写真で見るロータス「エヴォーラ」


 「エヴォーラ」はロータスのスポーツカー。日本で多く見かける「エリーゼ」などの上位に位置づけられ、より大きな排気量のエンジン、パワーステアリングなどの快適装備などを持った上級モデルとなっている。

 エンジンはトヨタの前輪駆動系の車種に搭載される3.5リッター V型6気筒 DOHC「2GR-FE」を後方に搭載。最高出力は206kW(280PS)/6400rpm、最大トルクは350Nm(35.7kgm)/4700rpm、最高回転数は6600rpm、最高速度は261km/h。6速MTを介して後輪を駆動する。

 ボディーサイズは4342×1848×1223mm(全長×全幅×全高)でロータス製オールアルミモノコックとFRP素材によるオールグラスファイバーボディーで車重は1382kg。1tを切る車が中心のロータスの車種の中では重い部類となるが、3.5リッターエンジン搭載車としては車重は軽く、エンジンを回せば鋭く加速する。

 トヨタ製エンジンということもあり、エンジン起動やアイドリングは静か。通常のペースで走行する程度なら、リアミッドシップながら車内へのエンジン音の侵入も少ない。エンジンを高回転にしても車内外に発する音は比較的ジェントルだ。

 車内に乗り込めば、低い車高と車幅の広さ、リアミッドシップによる後方視界の狭さが、スポーツカーに乗ってることを実感させる。撮影車は2+2による定員4人仕様だが、2シーター仕様も選べる。

 撮影車はオプションを多数装備した仕様で、アルパイン製のオーディオ一体のカーナビゲーションの装着などにより、より快適性を増している。

ロータス エヴォーラ。低い車高とワイドな車幅、そしてリアにかけてのボリュームが迫力を演出している。カラーはメタリックペイントのリキッドブルー

 

ラジエターが前方にあるため、大きなエアインテークと上に抜けるエアの通り道がフロント部に設けられる
プロジェクターヘッドライトとLEDのウインカー。スモールライトは白色LED
LEDのウインカーが点灯したところ白色LEDのスモールライト斜め上に抜ける空路に取り付けられるラジエターが開口部から見える
大きく張り出したフロントの形状冷却水の補助タンクとウインドーウォッシャー液のタンクはフロントの小さなハッチを開けてメンテナンスできるワイパーはフラットタイプの1本式
フロントのロータスのエンブレムサイドのウインカーもLED式。エヴォーラの車名も刻まれている電動リモコンミラー。車幅はあまり変わらないが電動格納のオプションを装備する
ドアハンドルはオプションのボディー同色仕上げサイドウインドーは小さいので、開けても開口部は小さい。駐車場のチケットの受け取りは少し苦労するエンジンへのエアインテークがサイドにある
トレッドの張り出しが大きく、ドア部分を絞ったボディー形状ドアは後方にいくほど上下の幅が狭まる
ルーフ中央には空力のためか凹面のデザインが施される給油口は右側後方となるリアウインドウから見えるのはエンジンカバー
テールエンド。ロータス車に共通のデザインを感じる「EVORA」の車名ロゴはバンパー右下に取り付けられる
テールランプはLEDを多用している。バックライトも白色LED、リアフォグランプは内側のクリアライトの外周が赤く点灯する

 

リアゲートを開くと、エンジンと小さなトランクスペースが出現するエンジンはカバーで覆われている
カバーを外すと横置きのトヨタ製「2GR-FE」が姿を現す。特にエンジンに装飾は施されていないV6エンジンがめいいっぱい収まっている。上部からのメンテナンスは難しそうだエンジンカバーはFRP製
マフラーは中央に2本出しとなる
タイヤサイズはリアが255/35 ZR19、オプションのステルスグレイ鋳造アルミホイールを履くフロントのサイズは225/40 ZR18。タイヤはピレリ P-ZEROだ

 

フロントシートはレカロ製のレザータイプ、リクライニング、チルト、サイド調整が可能運転席へのアクセスは太いサイドシルをまたぐ必要があるため、一般的なセダンのようにはいかない
運転席まわりはレザーとメタルによるハンドメイドな質感
スピードメーターとタコメーターがアナログだが、それ以外は液晶ディスプレイによって多彩な表示が行えるウインカーは左側のレバーで、手前に引いてライトのハイ/ロー切り替え。先端のボタンでメーター内の画面表示を切り替える右側のレバーはワイパーの操作となる
ステアリングにはカーナビとセットでオプションのクルーズコントロールの操作ボタンがあるステアリングセンターにはロータスのロゴが入る。エアバッグ付き
メーター左の操作スイッチにはドアロックや助手席のグローブボックスを開けるボタンがあるメーター右の操作スイッチはヘッドライトやリアフォグライト、フューエルリッドなどの操作ボタンがある。SPORTボタンはオプションでスロットルレスポンスやレブリミットをスポーツモードとするスイッチハザードランプはカーナビ画面の左側となる
ペダルはアルミ製。右ステアリング車では左寄りに配置される6速MTのシフトレバーはアルミとレザーの組み合わせ。リバースポジションにはシフトノブの下にあるリングを引き上げて入れるサイドブレーキもアルミとレザーの組み合わせだ
シフトレバーの先にはエアコンの操作パネルがあるアームレストは跳ね上げも可能。アルミ成形による蝶番となる
後席から見えるセンタートンネル上には12Vの電源ソケットがあるエアコンの操作パネルルーバーを閉じることで風を止めることができる吹き出し口
ドアは全体的にコンパクトで厚みがあるパワーウインドーのスイッチとリモコンミラーのスイッチ。電動格納付き空気吹き出し口はドアにも装着される
ドアにオーディオのスピーカーが装備される助手席側のドア。厚みがあるため小物入れも大きい
ドアロックのピン。アルミ削り出しドアが開いていると、メーター右側の液晶パネルに様子が表示される
助手席エアバッグを装備ツイーターはダッシュボード上の左右に装備される助手席側のドアを開けるとエアバッグキャンセルスイッチがある
助手席側から運転席を見たところ。センタートンネルからはアルミ地が一部むき出しとなり、運転席のペダルも見えるグローブボックスにはiPod用の接続コネクターがあるカーナビにはオプションでVICSビーコン受信機をつけることができる。ダッシュボード前方に配置される
バックミラーは一般的なタイプ。横にはデンソー製ETCのアンテナが配置され、利用可能なときはアンテナに緑色のLEDが点灯するバイザーは小型のものが装着される。裏側にバニティミラーなどはない
室内から見る後方視界は狭い。エンジンルームと室内はガラスで隔てられている2名乗車のリアシートだが実用性は乏しい。大人が乗ると頭の位置がヘッドレストよりもかなり上になり、背筋は伸ばせないリアシートの右側にはサブウーファーを装備
後席へアクセスするため、4点式シートベルト用の穴の横にシートを前方に倒すためのレバーがある4点式シートベルトにも対応するシートを備えるが、シートベルトは3点式を利用する

 

キーと車検証ケース。キーはリモコンキーになっているエンジン始動はキーを差し込んでひねり、セルモーターを回す一般的なもの
メーター左の液晶パネルには気温、時刻、燃料残量ほか、各種情報を表示できる
オーディオ一体のカーナビはアルパイン製のアフターマーケット品をほぼそのまま着用。リアナンバープレート上にカメラを装着し、後方視界をサポートしてくれる
リアハッチはエンジンへのアクセスのほか、トランクルームへのアクセスが可能前後長はわずかだが、トランクスペースがある

 

(正田拓也 / Photo:鈴木広一郎)
2010年 2月 15日