写真で見るスズキ「キザシ」


 スズキは軽自動車やコンパクトカーを中心にラインアップしているが、「キザシ」(Kizashi)はその中で最大排気量となる2.4リッターのエンジンを搭載する、フラッグシップセダンとして誕生した。スズキの御家芸ともいえるスポーツ性はそのままに、エレガンスや上質感なども重視した意欲的なモデルである。

 ボディーはオーソドックスな4ドアセダン。サイズは4650×1820×1480mm(全長×全幅×全高)と、ミドルクラスセダンとして標準的な大きさとしている。パワーユニットは「エスクード」から移植されたJ24B型2.4リッター4気筒エンジン。しかし最高出力は138kW(188PS)/6500rpmと、ひとまわりパワーアップしている。

 モデルバリエーションを持たないモノグレードだが、駆動方式は2WD(FF)と4WDから選択できる。4WDモデルは電子制御の「i-AWD」を搭載。FF、4WDともにトランスミッションはCVTを採用。6速MTモードを備え、ステアリングのシフトパドルでも操作できる。10・15モード燃費は2WDモデルが12.6km/L、4WDモデルが11.4km/Lとなっている。

 安全性の面では、横滑り防止装置の「ESP」、ブレーキアシスト&EBD(電子制御制動力配分システム)付きの「ABS」、ヒルホールドコントロール、パーキングセンサー、フォースリミッター付きフロントシートベルトなどを装備。エアバッグは、運転席・助手席、カーテン、サイドなど、9つを搭載している。

 キザシの価格は、2WDモデルが278万7750円、4WDモデルが299万7750円となっている。今回、撮影に使用したのは4WDモデル。

独立したトランクを備えるオーソドックスな4ドアセダンだが、全体に丸みを帯び、プレーンな面で構成されるスタイル。グリル左右のリブに、同社の「スイフト」や「SX4」との共通性を感じる。また、キーレスプッシュスタートシステムを搭載しており、リモコンキーを携帯していればスイッチを押すだけでエンジンが始動する

 

丸みを帯びたフロント部分オートレベリング機構付きのディスチャージヘッドランプヘッドランプ下のマルチリフレクターハロゲンフォグランプ
フロントグリルには大きくスズキの「S」マークフロントガラス。ダッシュボードにはオートライトシステムのセンサーバックミラーの裏には雨滴感知のセンサーを装備
フロントバンパーのフタを開けて牽引フックを装着ホイールは18インチ。細かなスポークデザインが独特4WD車は曇りを除去するヒーテッドドアミラーを装備
フロントフェンダーのサイド・ターン・シグナルランプドアハンドル。電波式キーレスエントリーを装備するリア。トランク部は非常に短い。空力性能のよさそうなテールエンド
リアのコンビネーションランプ。中央部分がターン・シグナルブレーキを踏んでストップランプを点灯させた状態トランクリッドのハイマウントストップランプ
マフラーは左右2本出し。ユニークな形状リアの牽引フックトランクリッドの「Kizashi」エンブレム

 

コンパクトにまとまったエンジンルーム配置などが分かりやすく、整備もしやすそうトランクルーム。たっぷりした容量を確保
トランクルームにはラゲッジフックも装備するトランクルーム床下のラゲッジアンダーボックスさらに応急用タイヤを収める

 

インストゥルメントパネル全体。メッキ加飾で、ボンネットからフロントグリルにかけてのY字のキャラクターラインの意匠が表現されているステアリングは本革巻。チルト&テレスコピック機能で最適なポジションが得られるフロントシート。表皮は本革。4WD車はシートヒーターも装備する
シフトレバー。シーケンシャルシフト操作も可能ステアリングホイールから手を離さず操作できるシフトパドル右側でシフトアップ、左でシフトダウンになる
ステアリングホイール左奥のワイパー操作レバーステアリングホイール右奥のライトコントロールレバーペダル類。アクセルペダルも吊り下げ式
ステアリングホイール左のオーディオ関連のスイッチステアリングホイール右側にはクルーズコントロールのスイッチステアリングに装備されたマルチインフォメーションディスプレイのスイッチ
ルームミラーは自動防眩式を採用運転席シートは10ウェイ・パワーシートを採用。前端部チルトやランバーサポートが可能助手席は4ウェイ・パワーシートとなる
ステアリング右側のスイッチ類。左はプッシュスタートのボタンETC車載器もインストゥルメントパネルにビルトインされているトランクリッドのオープンボタン
インストゥルメントパネル中央のディスプレイディスプレイを手前に倒すと、DVD/CDやSDメモリーカードの差し込み口が現われるエアコンなど空調のコントロール部。上部左右はシートヒーターのスイッチ

 

運転席側のドア。シートに合わせたデザインドアのスイッチ類。ウィンドー開閉のほか、ドアミラーの折り畳みボタンなども置かれているドア下部の物入れ。ドリンクホルダーは手前にある
センターコンソール部の小物入れ中にはアクセサリーソケットを装備しているルーフ部の物入れ。スイッチひとつで開閉する
センターのアームレストとドリンクホルダー開けた状態。アームレストの物入れはかなりの容量アームレストには浅いトレーも装備している
サンバイザーにはミラーと照明を装備しているルームランプ。ドアの開閉に連動する左右それぞれのスポットライトも装備している
助手席前のグローブボックスグローブボックスを開けたところ。上段には棚があるシート背面の物入れ。地図などを入れるのに最適
後席側のドア。リアシートサイドにもエアバッグを装備する後席ドアの小物入れ&ドリンクホルダーセンターコンソールボックス後面にある後席用のエアコン吹き出し口
リアシートは本革&人工皮革。縫製部は手間の掛かるダブルステッチリアのアームレストを引き出した状態。前部にはドリンクホルダーアームレストの奥は可倒式。トランクにアクセスできる
リアシートは6:4の分割可倒式左側は大きく倒れる。前席と合わせ3名乗車が可能左右とも倒した状態。長尺物も積み込める

 

メーターは目盛が細かいクラシカルなデザインメーターの中央にはマルチインフォメーションディスプレイを装備瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離、シフトインジケーター、トリップメーターなどを表示する

 

オプションのHDDカーナビはクラリオン製。7型高精細VGAを採用目的地入力。住所や施設名称で検索できるカーナビの表示方法。各種方法が選べる
FM放送の選択画面ナビゲーション画面を表示したままFM放送などの操作も可能カレンダー表示。シンプルだが、何かと便利
音声コマンドのメニュー。簡単な操作は音声で可能AVソースの選択。DVD/CDやメモリーカード、テレビなどが選択できる情報表示の選択。交通情報からメンテナンス、電話などもここから設定する

(平 雅彦(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 2月 10日