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写真で見る スバル「レガシィ アウトバック/B4」

 1989年に発売され日本のワゴンブームの立役者となったスバル(富士重工業)「レガシィ」。5代目からは、北米市場を中心とした海外での好調な販売を受けボディーを大型化。その一方で国内向けにはひと回りコンパクトなステーションワゴン「レヴォーグ」をリリースすることになった。

 少し話は前後してしまうが、この1月に米国シカゴで開催された「2014年シカゴオートショー」において、ひと足先に新型レガシィをワールドプレミアした。公開されたモデルは北米仕様ではあるものの、ボディーがさらに大型化したことから、国内向けにはジャストサイズのレヴォーグが必要だったことが伺える。

 そんな背景があっての6代目となる新型レガシィは、セダンの「B4」とステーションワゴンをラインアップ。ただし、ワゴンからは従来のベーシックなモデルは姿を消し、SUV色を強めた「アウトバック」のみとなった。

 ボディーサイズはアウトバックの場合、4815×1840×1605mm(全長×全幅×全高)と、5代目と比べて全長が25mm、全幅は20mmアップしている。加えてドアまわりの構造の最適化やサッシュフレームの薄型化などにより室内空間を拡大。フロントは肩や肘にゆとりを持たせ、リアは足下スペースを30mm以上も拡大するなど、アッパーモデルらしく乗る人すべてが快適に過ごせる居住性を実現している。

 パワートレーンは水平対向4気筒2.5リッターユニット「FB25」と新型リニアトロニックCVT、そこにスバル独自のシンメトリカルAWDを組み合わせたもの。従来ではラインアップされていたターボモデルや、アウトバックに設定されていた3.6リッターモデルは姿を消し、セダン、ワゴンともにFB25に一本化された。

 FB25ユニットは、5代目レガシィに搭載していたものをベースに約8割のパーツを新設計。吸気ポートの構造変更などによる高効率化をはじめ振動・騒音の低減、軽量化を進めることで、最高出力129kW(175PS)/5800rpm、最大トルク235Nm(24.0kgm)/4000rpmとスペックを向上しながら質感の向上が図られているのが特長。リニアトロニックCVTには新たに車速とエンジン回転の伸びをリンクさせる「オートステップ変速」を採用。これはアクセル開度が少ない時はCVTならではの変速ショックのないなめらかな加速を、アクセル開度が大きい時はAT車のようなステップ変速を行うことでスポーティで気持ちのよい加速が得られる仕組み。また、エンジン同様に振動や騒音の低減による質感の向上、低フリクション化による低燃費化など、細部にわたる改良が施されている。燃費面だけで見ても効果は大きく、JC08モード燃費をアウトバックで比較すると5代目の13.6km/Lから、新型では14.6km/Lに向上している。

 スバルと言えば忘れてはならないのが「EyeSight(アイサイト)」だ。新型はレヴォーグと同じ「EyeSight(ver.3)」を搭載する。5代目が搭載していたver.2ではモノクロのステレオカメラを利用していたが、このver.3からはカラー化とともに高解像度化。加えて画像認識エンジンを強化することで認識範囲を拡大したほか、ブレーキランプの認識などを実現した。これによりプリクラッシュブレーキアシストの作動速度範囲が約30km/hから約50km/hへと引き上げられたほか、全車速追従機能付クルーズコントロールの追従性が高められるなど、パフォーマンスアップが図られている。また、新たに「アクティブレーンキープ」「AT誤後進抑制制御」「プリクラッシュステアリングアシスト」といった機能が追加され、運転負荷の軽減および安心感の向上を果たしている。

アウトバック

 新型は「アウトバックを極める」がコンセプト。中でも驚いてしまうのがその走破性能だ。乗用車ライクなスタイリングながら最低地上高200mmを確保したことで、アプローチアングル19.8度、ディパーチャーアングル23.7度を実現。4WDシステムはVDCによる車両統合制御を活用し、すべてのタイヤに最適なトルク配分を行うスバル独自のアクティブトルクスプリットAWDを採用。さらにアウトバックには「フォレスター」で好評を得た「X-MODE」も装備する。乗用車では躊躇してしまいそうなラフロードでも、本格オフロード車に迫る走りを実現しているのだ。

 ワゴンならではの積載性にも磨きがかけられた。ラゲッジスペースは長さ1062mm、ホイールハウス間幅1080mmを確保。容量は559Lと5代目より39Lアップし、9インチのゴルフバッグ4個を余裕で積み込むことが可能だ。また、シリーズ初採用となるパワーリアゲートを装備し、キーやスイッチ操作で簡単に開閉可能となった。

 グレードはベーシックモデルと「Limited」の2モデルを用意。価格はそれぞれ313万2000円、340万2000円。エコカー減税の対象車となっており、取得税が80%、重量税が75%軽減される。

撮影したアウトバックのボディーカラーは新色の「ラピスブルー・パール」。たっぷりしたロードクリアランスに大径タイヤ、そしてボディー下部を引き締めるクラッディングパネルと、SUVらしさを強調したスタイリング
こちらは充実装備のリミテッド。ボディーカラーはクリスタルホワイト・パール。サイドクラッディングが光輝タイプになるなど華やかな印象
レヴォーグに続き最新のEyeSight(ver.3)を採用。カメラユニットが薄型化されたことで見た目にもスッキリとした印象
リミテッドはフロントとリアにバンパーガードを装着
光輝塗装のルーフレールを標準装着
エンジンは5代目から引き続き水平対向4気筒DOHC「FB25」ユニットを搭載。ただし、約8割のパーツが新設計されており中身は別物といえる
吸気ブーツはレゾネータの位置と形状を変更して吸気音を最適化
インテークマニホールドとTGV(タンブル・ジェネレーション・バルブ)を一体化。シリンダー内へのガス流動性を強化
右下がTGV
バルブが閉じた状態
バルブが開いた状態
インテークマニホールドに変更に合わせてシリンダー側の吸気ポート形状を変更。左が新型
CVTのフリクション低減を図るため暖気を促進する「CVTウォーマー」(写真下)を採用したほか、「プーリーバッフル」(写真左)や「オイルスペーサー」(写真右)により撹拌ロスを抑えた
リミテッドはブラック塗装+切削光輝の18インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは225/60 R18。アウトバックは225/65 R17が標準となる
フロントサスペンションはストラットと同マウント、ロアアームなどの剛性アップを図ったほか、スタビライザーやロアアームブッシュを改良。操縦性および安定性を高めるとともに乗り心地も向上している
インパネはワイドなボディーを生かした横基調のデザイン。上面にはソフトパッドを採用することで見た目だけでなく触感も向上した
ステアリングは本革巻き。リミテッドには上質な高触感タイプを採用する。スポーク部にはスイッチが数多く配置され、全車速追従機能付クルーズコントロール用は2ボタン化して操作性を高めている
リミテッドはシフトノブも高触感タイプ
スターターはプッシュ式
リミテッドはアルミパッド付スポーツペダルが標準装備される
メーターパネルは2眼式アナログメーターと5インチカラー液晶を採用したマルチインフォメーションディスプレイの組み合わせ
マルチインフォメーションディスプレイにはさまざまな情報を分かりやすく表示する
アウトバックのみ「X-MODE」を搭載。オン時はマルチインフォメーションディスプレイにも表示される
オーディオはこれまでのマッキントッシュからハーマンカードンにチェンジ。セットオプションとなるSDナビゲーションはフリックやピンチイン/アウトによる操作が可能
エアコンは左右独立温度調整機能付き。ダイヤルセンターのボタンは右がエアコンのON/OFF、左側は一気に冷房を聞かせたい時に便利な「MAX A/C スイッチ」。シートヒーターは運転席と助手席だけでなくリアシートにも標準装備する
シフトレバー前方にフタ付きのセンタートレイを装備。オプションのハーマンカードンサウンドシステムを装着するとUSBとAUX端子が付く。オーディオレスの場合もUSB電源が装着される
ステアリングコラム右横のスイッチパネル。新たに装備したパワーリアゲート用のスイッチを配置する
グローブボックスは比較的薄型
EyeSight(ver.3)のカメラユニットは薄型化されたためそれほど目立たなくなった
ルーフ前端にはサングラスホルダーとマップランプを装備
電動チルト&スライドが可能なサンルーフは全車オプション設定
コンソールボックスは5代目モデルより幅を10o拡大。中段にコインホルダーを用意するほか、内部は植毛処理により質感が高められている
シートはサイズや形状、体圧分布まで最適化。さらにランバーサポートやヘッドレスト調整機能をリファインすることで快適性を高めている。リミテッドの表皮は黒本革が標準
ドアトリムは構造を見直すことで室内空間を確保。アームレストは幅と長さを最大化するとともに触感のよい表皮、厚みのあるパッドを採用して質感を向上させている
アームレスト前端にサイドミラーとパワーウインドーのスイッチを用意
リアシートは幅、足下ともさらにゆったり
リアシートは6:4分割可倒式。それぞれ独立してリクライニングが可能
幅広のアームレストを装備
リアシートヒーターのスイッチをセンターコンソール後端に用意
リアドアのアームレストも大きく手や肘を置きやすいデザイン
ホワイトの本革はオプション設定
ステーションワゴン最大のウリとなる広いラゲッジスペースはさらに広く容量をアップ。床面からトノカバーまでの高さもアップしており大きめの荷物が積みやすくなっている
フロア下には大容量のサブトランクを用意。スペアタイヤは装備せず、パンク修理キットを装備している
ジャッキなどの工具はサブトランク内に用意される
ラゲッジのサイドパネルにはリアシートの背もたれを前に倒すためのレバーを用意。カーゴフックの耐荷重は従来の20sから50sへと大幅にアップした
リミテッドはパワーリアゲートが標準装備となる。開閉用のステーが左側に備わる
ゲートを閉めるためのハンドルがグリップタイプに。リアゲートを開けてウェットスーツを干す、なんて使い方ができそう

B4

 サイズはもちろん装備面、快適性、上質さといったセダンに要求される資質を向上、名実ともにスバルのフラグシップセダンとなった。一般的なファミリーセダンや、ラグジュアリーセダンとは一線を画すスタイリング、そしてAWDならではのパフォーマンスなど、スバルらしいモデルと言える。

 グレードはアウトバックと同じくベーシックモデルと「Limited」の2モデル。価格はそれぞれ286万2000円、307万8000円。エコカー減税の対象車となっており自動車取得税が60%、重量税が50%軽減される。ただし、オプション装着により車両重量が1540kgを超えるとアウトバックと同じ軽減率となる。

セダンボディーを持つB4。撮影車両のボディーカラーはアイスシルバーメタリック
上級グレードとなるリミテッド。18インチホールや本革シートが標準装備となる
リミテッドはサイドシルスポイラーにメッキモールが付く
フェユーエルリッドは右側。ガソリンはレギュラー仕様
スバルのアイコン的存在となったホークアイランプ。ロービームはLED。ヘッドランプウォッシャーも標準装備
テール&ストップランプにLEDを採用したリアコンビランプ。最内は左がバックランプ、右がリアフォグランプになる
フォグランプも標準装備。リミテッドにはメッキリングが付く
B4は17インチアルミホイールが標準
リミテッドのアルミホイールは18インチ。タイヤサイズは225/50 R18
インパネまわりはアウトバックと変わらない
アクセスキーはデザインを一新。スバルマークが開錠ボタンを兼ねている
メーターパネルもアウトバックと同じ
照明点灯時
EyeSight(ver.3)から搭載された「AT誤後進抑制制御」。後進速度リミッターは3段階から選択が可能
メーターカラーは10色から選択することが可能
SIドライブのモードはマルチインフォメーションディスプレイで確認できる
全車速追従機能付クルーズコントロールは車間距離設定が3段階から4段階に増えている
B4のシート表皮はファブリックが標準。オプションで本革(白または黒)も選択可能
オプションのSDナビを装着するとナビ&AVだけでなく走行、燃費、メンテナンスなどの情報も表示可能になる
ハーマンカードンサウンドシステムは12スピーカー、576Wアンプ仕様。B4の場合、サブウーファーがトランク上に付く
ステアリングコラム右側のスイッチパネル。パワーリアゲートが付かないためアウトバックとは内容が異なる
奥行きのたっぷりしたラゲッジルーム。容量は525Lと5代目より45Lアップ
新たにトランクスルー機構を採用し長尺物の積み込みも可能になった
アウトバック同様、サブトランクを装備

(安田 剛)