写真で見るトヨタ「レクサス LS600hL」


 トヨタの高級車ブランド「レクサス」。その中でもトップに位置するのが「LS」である。前身は1994年4月にトヨタのフラッグシップサルーンとして発売された「セルシオ」。当初、海外ではレクサス、日本ではセルシオの名で販売されていたが、国内でのレクサスブランド立ち上げに伴い、セルシオから数えて4世代目のモデルが「レクサス LS」として、2006年9月より日本でも発売されることになった。そして2007年5月にはハイブリッドモデルが追加された。

 LSには4.6リッターエンジンの「LS460」系と、5.0リッター+ハイブリッドの「LS600h」系があり、それぞれに通常ボディと「L」の名がつくロングボディーが用意される。また、LS460系には後輪駆動と4輪駆動(AWD)があるが、LS600h系は4輪駆動のみとなる。ただし「AWD」の名は付かない。

 スタイルはオーソドックスな4ドアセダンだが、高級サルーンにふさわしい堂々としたサイズを得ている。通常ボディーが5060×1875×1475mm(2WDは1465mm)(全長×全幅×全高)。対してロングボディーモデルは全長、ホイールベースともに120mm伸ばされている。延長分は後席スペースに割り当てられ、ショーファードリブンカーとしての完成度を高めている。

 高級車というだけでなく、最新テクノロジーを惜しげもなく投入している点がLSのもうひとつの特徴である。ミリ波レーダーとステレオカメラ、ドライバーモニターなどによる「プリクラッシュセーフティシステム」、近赤外線カメラを使って歩行者などを確認する「ナイトビュー」、スタビリティコントロールやトラクションコントロールを統合制御する「VDIM」、ヘッドランプの照射軸をステアリングを切った方向に自動的に向ける「インテリジェントAFS」など、枚挙にいとまがない。

 今回はセンターコンソール付き後席ディスプレイやリアシートリラクゼーションシステムを搭載した「LS600hL version UZ(5人乗り)」を撮影した。オプション類を除いた本体の価格は1550万円。

たっぷりとしたサイズの4ドアセダンボディーは、ごく端正で伸びやかなデザイン。「L」ボディは後席部分が伸ばされているが、これも違和感なくまとまっている。ハイブリッド車だが、プリウスなどに比べてハイブリッドであることの主張も少ない。スマートエントリー&スタートシステムを搭載しており、カード型のキーが用意される

 

多灯式のヘッドライトと強いイメージのグリルからなるフロントまわりのデザインハイブリッドカーを表す青のエンブレム。ここにプリクラッシュセーフティのためのミリ波レーダーを装備するタイヤは235/50 R18 97Wを装着。ホイールサイズは18×7 1/2J
ヘッドライト部。矢のような形状のLED車幅灯を点灯した状態全ライトを点灯。ロービームはLED。ハイビームの位置にはドライバーモニターのための近赤外線投光器を備えるLEDの方向指示灯を内蔵するドアミラー
バンパーにはフォグランプを装備フォグランプを点灯した状態。51W、バルブタイプはHB4ドアミラー。大型で視界も広い
インナー(ルーム)ミラー周辺には、各種センサーが搭載されているイモビライザーや侵入センサー付オートアラーム(国土交通省認可品)を装備ドアハンドル。電子キー(カードキー含む)を携帯していれば、ハンドルを握るだけで解錠され、ボタンを押せば施錠される
ボリューム感のあるリア回りのデザイン。大型のコンビネーションランプが目を引く燃料は無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンが指定。タンク容量は84Lルーフアンテナ
リアのコンビネーションランプ。寒冷地仕様車ではリアフォグも搭載される点灯させた状態。ストップランプ(静止灯)とテールランプ(尾灯)はLEDバンパーと一体になったマフラーエンド。独特の5角形
トランクリッドの「LEXUS」エンブレム「LS600hL」のエンブレム。「h」はハイブリッドの意味ドアモールの「HYBRID」ロゴ。外観でハイブリッドとすぐに分かるのはこれぐらい

 

エンジンルーム。きれいにパネルで被われ、エンジンそのものはほとんど見えないエンジンカバーには「HYBRID」のロゴが誇らしげ駆動用電力のためのケーブルが少し見えている
トランクリッドを開けた状態。電動式でボタンひとつで開くたっぷりした容量のトランク。荷物固定用のフックもあるトランク床のパネルを開けると、床が下がり、より背の高い荷物が積載できる
トランク左右のネット。ちょっとしたものを入れておくのに便利床下には工具やパンク修理剤を装備。応急用タイヤは持たないトランクリッドは閉めるのも電動。クローズボタンがリッドに備わる

 

インパネ全体。重厚なイメージステアリング。グリップ部は本革、上下部分は本木目ステアリング部。非常にスイッチ類が多い
ステアリングのチルト&テレスコピックは電動運転席は10ウェイの調整式。座面の長さが変えられるペダル類は一般的なもの。左はフットレスト
インナーミラーは自動防眩機構付きワイパー&ウオッシャースイッチ。雨滴感応式のオートワイパーも装備するライトスイッチ&方向指示レバー。もちろん自動点灯も可能
ステアリング左にはオーディオスイッチを装備するその下はブレーキホールドとインテリジェントパーキングアシストのスイッチ。奥は音量などのスイッチが置かれるステアリング右側には電話や、マルチインフォメーションディスプレイを切り替える「DISP」スイッチを装備
その下のオートクルーズ関連スイッチ。「LKA」はレーンキーピングアシスト、その上は車間距離切り替えスイッチパワー(イグニッション)スイッチ。キーを携帯していれば、このボタンを押すだけで始動する電動パーキングブレーキ。「AUTO」にすればシフトレバーの操作に応じてパーキングブレーキが自動的に作動する
運転席ドア側インパネのスイッチ類。ミラーやECOモードのスイッチが並ぶ。「AFS OFF」はヘッドランプの照射軸を変えるAFS機構の解除スイッチメーター右下のスイッチ。右はインパネの照度変更、左はヘッドライトクリーナーメーター左下のスイッチ。左はナイトビュー、右ふたつはトリップ表示のスイッチ
運転席ドア側インパネのコインホルダーその下にはトランク、フューエルリッド、ボンネットの各オープナーが並ぶステアリングコラム上のドライバーモニター。ドライバーが居眠していたり、横を向いていたりすると注意を即す
インパネ中央には、カーナビディスプレイ、空調コントロール、オーディオなどが並ぶシフトレバーも本木目。トランスミッションは無段変速だが、8段の走行レンジからマニュアルで選択することもできるシフトレバー後方には走行モードやサスペンションの設定スイッチ。その後方にはシートの位置や温度を変更するスイッチが並ぶ

 

運転席側のシート。表皮は高級なセミアニリン本革で、コンフォータブルエアシートとなるサイドシルプレートの「LEXUS」ロゴ運転席側のドア。ここにも本革が使われている
運転席のドアノブ部。ポジションは3パターンがメモリーできる。シートベルトの高さ調整は電動式パワーウィンドーのスイッチ。前方はドアロックとウィンドーのロックスイッチアームレストの下の物入れは開閉式で、出し入れしやすくなっている
LS600hLには「マークレビンソン」のサウンドシステムが搭載されている運転席側のアームレスト。これもしっかりしたクッションアームレストの下は大きなコンソールボックスになっている
助手席側のインパネ。グローブボックスの開閉は右上のボタンで行なうグローブボックスを開けた状態。ETC車載器はここに用意されているセンターコンソールの小物入れもウッドパネルで被われている
灰皿ではなく、小物入れ(ノンスモーカーズボックス)が装着されていたシフトレバー横のカップホルダーカップホルダーを開けた状態
サンバイザーにはチケットホルダーが用意されているサンバイザーの裏にはミラーと照明があるインテリアライト。手前中央のボタンは緊急通報のヘルプネットスイッチ、その右は進入センサーのOFFスイッチ、前方の丸いものはセキュリティカメラ

 

後席左のシート。このクルマの主役かもしれない後席ドア。かなり大きく重い後席ドアのドアノブ。シートポジションメモリースイッチがある
後席のパワーウィンドースイッチと小物入れアームレスト下の物入れ。足元の照明も装備されているBピラーに設けられた後席用のエアコン吹き出し口
後席のグリップ。ここにも木目パネルが使われている後席のバニティミラー。大きな照明付き後席用のインテリアライト&パーソナルライト
アームレスト部を見る。このモデルは5人乗りなので、この状態で人を乗せることも可能アームレストを引き出す。ここに後席用装備のスイッチなどがぎっしり詰まっている左後席は脚をゆったり伸ばせるオットマン機構付き。前席をリモートで畳むこともできる
コントローラーの先にはドリンクホルダーを装備クッションを下げるとさらにボタン類が現われるクッション部にはリモコンが収まっている
アームレストのコントローラー。前端にはオーディオ関連のスイッチ、手前は左右シートのエアコン関係、中央はパワーシートのスイッチクッション部を下げるとコンフォータブルエアシートと、サンシェードのスイッチが現われるクッション下のリモコン。左がマッサージなどのリラクゼーションシステム、右は後席ディスプレイのもの
リモコンの奥にはヘッドフォンジャックを装備しているリアウィンドウ越しの視界リアサンシェードを閉めた状態
リアドアの視界リアドアサンシェードを閉めた状態前席シートバックの物入れは可動式
後席のヘッドレストヘッドレストも電動で上下するチャイルドシートを取り付けるためのトップティザーアンカー
センターコンソールに設けられた後席用ディスプレイディスプレイ下の物入れ最下部にはビデオ入力端子とAC100V電源が用意されている
後席用ディスプレイの表示テレビだけでなく、G-BOOKの各情報も後席から利用できる渋滞情報を後席でチェックするといった使い方も可能

 

シンプルで見やすいメーター。中央部がマルチインフォメーションディスプレイとなっているエネルギーモニター。ハイブリッドの動作状況の表示レーン表示。カーナビと連動して交差点案内なども表示する
ナイトビュー。歩行者を検知する機能も備えている右はレーンキーピングアシスト(LKA)。50km/h以上での車線逸脱を警告するマルチインフォメーションディスプレイのカスタマイズメニュー
走行モードやサスペンションの状態表示各種。右下はトラクションコントロール(TRC)をオフにした状態クルマの状態の表示各種。ドアが開いていると、どのドアが開いているか表示する燃費関連の表示各種。航続可能距離が便利

 

カーナビ表示左右分割で表示。表示内容は他にも選べる周辺施設の表示でコンビニを選んだ状態
目的地の設定駅やホテルなどの施設からの選択ジャンル別の選択
G-BOOKの「情報」メニュー。すでにトヨタ車ではおなじみになりつつあるハイブリッドならではのエネルギーモニター区間燃費の表示。毎分燃費も表示可能
VICSのメニュー。渋滞情報などのほか、災害などの緊急情報(割込情報)が受信できるVICSの「FM図形」で渋滞情報を見る
LS600h/LS600hLにはETC車載器ではなくDSRC車載器が搭載されており、インフラが整備されているところでは道路から情報を得て表示することができる。写真左と中はトンネルの手前で、トンネル内の様子を画像で表示しているところ。写真右は合流車がいるときに表示される(この3枚のみ編集部で撮影)
G-BOOKの「G-Link」メニュー。主にエンターテイメント系がまとめられている「G-Link」のメインメニュー天気予報を受信。週間予報も見られる
バックガイドモニターの表示。シフトレバーをリバースにすると自動で切り替わるインテリジェントパーキングアシスト(IPA)の画面クルマの各種状態もメニューを見ながら設定できる

 

(西尾 淳(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 1月 12日