写真で見るフォード「マスタング」


 フォード・マスタングは、1964年の初登場以来発売が継続されてきたアメリカを代表するスポーツカー。2009年11月のモデルチェンジで、内外装のデザインが変更され、よりモダンでスポーティに進化したと言う。従来モデル同様、エンジンは4.6リッター V型8気筒 SOHCエンジンと4リッター V型6気筒 SOHCエンジンの2種類がラインアップされ、後輪を駆動。V8モデルではより温度の低い外気を送り込むことで燃焼効率を向上する「コールドエアー・インダクション」(冷気吸気システム)を新たに採用することで最高出力を235kW(319PS)に高めている。

 ボディタイプはクーペとコンバーチブルの2種類で、V8エンジンとV6エンジンのそれぞれに設定される。ステアリング位置は左側のみ。V8モデルでは、エンジンサウンドを室内に取り込む「インダクション・サウンド・チューブ」を装備、迫力のサウンドを堪能できると言う。

 フロントデザインは、V8モデルとV6モデルでそれぞれバンパーやグリルのデザインが変更され、全モデルでHIDヘッドライトを標準装備する。また、「ギャロッピングホース」のエンブレムは初めて変更され、V8モデルではダーククローム、V6モデルではクロームと、モデルによって色が違う。

 インテリアは、メーターパネルに「MyColorイルミネーション」を採用したほか、カップホルダー、スカッフプレート、ドアポケット、足下のアンビエントライティングは基本の7色(アイスブルー、ホワイト、グリーン、パープル、ブルー、オレンジ、レッド)を含む125通りに色の調整が可能で、好みに合わせて室内を演出できる。

 新型マスタングでは全グレードで、フォード独自の車両安定化装置「アドバンストラック」を採用、車両のコーナリングの状態を常にモニターしながら、ステアリングの角度、横揺れ、横Gなどの各センサーからの情報を元に車両の安定性を監視し、車両のコントロールを失いそうになったと判断すると必要に応じて適切なホイールにブレーキをかけてエンジン出力を抑制し車両の横滑りやスピンを回避する。さらにV8モデルでは通常のアドバンストラックよりもドライバーのコントロール領域を広げたスポーツモードを搭載し、よりダイナミックなスポーツドライビングを楽しめるとしている。

 また、パッシブセーフティについてもフォード独自のパーソナルセーフティシステムを採用、前方からの衝突時に車体各部に設置されたセンサーが1/1000秒単位で衝突の程度を分析し、各エアバッグシステムやシートベルトプリテンショナー、ロードリミッターなどの作動を瞬時に統合制御し、展開タイミングを最適化して乗員を保護する。新型マスタングは、これらの安全装置とNHTSA(米国高速道路交通安全局)のクラッシュテストでも最高の5つ星を獲得している。

 なお、今回撮影した車両は「V8 GT クーペ プレミアム」、ボディーカラーはV8モデル専用のコナブルー(メタリック)。価格は480万円。なお国内では未導入だが、北米仕様では5.4L DOHCエンジンにスーパーチャージャーを搭載した「Shelby mustang GT 500」も用意される。

マッスルカーならではの力強いエクステリアは新マスタングでも健在。外観デザインは1960年代のマスタングをモチーフとしたものとなっている

 

上部が下部より突き出た逆スラントノーズが採用されたワイルドなイメージヘッドライト消灯時(左)と点灯時(右)。ヘッドライトはHID。グリル内のライトは北米仕様ではフォグランプだが、国内仕様ではアクセサリーランプとなる
サイドミラーはプラスチック成形色のようだフェンダーにはGTロゴドアハンドルはオーソドックスなタイプ。このアングルで見ると塗装に含まれるメタリックフレークがよく分かる
ルームミラー上部にはギャロッピングホースのロゴがあしらわれる。ミラーにつながっている配線はバックモニター用ワイパーはフラットタイプフロンのグリルに装着されたギャロッピングホースのエンブレムは、登場以来初めて変更された。今回の撮影車両はV8モデルなので、色はダーククローム
ホイールサイズは18インチ。タイヤはピレリのPZeroNeroでサイズは235/50ZR18と最近のスポーツモデルにしては偏平率は高めテールも1960年代マスタングの面影を残している
リアコンビネーションランプ。左が消灯時、右が点灯時
リアハッチ中央には大型のエンブレムを備えるリアスポイラー中央には、バックモニター用のカメラを装備マフラーは左右2本出し。V6モデルでは片側1本出しとなる
エンジンルームにはV8 4.8LのSOHCエンジンを搭載するトランクの開口部はあまり大きくないトランクに閉じ込められたときに内部からトランクを開けるハンドルもついている

 

運転席ドア。スピーカーがデザイン上のアクセントになっているドアノブの横にはドアロックのスイッチがあるインテリア。シート表皮はレザー製で、サイドエアバッグも備える
シートの前後スライド、座面位置調整は電動だが、リクライニングは手動スカッフプレートは、イルミネーション機能連動で発光色が変更できる。右はイルミネーション点灯時
フロントシート裏にはリアシート乗降時用のレバーと、ポケットが用意される狭いがきっちり体をホールドする形状のリアシート
リアシートは5:5の分割可倒式トランクスルー機構を備える
センターコンソールにはカップホルダーも備える。カップホルダー内のイルミネーションカラーはメーターパネルとともに色を変更できる
センターコンソール後端には小物入れが用意される。下部に見える青白い丸い部分は後席用のイルミネーション

 

インストゥルメントパネルはクラシックな印象ウインカーレバーは左。ハイビームやワイパー操作も兼ねる
ステアリングホイールはスポークに各種操作用スイッチを備える左にはクルーズコントロール関連スイッチが用意される右にはオーディオや携帯電話のハンズフリー用スイッチ
メーターもクラシックなデザイン。スピードメーターは240km/hスケールメーターのイルミネーションカラーは125パターンに変更できる
タコメーター下部に表示される各種情報表示。イルミネーションカラーの変更もここで行うステアリング左下にはライトスイッチと情報表示用ボタンが配置される
ルームランプはシンプルなデザインルームミラーには自動防眩機能を備えるルームミラーには標準でバックモニター表示機能を備える。小型で解像度も低いため視認性はそれほど高くはない
バイザー裏にはバニティミラーも備える。カバーはプラスチック製センターコンソール最上部のエアコン吹き出し口中央にはシガーソケットを備える標準のオーディオはCDチューナーデッキ。標準で8スピーカーシステムが搭載される
センターコンソール最下段はエアコン操作部になっているトランスミッションは電子制御5速ATのみシフトレバー脇には、トランクションコントロール、ハザード、リアハッチオープンボタンが設けられる
アクセルとブレーキペダルはアルミ製で、プラスチック製の滑り止めがつくキーはイモビライザーを内蔵するほか、パニックアラームとトランクオープナースイッチを備える
グローブボックス内は仕切りなどのないシンプルなもの

 

(平 雅彦(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 2月 8日