写真で見る

写真で見るプジョー「5008」

 プジョー「5008」はミドルサイズのミニバン。欧州などでは2009年11月にリリースされ、すでに20万台を超える累計生産台数を記録するヒットモデルだ。同社にはセダンとステーションワゴンに「508」のモデルネームを持つモデルが存在しており、「5」がファミリーカーを、「8」が最新世代であることを示している。一方、4桁数字は新しいコンセプトから生まれたモデルに付けられるもので、508と5008はまったく別のコンセプトを持つモデルということになる。

 そのベースとなるキーワードは「プレミアム7シーター」。7人乗りミニバンならではの実用性を確保しつつ高い安全性と快適性、走行性、そしてプジョーならではの美しいスタイルを兼ね備え、同カテゴリーのベンチマークとなるべく仕上げられている。

 ボディーサイズは508セダンが4790×1855×1455mm(全長×全幅×全高)なのに対し、5008は4530×1840×1645mm。308SWが4515×1820×1560mmだから、508より小さく308SWよりほんの少し大きい、というポジションになる。幅は若干広いものの、7人乗りミニバンとしては、かなりコンパクトなイメージだ。

 ミニバンという面で注目されるのが、2+3+2の3列レイアウトとしつつも、全席独立シートを採用している点だ。2列目は遠目には普通のシートのように見えるものの、実は44cm幅のシートが3脚並ぶ構造を採用。各シートが独立して前後スライド可能なほか、同じく独立した構造の3列目とあわせて折り畳みが可能と、用途に応じて多彩なシート&ラゲッジレイアウトが可能となっている。

 天井まで利用した際のラゲッジ容量は3列目を畳んだ状態で1247L、2列目も畳むと2506Lと1BOX車並のスペースを実現するほか、助手席を前倒しにすれば2760mmの室内長を確保でき、長尺物の積載も可能となる。

 エンジンはプジョーの標準ユニットといえる「EP6CDT」。直列4気筒DOHC1.6リッターツインスクロールターボで、最高出力115kW(156PS)/6000rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1400-3500rpmと、スペックは他のモデルと同等。第2世代6速ATの採用などにより、11.7km/LのJC08モード燃費を実現している。

 ラインアップはエントリーモデルとなる「5008 プレミアム」と、17インチアルミやパノラミックガラスサンルーフなどを標準装備する上級モデル「5008 シエロ」の2タイプ。価格はそれぞれ300万円、330万円。シエロにはレザーシートやシートヒーターが標準となる「レザーパッケージ」、フロントシートヘッドレスト後部に埋め込み式後席用7インチモニターなどが標準となる「ビデオパッケージ」がオプション設定される。

撮影車両は上級グレードのCieloでボディーカラーはエジプシャン・ブルー。オプションとなるグレージュカラーのレザーパッケージが装着されている
こちらはエントリーモデルとなるプレミアム。ホイールやルーフレールの有無がシエロとの判別ポイント。ボディーカラーはバビロン・レッド
スリムなグリルを採用する
シエロにはバイキセノンヘッドライトが標準
ワイパーは3008と同じ中央で交差するタイプ
シエロにはパノラミックガラスルーフとルーフレールが標準。プレミアムには設定がない
サイドミラー取り付け部にウインカーを内蔵
ガソリンは無鉛プレミアム仕様。タンク容量は60L
無限大の記号を思わせる5008のバッジ
リアコンビランプはL字型でボディーサイドから回り込むような形状
1.6リッター直列4気筒ユニットを横置き。ツインスクロールターボのほかダイレクトインジェクション、可変バルブタイミングコントロールなどによりパワフル&クリーンを実現
マフラーエンドは見えない構造。リヤバンパーには超音波式バックソナーを装備する
シエロには17インチアルミホイールが標準でタイヤサイズは215/50 R17。撮影車両はミシュランのプライマシーHPを装着
運転席まわりは大型のフロントウインドーにより開放感溢れる空間
ステアリングは本革巻き。シエロは下部のスポークにシルバーリングを装備(写真はファブリックシート仕様車)
センターコンソールより一段高い位置にシフトレバーを配置。マニュアル操作用ゲートも備わる
黒地に白照明で視認性のよいメーター。中央にはインフォメーションディスプレイを用意
シエロには格納式のヘッドアップディスプレイ(HUD)を標準装備。走行速度のほかクルーズコントロールやディスタンスアラートなどが表示される
AM/FMチューナー付CDプレーヤー&6スピーカーが標準。上部にはHUDやディスタンスアラートなどのスイッチが並ぶ
2DIN一体型ナビゲーションはディーラーオプション
標準装備のオートエアコンは左右独立温度調整式
シフトレバー後方にはパノラミックガラスサンルーフ用シェードスイッチとDC12Vソケット
中央部にはエレクトリックパーキングブレーキのスイッチ。エンジンオフ時に自動的にパーキングブレーキをかけるほか、坂道では勾配を検知して自動的に制動力を制御する
センターコンソール部の収納は10.5Lと大容量
ステアリングコラム右側にはバックソナーなどのスイッチが並ぶ
さらに下部にはインフォメーションディスプレイ用操作パネルと収納を用意
サングラスホルダーを兼ねた運転席のアシストグリップ
サンバイザー裏には照明付のバニティミラーを用意
上下二段のルームミラー
プジョー最大級の面積を持つパノラミックガラスサンルーフはシエロ専用装備
グレージュのレザーパッケージを装着したインテリア。フロントシートにはアームレストを装備する
運転席シート下にアンダートレーを装備。ただし、レザーパッケージを装着するとトレーは装備されない
3座が独立したシートを備える2列目。それぞれ130mmのスライドが可能なほか、背もたれの角度も2段階で調節可能
フロントシートの背面には収納式のテーブルが備わる
リアドアにはサンシェードを内蔵
2列目フロアの左右2個所に収納ボックスを用意。フロアマットを敷いてしまえば外からはまったく見えなくなる
3列目へは2列目シートを前倒ししてアクセス
左右独立した3列目シート。シートベルトはもちろん3点式だ
ドアにアームレストとドリンクホルダーが用意される
3列目横のウインドーにも収納式サンシェードを装備
シートを収納すると完全にフラットなフロアが現れるため、乗車人数やシチュエーションに応じて多彩なアレンジが可能
助手席は背もたれを前倒しすることが可能。長尺物もラクに積載できる
ラゲッジルーム横にはラゲッジライトを兼ねた着脱式のハンドライトを用意
3列目収納時にはトノカバーが使用できるため、ステーションワゴン的な使い方も可能

(安田 剛)