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スバル、6代目となる新型「レガシィ アウトバック」「レガシィ B4」発表会

“レガシィの普遍的価値”を継承するスバルの新フラグシップ

新型「レガシィ アウトバック」と並んでフォトセッションに臨む富士重工業 代表取締役社長 CEO 吉永泰之氏(左)と同スバル商品企画本部 上級プロジェクトゼネラルマネージャー 内田雅之氏(右)
2014年10月24日開催

 スバル(富士重工業)は10月24日、6代目となる新型「レガシィ アウトバック」「レガシィ B4」を発売した。価格はレガシィ アウトバックが313万2000円~340万200円、レガシィ B4が286万2000円~307万8000円。新型レガシィシリーズの詳細については、関連記事の「発売情報」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141024_672853.html)や「写真で見る」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/20141024_672934.html)などを参照されたい。

新型「レガシィ アウトバック」
発表会が行われたエビススバルビル1階のスバル恵比寿ショールームには、サイクルキャリアなどの純正アクセサリーを装着した車両も展示されていた
新型「レガシィ B4」
6代目レガシィシリーズでは、パワートレーンを水平対向4気筒 DOHC 2.5リッターのFB25型エンジン+リニアトロニックCVTに1本化
「EyeSight」はモノクロのステレオカメラのver.2から、「レヴォーグ」から投入された新型のver.3に進化
レガシィ B4のインパネデザイン。本革巻きのステアリングホイール&シフトノブは全車標準装備

時代に合わせて姿を変えつつ“レガシィの普遍的価値”を継承

富士重工業 代表取締役社長 CEO 吉永泰之氏

 同日、8月から新本社として新宿から移転した東京都渋谷区恵比寿のエビススバルビルで実施された新型レガシィシリーズの発表会では、まず富士重工業 代表取締役社長 CEOの吉永泰之氏が登壇。吉永氏は8月の新型「WRX」発表会でも紹介した同社の新中期経営ビジョン「際立とう 2020」(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140509_647643.html)をこの場でも取りあげ、「自動車メーカーとしては小規模な当社が持続的に成長していくために、2020年にありたい姿を“大きくはないが強い特徴を持ち、質の高い企業”としました」と語り、そのためには「スバルって“けっこういいね”ではなく、“ものすごくいいね”と言われるレベルになりたいと思っています。この思いを込めて、中期経営ビジョンに“際立とう”という言葉を掲げました」と解説。「まさに今日ご紹介する新型レガシィのアウトバックとB4は、スバルがご提供する価値である安心と楽しさによって、お客さまの人生がもっと豊かになるよう考えて開発した商品」とニューモデルを紹介。同社の新しいフラグシップモデルとして際立った存在であるとしている。

5月の2014年3月期決算の発表に合わせて公開された新中期経営ビジョン「際立とう 2020」は、今後の製品展開から事業構造の改善などのロードマップを定めたもの
新型レガシィシリーズのテーマは「New SUBARU Quality」。走りや安全といったクルマとしての機能価値に止まらず、情緒的な価値をユーザーに感じてもらえるよう向上させたと吉永氏は解説
富士重工業 スバル商品企画本部 上級プロジェクトゼネラルマネージャー 内田雅之氏

 製品解説は、新型レガシィシリーズの開発を担当した富士重工業 スバル商品企画本部 上級プロジェクトゼネラルマネージャーの内田雅之氏が実施。内田氏は25年前の1989年に誕生した歴代レガシィが、モデルチェンジするたびに時代に合わせて姿を変えてきたとする一方で、根幹に流れる“クルマ造りの姿勢”は不変であると語り、「クルマが乗る人の生活を豊かにするパートナーとして、欠かすことのできない存在になること。これをそれぞれの時代のレガシィに共通する普遍的な価値として受け継いできました」と解説。6代目モデルでも歴代レガシィの普遍的価値を受け継ぐことを前提に、これからの時代を生きるユーザーが、新しいレガシィにどんなことを期待しているのか、この時代の生活をより豊かにするレガシィの役割がなんなのかと真剣に考え、新型レガシィに投入していると表現した。

 内田氏はこの目的に向け、これまでスバルが得意としてきた安全性や走行性能といったクルマとしての機能価値の向上にとらわれすぎず、デザインやインテリアの質感、レガシィ本来の持ち味である走りの質感を徹底的に高めて、「ユーザーの感性に響く“情緒的価値”を磨き上げることが答えであると見いだしました」とコメントしている。

 具体的には、これからの時代にレガシィを購入するユーザは「いろいろな物事を経験して、もののよしあしをしっかり吟味しながら自分に合う製品を選択する人々」と定義。スバルの掲げる安心と楽しさを外観デザインからも見た瞬間に理解してもらえるよう、「ダイナミック&ソリッド」をテーマに、躍動感とかたまり感の表現を目指している。

 また、デザインが表す質感に加え、新型レガシィシリーズでは「動的質感」によって走りの気持ちよさの実現も開発目標としている。走行性能においてスペックの向上を推し進めつつ、走りのスムーズさや気持ちよさといった感性領域の追求にもチャレンジ。横風や路面のわだちなどの外乱に影響されない直進性、コーナーでステアリングから伝わる手応えがリニアでスムーズであること、路面の凹凸をしなやかに吸収しつつ、大きなうねりロールに対して車体を安定させるフラットライド感、エンジン音の高まりと車速の伸びをハーモナイズさせる加速性能などを実現させることで、「スムーズで上質なスバルの新しい走り、動的質感を生み出しています」と解説している。

B4はスバルのフラグシップセダンとして、よりスポーティで高性能であることを“クルマの全身で伝えるスタイリング”を追究
実車での開発段階では、テストコースよりも実際の公道を徹底的に走り込んで煮詰め作業を実施。なめらかで気持ちよい走り味を実現したと表現する
デザインと動的質感を大きく進化させて融合することで、ユーザーの感性を揺さぶる情緒的価値を生み出した
前日の10月23日に公開されたNASVAの「予防安全性能アセスメント」で、新型レガシィシリーズと同じ「EyeSight(ver.3)」を搭載するレヴォーグ/WRX S4が「ASV+」の評価を受けたことを紹介し、さらに先行販売した北米でも、新型レガシィが安全性能の最高評価である「トップセイフティピック+」として認定されたと解説

(編集部:佐久間 秀)