写真で見るホンダ「シビック TYPE R EURO」


 「シビック TYPE R EURO」は英国のホンダオブザユー・ケー・マニュファクチュアリング・リミテッドで生産され、日本に輸入されるモデル。すでに国内では4ドアのシビック タイプRが発売されているが、こちらは欧州のシビック 5ドアをベースに、スポーツモデルとしてのチューンを施した3ドアモデルで、日本国内では2010台の限定発売となる。

 ボディーは個性的なデザインのハッチバック。コンパクトカー「フィット」と同じようなセンタータンクレイアウトにより、広い室内空間と低重心を得た。専用サスペンションや、トルク感応型ヘリカルLSDなどの採用により、高い操縦安定性を実現している。また専用セッティングのEBD(電子制御制動力配分システム)付きABS、TCS(トラクション・コントロール・システム)、横滑り抑制機能を組み合わせたVSA(車両挙動安定化制御システム)など、最新デバイスも搭載する。

 ボディーサイズは4270×1785×1445mm(全長×全幅×全高)、と、4ドアのタイプRより270mm短いが、10mm広く、15mm背が高い。ホイールベースは2635mmと65mm短くなっているが、車両重量は1320kgと逆に60kg重くなる。

 エンジンは2.0リッターDOHCの「K20A」型で、可変バルブタイミング・リフト機構の「i-VTEC」を搭載。最高出力は148kW(201PS)/7800rpm、最大トルク193Nm(19.7kgm)/5600rpmを発揮。ただしこれも4ドア タイプRより出力が17kW、トルクが22Nmダウンしている。VTECの切り替え回転数は5400rpmで、レッドゾーンは8000rpm。組み合わせられるトランスミッションは、クロスレシオの6速MTのみ。

 1グレードのみの設定で、カーナビもオプション扱いとなる。価格は298万円。

大きなフロントガラスとボンネットがぼぼ一直線につながり、横からは台形(というか三角形)に見える独特のスタイル。全高は4ドアのタイプRよりも高い1445mm。ボディーカラーはレッド、シルバー、ホワイトの3色が用意される。撮影車両のホワイトは「チャンピオンシップホワイト」と呼ばれる、アイボリーに近い白色


フロント部。バンパーはフロントタイヤの前半を覆うほど大きい。上から見るとフロントエンドは丸いことが分かるグリルにはスポーツモデルのみに与えられる赤地の「H」マークボディー下面にアンダーカバーを装備。最低地上高は125mmと低い
鋭いデザインのヘッドライトは日本刀をイメージしたものだと言う点灯した状態。ロービームはオートレベリング機構付きのHIDフォグライトは三角形。デザイン上のポイントにもなる
電動格納式のドアミラー。方向指示灯を内蔵ワイパーは左右両端にヒンジがあり、ハの字のように動作するボディー同色の18インチアルミホイール(18×7 1/2J)
ドアハンドルは菱形のデザイン。電波式キーレスエントリーシステムを装備ドアミラーが大きく視界は十分フューエルリッド。ガソリンは無鉛プレミアムを指定
意外と丸いリアデザイン。リアウィンドーは上下で2枚のガラスに分かれるリアを下から見てみる。台形デザインが強調され、迫力がある大型リアスポイラーを装備
コンビネーションランプもヘッドライトと同じように薄いデザインハイマウントストップランプを点灯した状態リアゲート右側のエンブレム。「EURO」が他のTYPE Rと違うことを主張


ボンネットを開けた状態7800rpmで148kW(201PS)を発揮する2リッターi-VTECエンジン4ドアのタイプRより出力が抑えられているとは言え、自然吸気エンジンとしては十分すぎる馬力
タイヤはポテンザRE050Aを装着。サイズは225/40 R18フロントサスペンションを見る。フロントはマクファーソン式ストラット、リアは車軸式(トーションビーム)
テールゲートを開けた状態トランクは3ドアにしては広く、上下方向も十分な高さがあるリアシェルフを取り外した状態
6:4分割のリアシートの左側を倒した状態右側を倒した状態。3名乗車が可能リアシートを左右とも倒した状態。長尺物も積める
トランクを上から見るトランクの床は2段になっている荷物固定用のカーゴフックを装備
トランク内に12V-10Aのアクセサリーソケットも装備するホールアーチの隙間を利用して工具を収める反対側には応急パンク修理キット


インパネ全体。標準ではカーナビを搭載しないが、オプションでPNDを設定するアーチがいくつも重なるような独特のメーターまわりのデザイン前方のスピードメーターと手前のタコメーターは前後に距離があり、慣れるまで少々時間がかかる
スピードメーター横にREVインジケーターを装備タコメーターの中央にはマルチインフォメーションディスプレイを装備するインパネ中央のディスプレイには、時計、エアコン、オーディオなどの情報を表示
ステアリング左奥にはワイパーとウォッシャースイッチステアリング右奥にはライトと方向指示器スイッチメーター右側にコーナーセンサーとバックソナースイッチ、VSAのOFFスイッチを装備。赤いボタンはエンジンスタートスイッチ
メーター左側に置かれた空調関連の操作系ステアリング左側に設けられたオーディオリモートコントロールスイッチ右側のスイッチではマルチインフォメーションディスプレイを操作できる
ハンドル下のチルト&テレスコピック機能付き美しい3本ペダルで材質はメタル。アクセルはオルガンペダル式球形シフトノブはチタンのように見えるがアルミ製。ストロークは短い
ルームミラーは一般的なもの。視界にはスポイラーが居座るインパネ中央部オーディオ類はインパネと一体化
運転席ドアの前方にあるフューエルリッドオープナーと、リアゲートオープナー撮影車は運転席の直前に緊急脱出用ハンマーが置かれていたコンソールにシリアルナンバー入りエンブレム。撮影車両は「0000」だった


運転席はバケット形状の「Honda R spec」。表皮材はアルカンターラ運転席は、スライド、リクライニング、ハイト(高さ)の調整が可能シートバックの穴はプレートで補強され、4点式シートベルトにも対応する
運転席側ドア。アームレスト部の赤色が印象的ドア内側のスイッチ。ミラーやウィンドー関連のスイッチが並ぶアームレスト下の物入れ。一般的なもの
助手席側。ハイト調整はできないシートはウォークイン機構を備えるため、後席へのアクセスがしやすいサイドシルプレート。「TYPE R」のロゴが誇らしげ
助手席側のドア。スイッチ類を除き、運転席側とほぼ同じ助手席側ドアには空調の温度調整スイッチが置かれるスピーカーは合計6個だが、左右ドアに2個ずつ装備
前席室内灯。ウェルカムランプ機能も備える照明&バニティミラー付きサンバイザー。運転席側もつく後席室内灯。ドアの開閉に応じて点灯する
センターコンソール。アームレストとしても機能するコンソールボックスを開けた状態コンソールボックス内にはアクセサリーソケットやUSB端子などを装備する
ETC車載機もコンソールボックスに置かれていたコンソールポケットの前部に灰皿を装備する。かなり小型コンソールポケットのスライドシャッターを閉めた状態
開けるとその中にカップホルダーを装備ホルダーの仕切りは前後に移動するさらに灰皿を外すと大きめのものも入れられる
助手席側のインパネグローブボックスを開けた状態グローブボックスはエアコンを利用したクールボックス機能を備える
シフトレバー前方にあるセンターポケット後席のグラブレールの脇にはコートフックを装備するドア前部のスピーカー。ただしAピラー回りの視界は狭くなる
後席全体を見る。後席は2名定員(乗車定員は4名)後席両サイドにはアームレストとドリンクホルダーを装備前席シートバックの物入れ


タコメーターの中央のマルチインフォメーションディスプレイ平均燃費や瞬間燃費、航続距離、平均車速、後席シードベルトの警告など、各種の表示が可能マルチインフォメーションディスプレイはカスタマイズも可能。速度警報、タイヤ空気圧など、内容は多岐にわたる
インパネ中央部の表示。最上段が時計、中段がオーディオ、下段が空調関連となっているオーディオの操作画面。FMやAMなどのほか、USBケーブルを付属するので、デジタルオーディオ機器との接続が可能空調の切り替え。風向などのほか、左右独立で温度の設定も可能

(西尾 淳(WINDY Co.) /Photo:石川 智 )
2010年 1月 14日