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写真で見る 日産「ティアナ」

 日産自動車の「ティアナ」は、日本をはじめアメリカや中国など世界120カ国以上で販売されるグローバルセダン。年間60万台以上が販売される世界戦略車た。

 2003年デビューの初代はセフィーロの後継車となるFF上級セダンで、「モダンリビング」をコンセプトにして誕生。2013年の流行語大賞よりひと足先に「おもてなし」をコンセプトにした2代目を経て、この1月に3代目となる新型がお目見えすることになった。

 この3代目は「ティアナクルーズ」をコンセプトとして走行性能にこだわり、快適性に加えて余裕のある走りを追求したのが特長だ。

 ボディーサイズは4880×1830×1470mm(全長×全幅×全高)と、先代とほぼ変わらない大きさ。その一方で、フロントフェンダーからリアにかけてのシルエットには「シーマ」や「フーガ」と共通する躍動感のあるテイストを採り入れるなど、走りを意識させるシルエットに仕上げられている。

 インテリアは先代よりコンサバ方向に戻り、いかにもセダンらしい上質で落ち着いたムード。シートやドアトリム形状などを変更し、後席足下スペースの拡大や着座時の圧迫感を低減するなど、しっかりと居住性もアップしている。

 快適性の面では全車にインテリジェントキーが2個標準装備となり、キーを持っていればドアノブのリクエストボタンを押すだけでロック/アンロックが可能になった。またXVグレードにはキーごとにドライバー情報を登録できる「インテリジェントキー連動運転席オートドライビングポジションシート」を装備する。夫婦2人で運転するような場合でも、それぞれのキーにシートとミラー位置を登録しておけば、自分のキーを使ってクルマに乗り込むと自動的にセットしたポジションに電動調節される便利な機能だ。

 エンジンラインアップからは3.5リッターのV型6気筒が姿を消し、新開発の2.5リッター直列4気筒ユニット「QR25DE」を搭載。組み合わされるトランスミッションは約8割のパーツを新規開発、または改良することで、摩擦抵抗を約40%も低減した新開発の「エクストロニックCVT」を採用し、駆動方式は2WD(FF)のみとなる。アイドリングストップ機構は未採用ながら、オルタネーター回生制御や電動パワーステアリングの採用などにより、JC08モード燃費は先代より26%向上して14.4km/Lとなった。

 オプションでバックカメラを利用した安全装備も用意される。1つは車線を認識してはみ出しそうになったときにブザー音とディスプレイ表示で警告してくれる「LDW(車線逸脱警報)」、2つ目はウインカー作動時に後側方に車両を検知すると警告してくれる「BSW(後方車両検知警報)」だ。メーカーオプションの「NissanConnectナビゲーションシステム」とのセット装着となるが、うっかりミスをカバーしてくれる有用な装備といえる。

 ボディーカラーは新色「ウォーターフォールブルー」など全6色。インテリアカラーは「シルキーベージュ」と「ブラック」の2タイプで、ボディーカラーによって選択できる色が異なる。

 グレードはベーシックモデルの「XE」、ミドルグレードの「XL」、充実装備の「XV」の3タイプ。価格は順に242万9700円、275万3100円、304万5000円となる。

ボディーは先代より若干ワイドになっているものの、40kgの軽量化が図られている。撮影車両はXV。ボディーカラーはラディアント レッド
大型でメッキ加飾が施され、エッジの効いたデザインを採用して存在感のあるフロントマスク
フロントノーズはかなりスラントした形状。アンダーフロアの空力処理も相まって、Cd値は0.29とハイレベル
ドアミラーはサイドターンランプ&ヒーター付が全車標準。アラウンドビューモニター装着車は下部にカメラが付く
XEはハロゲン、それ以外はキセノンヘッドライトを装備
リアコンビランプのストップランプはLED
XVは17インチアルミホイールが標準でタイヤサイズは215/55 R17。それ以外は16インチアルミ&215/60 R16タイヤの組み合わせ
2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。スペックは最高出力127kW(173PS)/6000rpm、最大トルク234Nm(23.9kg)/4000rpm。使用燃料はレギュラーガソリン
ブラックカラーのインテリア。インパネまわりは上級セダンらしく落ち着いた印象
ステアリングは最近の日産車共通のテイスト。XVとXLは本革巻きタイプ
ステアリングはチルトに加え、新たにテレスコピック機構を採用
エンジンスターターはプッシュ式。インテリジェントキーは全車標準装備
シフトゲートはストレートタイプで、XVとXLには本革巻シフトノブを備える
パーキングブレーキは足踏み式を採用
メーターは視認性に優れたファインビジョンメーターを採用。中央には4インチカラー液晶を採用した「アドバンスド ドライブ アシスト ディスプレイ」を装備
ディスプレイの表示はステアリングに設けられたスイッチで切り替え可能。車両情報やエコ表示のほか、メーカーオプションナビを装着した場合はカーナビやAV、BSW/LDWの表示も可能
全車オーディオレスが標準。撮影車両はメーカーオプションのNissanConnectナビゲーションシステムを装着。XVとXLはプラズマクラスター機能などを搭載したインテリジェントエアコンシステムを採用
NissanConnectナビゲーションシステムはアラウンドビューモニターもセット装備。人や自転車などの移動物を検知した場合に警告してくれる「MOD」機能が付いたタイプだ
ステアリング右側のスイッチパネル。ETC車載器はナビとのセットオプション
センターコンソール前端に小物入れを装備。内部にはDC12Vソケット、ナビ装着車はUSBソケットも装備する
グローブボックスは内部に棚を備える2段式で照明も装備。リッドにはダンパーが付いているためスムーズな開閉が可能
アームレストを兼ねたセンターコンソール。上部にはトレイを装備するほか、内部にはDC12Vソケットも
全車のサンバイザーに照明付きバニティミラーを装備
中央部にはマップランプとサングラスホルダーが用意される
XVは本革シートが標準。それ以外はスエード調クロスシートになる
本革シートは温風と冷風が切り替え可能エアコンディショニング機能を持つ
XVとXLは運転席&助手席パワーシートを標準装備し、助手席には電動式オットマンを内蔵。シートの座面横側にあるスイッチで、シート位置やオットマンを操作する
運転席ドアトリム。下側にドリンクホルダーを用意
運転席ドアトリムにはドアミラー、パワーウインドー、シートポジションメモリーの各操作スイッチを配置
ゆったりとしたリアシート。中央部の座面をフラットにすることで5名乗車時の快適性を向上させている
カップホルダー付アームレストは全車標準装備
フロントシート下をフラットにすることで足先の置き場所を確保
リアシート用の照明も左右に用意
センターコンソール後端にリアシート用のエアコン吹き出し口を設定
リアドアトリム。こちらも下側にドリンクホルダーが備わる
トランクは506Lと大容量で、9インチのゴルフバッグを最大4つ積み込むことが可能
トランクにはリアシートバックのロックを解除するためのストラップを装備
全車6:4分割可倒式シートを装備。大きな荷物や長尺物にも対応する

(安田 剛)