写真で見るルノー「ルーテシア ルノー・スポール」


 ルノーの小型車「ルーテシア」といえば、前身となる「5(サンク)」の時代から強力なエンジンを搭載したホットモデルが用意されていたが、現行のモデルにも高出力エンジンを搭載したバージョン「ルーテシア ルノー・スポール」が登場した。

 「クール シック ロケット」と別名が付けられたこのクルマは、リッター100馬力を超える最高出力148kW(202PS)、最大トルク215Nm(21.9kgm)の直列4気筒2リッターDOHCの自然吸気エンジンをフロントに搭載、自然吸気ならではのフラットなトルクと、鋭い吹け上がりを持つ。

 高出力エンジンのパワーを受け止めるブレーキは、フロントがブレンボ製の4ピストンキャリパーと直径312mmのブレンボ製ディスク、リアはTRW製のシングルピストンキャリパーとブレンボ製の300mmディスクが装備される。

 歴代のルーテシアのスポーツモデルは、一部にノーマルとはかけ離れた外見を持つモデルが存在していたが、ルーテシア ルノー・スポールにはバンパーに独特のブラックのカラーリングが施してあり、張り出したリアフェンダーなど、一般グレードのルーテシアとは全く違ったクルマとなっている。

 バンパーの下のエアインテークには、F1のフロントウイングを連想させるデザインが施してあり、F1でも活躍するルノーのスポーツモデルであることを誇示している。また、リアに回れば左右2本出しのマフラーの間にはエアディフューザーが装備してあり、普通のクルマではないこと主張している。

 派手なエクステリアに対してインテリアは控えめ。シートはファブリックで、スポーツモデル特有の硬さや乗り降りしにくさ、派手さはない。ヘッドレストのルノールポールの刺繍が特別なモデルであることを感じさせる程度。ドライバーズシートに座っただけで唯一スポーツモデルだと感じさせる点は、ステアリングホイールの12時方向に黄色い刺繍のセンターマークがあることと、黄色のタコメーター程度だ。

 撮影車のホワイトのカラー名称は「ブラン グラシエ」で、そのほかに青、赤、黒、シルバー、注文色の黄色と緑が用意される。

ルーテシア ルノー・スポールは、フロントバンパーの独特のカラーリングが強烈な印象を与える。フェンダーの膨らみやリアのエアディフューザーも目立つ特徴となる

 

ルノーのマークはフロント中央に装備。最近のクルマにしてはメーカーエンブレムは小さめの印象を受けるF1のウイングを模したエアインテーク
ヘッドライトはロービームがプロジェクター、ハイビームは内側にハロゲンランプが見える。ウインカーは電球式。フォグライトはバンパー部分に装備するロービームの外側のライトはコーナリングライトで、ハンドルを切ると一定時間点灯する
大きく傾斜したフロントウインドー。ワイパーはフラットタイプウインカーとサイドモールが一体化したデザインフロントフェンダーアウトレットはフロントからの空気の流れをサイドに流す機能がある
サイドのウインカーの先にはルノースポールのバッヂも一体化されるドアノブはつや消しのシルバーミラーはブラックで塗装される電動格納式
ラジオのアンテナはルーフ後方に設置される。ねじ込みで外すこともできるガソリンはハイオク。欧州での指定シールも残っているフェンダーの膨らみはこの位置からはよくわからない
リア上方から見るとフェンダーの膨らみや、トレッドの広さがわかる。トレッドは前後とも1520mmエアディフューザーはブラックでツヤあり仕上げ。マフラーエンドとも一体化される。間近で見ればかなり目立つ装備
テールライトは上からブレーキとテールライト、ウインカーとバックライト、リアフォグとなるリアウインドーは左右に回り込んだ曲線を描くハイマウントストップライトはウインドー上に装備
リアワイパーはアームから一体的にデザインされたタイプマフラーエンドはエアディフューザーと一体だが、奥にマフラー本体があるのがわかる
リアのルノーとルーテシアのエンブレムRENAULT SPORTと書いてルノー・スポールと読む

 

特別開発というタイヤはコンチネンタルの「ContiSportContact 3」、サイズは前後とも215/45 R17。
フロントはブレンボ製の4ピストンキャリパーと直径312mmのブレンボ製ディスクリアはTRW製のシングルピストンキャリパーと直径300mmのブレンボ製ディスク
直列4気筒2リッターDOHCエンジンはフロントに横置き。インテークにはルノー・スポールのマークがある

 

一見、スポーツモデルであることが分かりにくい、明るめのグレー内装よく見るとイエローのアクセントや、アルミペダルが普通のモデルではないことを主張しているシートはファブリックで、サイドサポートの張り出しは控えめで街乗りにも不便はない
シートに座るとイエローのアクセントが目に飛び込んでくるペダルはアルミ製。普通のモデルよりもヒール&トゥをしやすくするため、角度が異なると言う
ハンドルセンターとシートセンターが合っているダッシュボードのオーディオやエアコンの操作まわりはツヤありのパネルが貼られる6速MT。バックはグリップ下のリングを押し上げると入る
エアコンはオート。オーディオは操作パネルのみで、表示はダッシュボード上のディスプレイに表示されるフロアコンソールにあるクルーズコントロールのスイッチオーディオのAUX入力はフロアコンソールの最前部に用意される
エアコンの吹き出し口と各種情報ディスプレイ。時刻や外気温のほかオーディオの情報が表示される。シートベルト警告もこの位置エアコンの吹き出し操作はゴム製のボール状のノブをー指で上下に転がす仕組み。手触りと操作性は良好だ
ドアには小物入れの大きなポケットが装備される。パワーウインドーやリモコンミラーの操作レバー、スピーカーがある右ドアを開けたところにエアバッグのスイッチがあるステアリング右側に、エアコン吹き出し口と風をとめるボール状の操作ノブ、その下にはヘッドライトの光軸、メーター照明の明るさ調節、横滑り防止装置のスイッチがある
気づきにくい装備だが、シルバーのシートベルトもルノースポールの限定装備ステアリングコラムの右にはワイパーの操作レバー。先端にはディスプレイの操作ボタンがある。その下はオーディオのサテライトスイッチで、音量や選曲などがここで操作できる
ステアリングの左はボタンヘッドライトとフォグランプのスイッチがある。先端のボタンを長押しするとオートライトとなるステアリングのセンターマーク。黄色の刺繍だが、目が粗いため視界に入って目障りという印象がないヘッドレストにもシルバーの糸によるルノー・スポールの刺繍がある
助手席はダッシュボードに小さくルノー・スポールのロゴがあるグローブボックスの開口部は大きいが、中はそれほど広くないキッキングプレートはルノー・スポールのロゴ入り
グレーのフロントシート。光の差し込みによっては明るく見える色調だリアシートはベースが実用車らしく必要十分な広さを持つ。ヘッドレストも使用時は頭の高さまで持ち上がる
ダッシュボードは手前側に傾斜があり、窮屈さがない。バイザー裏には左右ともにミラーを装備するルームライトは3つのライトでマップランプなどを使い分けるキーは本体側にもリモコンボタンがあるが、日本仕様は電波法規の適合の関係で別体のリモコンが付属する
大きく開くバックゲート標準のグレードはスペアタイヤの吊り下げボルトがあるが、ルノー・スポールはスペアタイヤがなく工具のみスペアタイヤがないのでパンク修理キットが付属する
トランクスペースはリアシートを立てた上体で288リットル乗車定員は4名だが、リアシートは7:3分割となるリアシートを倒すと1038リットルの荷室容量となる
ルノー・スポール専用のイエローパネルタコメーター、スピードメーターはフランス車に多い奇数表示

 

メーターパネルセンターの液晶表示は各種情報が表示できる。走行距離とトリップメーターを表示したところ整備を受けるまでの走行距離も表示できる。操作はステアリング右のコラムレバー先端のボタンを押す平均速度も表示できる
トリップメーター瞬間燃費計消費したガソリン量も表示できる
ダッシュボードセンター上部のディスプレイは主にオーディオの表示を行うAUX入力に切り替えたところ国内でいうAMは「MW」と表示される

 

(正田拓也 / Photo:鈴木広一郎)
2010年 2月 4日