD1,549,000円
13G Lパッケージ2WD(FF)1,461,000円
4WD1,650,000円
13G SパッケージCVT(7速モード付)2WD(FF)1,560,000円
4WD1,749,000円
15X直列4気筒DOHC 1.5リッターCVT2WD(FF)1,580,000円
4WD1,769,000円
15X Lパッケージ2WD(FF)1,680,000円
4WD1,869,000円
RS6速MT2WD(FF)1,800,000円
CVT(7速モード付)1,800,000円
ハイブリッド直列4気筒DOHC 1.5リッター+スポーツハイブリッドi-DCD7速DCT2WD(FF)1,635,000円
ハイブリッド Fパッケージ1,720,000円
ハイブリッド Lパッケージ1,830,000円
ハイブリッド Sパッケージ1,930,000円

 新型フィットのモデル体系は、先代の1.5リッター&1.3リッターガソリンエンジン、1.3リッターハイブリッドから、ハイブリッドモデルの搭載エンジンを1.5リッターに強化。さらにハイブリッドモデルはトランスミッションをCVTから新開発の7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)に変更し、バッテリーをニッケル水素からリチウムイオンに変えるなど大幅に改良。これによってハイブリッドモデルは36.4km/LのJC08モード燃費を実現している。この数値はプラグインハイブリッドカーを除く国内最高値となった。

 このほかの基本ラインでは、1.5リッターガソリンエンジン車にスポーティモデルとなる「RS」を設定し、2WD(FF)に加えてハイブリッドモデル以外に4WD車を設定するといったラインアップは先代から踏襲している。

JC08モード燃費
13G(FF、CVT)26.0km/L
15X(FF、CVT)21.8km/L
ハイブリッド(FF)36.4km/L

 開発コンセプトは初代モデルの誕生から12年で3代目のモデルになることも関連付け、「燃費」「空間」「かっこよさ」という3要素を追求する「FIT3」というキーワードを使用。エクステリアデザインではホンダの新しいデザインコンセプト「エキサイティングHデザイン」により、フィットらしさを受け継ぎながらもダイナミックさを表現するスタイルとしている。また、RSは専用フロントグリルやエアロパーツの装着などで差別化を図っている。

外観デザインは、初代モデルからの大きな特徴であるワンモーションフォルムをさらに進めた「クロスフェードモノフォルム」をコンセプトに開発
ボディーのサイドラインは、なめらかな面構成とシャープなキャラクターラインの組み合わせでダイナミックさとクオリティの高さを表現
ホンダのHマークを中心に、フロントグリルからヘッドライトまでを連続させた「ソリッド・ウイング・フェイス」を採用。スポーティさと未来感を強調している
テールゲートにもレンズを配置した「LEDリアコンビネーションランプ」を採用
ハイブリッド Fパッケージ
13G Fパッケージ
RS
RSでは専用フロントグリルを備え、LEDヘッドライト、フォグライトを標準装備
RS専用のサイドシルガーニッシュ
リフトバランスを向上させるRS大型テールゲートスポイラー
形状の異なるスポーティタイプのRSリアバンパー
内装でもRSは本革巻きのCVTセレクトレバーやステンレス製スポーツペダルなどを装備
MT車では本革巻シフトノブを装着
LEDヘッドライトはRSのほか、Sパッケージ&Lパッケージ車で標準装備。Fパッケージは6万5000円高でオプション設定
LEDドアミラーウインカーは13Gとハイブリッドの各ベースグレード以外に標準装備
エマージェンシーストップシグナルは全車で採用
RSとSパッケージ以外のグレードはスチールホイール+フルホイールキャップが標準装備となる
16インチアルミホイールはRSとハイブリッド Sパッケージに標準設定
15インチアルミホイールは13G Sパッケージに標準装備するほか、15XとハイブリッドのLパッケージ&Fパッケージに6万3000円でオプション設定

 ボディーカラーは新色6色(新開発5色、新採用1色)を含む全11種類。グレードごとのキャラクターに合わせて一部のカラーで使い分けを行っている。

新色の「アトラクトイエロー・パール」
新色の「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」
新色の「ティンテッドシルバー・メタリック」
ハイブリッド専用の新色「ビビッドスカイブルー・パール」
ハイブリッド、13G系に設定される新色「ライトベージュ・メタリック」
15X系専用の新色「プレミアムノーザンライツバイオレット・パール」
「プレミアムホワイト・パール」
「アラバスターシルバー・メタリック」
「クリスタルブラック・パール」
RS専用となる「サンセットオレンジII」
RS以外に設定される「ミラノレッド」

 ハイブリッド用の「LEB」、1.5リッターの「L15B」、1.3リッターの「L13B」と3種類用意されているエンジンは、すべてSOHCからDOHCに進化。LEBエンジンは圧縮比をL13Bエンジンと同じ13.5という高圧縮型としながら、排気量が同じL15Bエンジンより最高出力と最大トルクを抑えて燃費性能を追求。組み合わされるトランスミッションは、ハイブリッドが駆動力をアシストするH1型モーターを内蔵する7速DCT、L15BはCVTと6速MTで、L13BはCVTと5速MTが設定される。ハイブリッドのほか、RSと13G SパッケージのCVTもパドルシフトでドライバーがギア比を選択できる7速式となる。

アトキンソンサイクルのLEBエンジンは81kW(110PS)/6000rpm 134Nm(13.7kgm)/5000rpmを発生。さらにH1型モーターが22kW(29.5PS)/1313-2000rpm 160Nm(16.3kgm)/0-1313rpmのスペックでアシストする
直噴のL15Bエンジンは97kW(132PS)/6600rpm 155Nm(15.8kgm)/4600rpmを発生。15XとRSで特に変更はない
アトキンソンサイクルのL13Bエンジンは73kW(100PS)/6000rpm 119Nm(12.1kgm)/5000rpmを発生

 初代フィットから採用され、ホンダ車のスペース効率を飛躍的に向上させたセンタータンクレイアウトのプラットフォームも完全新設計。フロアフレームを大断面化し、従来までは燃料タンクの側面に配置していたが、これをタンク下側を通過する形状に見直し。これによって大幅な軽量化と衝突安全性向上を実現したことに加え、燃料タンクを横に広げて薄型化することに成功。従来からの低床設計をさらに進化させ、フロントシートの最低着座高を10mm下げ、シートスライド量を36mm増やして体格が大きい人でも楽に座れるようになった。そのほかにボディー構造ではホイールベースの30mm拡大に加え、リアホイールアーチフランジの短縮によってリアシートの後方配置を行い、定評ある車内の広さに磨きをかけている。

フロントシートの下に燃料タンクを配置してスペース効率を高めるホンダの「センタータンクレイアウト」も3代目フィットでさらに進化。燃料タンクの両サイドを、運転席側からエキゾーストパイプ、助手席側からハイブリッドシステム用の高電圧ケーブルが通過する
ボディーの骨格には、ハイテン材のなかでも軽量で強度が高い780MPa級以上の「超ハイテン材」を新規導入。全体の23%に超ハイテン材を使用して衝突安全性能を向上させつつ、重量を約9kg軽量化。燃費と走行性能を向上させている
ハイブリッドモデルは軽量化の徹底追求に加え、ボディー下面にリアエンジンアンダーカバーの新採用、フロアアンダーカバーの大型化などによってインサイトに迫る優れたCd値を手に入れ、ハイブリッドカーの頂点に立つ36.4km/LのJC08モード燃費を達成

 このほかに走行関連の装備では、全車にエマージェンシーストップシグナル、VSA(車両挙動安定化制御システム)、HSA(ヒルスタートアシスト機能)などを標準装備するほか、「シティブレーキアクティブシステム」「前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)」「サイドカーテンエアバッグシステム(前席/後席対応)などをセットにした「あんしんパッケージ」を13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に6万円高でオプション設定している。

 今年3月に発表され、この新型フィットから導入がスタートするシティブレーキアクティブシステムは、フロントウインドー内側に設置するレーザーレーダーで前方にある車両などの障害物を検知。30km/hまでの走行中に作動する「低速域衝突被害軽減ブレーキ」は、このまま走り続けると障害物と追突する危険性があると判断した場合に自動的にブレーキを効かせ、さらにエンジン制御も行って危機回避を図る。このほか、CVT車とDCT車は「誤発進抑制機能」も装備し、停車中や10km/h以下で走行中に前方に障害物がある場合、アクセルペダルが踏み込まれてもエンジン出力を抑制して急発進や加速を防いで突発的な事故を防止する。どちらの機能でも、システムの作動中はブザー音とディスプレイ表示の点滅などでドライバーに危険性とシステムによる介入が行われることを警告する。

 広々とした室内スペースを利用シーンに合わせたシートアレンジで使い分け、さらにユーティリティを高める「ULTR SEAT(ウルトラシート)」も初代フィットから受け継ぐ伝統のアイテム。13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に標準装備する。また、15Xのリアシートはダンパーとスプリングを内蔵する「新ダイブダウン機構」を備え、上質で使いやすい操作感を実現している。

ULTR SEATは4モードそれぞれの頭文字を合わせた名称。最初のUは、リアシートを両方格納して大容量ラゲッジを作り上げるユーティリティー・モード
2文字目のLは、リアシートを片側格納し、助手席のシートバックを後方に倒して長尺物を収めるロング・モード
2文字目のTは、リアシートの座面をチップアップさせ、底床キャビンのゆとりを高さのある荷物の積載に生かせるトール・モード
最後のRにあたるリフレッシュ・モード。フロントシートの背もたれを後方に倒して前後シートの座面を一体化。車内をくつろぎのスペースに変化させる
内装色は黒系がベースで、ハイブリッドとハイブリッド Fパッケージ(写真)にライトグレー、15Xにアイボリーを追加設定する
15X Lパッケージはプライムスムース&ソフトウィーブのシート表皮を使うコンビシートを装着
RSのシート表皮にはオレンジ色のジオメトリック柄とサイドステッチを使ってスポーティさを強調
リアシートは座面を16mm延長。低床化によってひざ下スペースも増え、居住性が高められている
1.5リッター車とハイブリッドのベースモデル以外にはインパネ助手席側にソフトパッドパネルを装着。RSではシルバー加飾がドットプリント付きのピアノブラックに変更される
ハイブリッド Fパッケージのインパネ。メーターデザインはハイブリッド専用となり、左側にシフトインジケーターとパワー/チャージメーターを表示。右側にはエネルギーフロー、エコスコア、ナビ情報、タコメーターなどを切り替え表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」を設置する
13G Fパッケージのインパネ。ハイブリッド以外は常時発光3眼メーターを採用。メーターパネル右側には平均燃費、外気温などを表示可能な「インフォメーションディスプレイ」をレイアウト
RSではメーターパネル中央に「RS」のロゴが刻まれ、本革巻きシフトノブ(CVT車ではセレクトレバー)、ステンレス製スポーツペダルなどの専用アイテムが装着される
インパネデザインのイメージ
全車のスピードメーター外周に設置されるアンビエントメーターでは、燃費がよい運転をすると度合いに応じてカラーがブルーからグリーンに変化。ハイブリッド車のマルチインフォメーションディスプレイには「ecoスコア」も表示する
エアコンは13Gと13G Fパッケージがマニュアル式、そのほかは静電式タッチパネルのフルオートエアコンになる。ボタンやダイアルなどの突起がなく、服やケーブル類などが引っかからないスッキリしたデザイン。パネル表面は皮脂汚れなどが目立ちにくいアンチグレア(反射防止)処理が施されている
ハイブリッド車にはホンダ量産車で初めてSBW(シフト・バイ・ワイヤ)を採用。ほかのモデルでアイドリングストップのオフスイッチを配置する場所に、エンジンのトルクを生かす「Sモード」に切り替える「Sモードスイッチ」を用意する
パドルシフトをRSのCVT車、ハイブリッド Sパッケージに装備
リアシートは一体可倒式を採用する13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外は6:4分割可倒式となる
テールゲートの薄型化によりラゲッジルーム容量は363Lを確保。さらにフロアボードの下に23L分の床下容量を持つ。また、テールゲートの開口部を広げて使い勝手も高めている
静電式タッチパネルを採用するHondaインターナビは、13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に22万500円高でオプション設定。スマートフォンのようなフリック、ピンチイン/ピンチアウトといった操作に対応
HondaインターナビはHDMI、USB端子を持ち、Bluetooth接続で無線接続も可能。多彩な音源が利用でき、ハンズフリー通話にも対応する
ナビ装着車用のスペシャルパッケージ(4万円高)として、3ビュー切り替え式の「リアワイドカメラ」、ステアリングスポークに設置する「オーディオリモートコントロールスイッチ」、「4スピーカー」を追加装着できる
ラチェット式の運転席シートハイトアジャスターは13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に標準装備
アームレスト付センターコンソールボックスは1.5リッター車と各グレードのLパッケージ&Fパッケージ車に標準装備
リアセンターアームレストはハイブリッドと15XのLパッケージ車のみに装着される
ハーフシェイド・フロントウインドウは13Gとハイブリッドの両ベースグレード以外に標準装備
親水/ヒーテッドドアミラー、フロントドアはっ水ガラス、熱線入りフロントウインドウをセットにした「コンフォートビューパッケージ」は13G以外の4WD車に標準装備。13Gのベースグレード以外のCVT車、1.5リッター車のCVT車ハイブリッドのベースグレード以外に3万1500円高でオプション設定

 このほか、福祉車両の「助手席回転シート車」を13Gとハイブリッドに設定。シートの取り付け場所や回転軸の位置などを車内で最適化し、シート先端とドアまでのクリアランスをしっかりと確保。さらにシートデザイン自体も専用としており、クッション先端をなめらかにしたうえ足抜きしやすい形状を採用。座面中央をわずかに高くして身体がずれにくいよう工夫している。

モデルエンジン変速機駆動方式価格
13G 助手席回転シート車直列4気筒DOHC 1.3リッターCVT2WD(FF)1,555,500円
4WD1,744,500円
HYBRID 助手席回転シート車直列4気筒DOHC 1.5リッター+IMA7速DCT2WD(FF)1,814,500円
HYBRID 助手席回転シート車
13G 助手席回転シート車

(編集部:佐久間 秀)