写真で見るシボレー「トラバース」


 シボレー トラバースは、ゼネラルモータース・アジア・パシフィック・ジャパンではなく、キャディラックやハマーH2の輸入販売を行う三井物産オートモーティブによって発売されているCUV(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)。2009年6月から発売が開始され、今回撮影したのはマイナーチェンジを受けた2010年モデル。2010年モデルでは、ルーフレールが廃止されたほか、リア用ヘッドフォンジャックや、携帯オーディオプレーヤー用のUSB端子が追加された。

 大型ボディーに、可変バルブタイミングシステム「VVT」を採用し、最高出力285PS、最大トルク36.8kgmを発生する3.6リッター V6エンジンに、6速ATが組み合わせられる。クラストップレベルの燃費を実現したとしているが、燃費の実データは非公開。駆動方式は、4WDと2WD(FF)が用意される。エクステリアは、直線的でシャープなラインで近代的にまとめられており、ヨーロッパ車のような雰囲気を彷彿とさせる。ホイールは、4WDのLTでは20インチが採用されるが、ボディーの大きさと相まってあまり大径ホイールという印象は受けない。2WDのLSには17インチホイールが採用される。安全性能では、走行安定性向上システム「スタビリトラック」を搭載するほか、ヘッドカーテンサイドエアバッグを含む6エアバッグを標準搭載する。

 インテリアは、2+3+3レイアウトの3列シートで乗車定員は8名。セカンドシードとサードシートは、6:4の分割シートとなっているが、シートの分割も左ハンドルモデルらしく、右側シートが狭くなっている。サードシート乗降時には、セカンドシートを跳ね上げる機構が用意されるが、跳ね上げが可能なのは右側シートのみ。全長が5210mmとボディーが大柄なこともあり、3列目シートもゆったりしており、サードシート使用時でもラゲッジスペースは確保されている。インテリアは、LSがクロスシートでカラーはライトグレーとダークグレー、LTがレザーシートでライトグレー、カシミア、エボニーの3色が用意される。

 モデルバリエーションは、FFのLSと、4WDのLTの2モデルで左ハンドルのみの設定。価格はLSが498万円、LTが598万円。今回の撮影車は4WDのTRAVERSE LTで、ボディーカラーはサミットホワイト。そのほかボディーカラーは、シルバーアイスメタリック、ダークブルーメタリック、ブラックグラナイトメタリックと、オプションカラーのレッドジュエルティントコートが用意される。なお、ブラックグラナイトメタリックとレッドジュエルティントコートはLTの専用色。

ボディー外観はシャープで近代的なイメージ。大柄なボディーはミニバンとSUVを足したような印象。3列シートということもあり、ボディーは非常に長く5mを超える
フロントエンブレムを挟んで上下にメッシュ状のフロントグリルがレイアウトされる。ヘッドライトは大きく力強い印象ボディー先端はエンブレム同様先端が尖った形状。グリル形状はよく見ると単純なXではない運転席側にはサイドアンダーミラーも備える
ヘッドライトは4灯タイプ。左から、消灯、ロービーム点灯時、ハイビーム点灯時
フロント下部にはフォグランプを備える。左が消灯、右が点灯時LTのホイールサイズは20インチで、タイヤサイズは255/55 R20。試乗車のタイヤにはブリヂストンの「DUELER H/L」が装着されていた
ドアミラーも直線的なデザインでウインカーを内蔵する。左が消灯時、右が点灯時ミラーの外側上部は凸面鏡になって後方視界を拡げている
エンジンルームは、最近の多くのクルマと同様に広い範囲がカバーで覆われ、エンジンはヘッドカバーがのぞく程度リアビュー。すっきりとしたデザイン。下面がカーブしたリアコンビネーションランプがアクセントになっているリアハッチのオープンハンドル横にはバックモニター用カメラを備える
ハッチ開口部のロック脇にある、リアハッチの電動クローズ用ボタン。LSには電動機構は装備されないルーフアンテナと、ハイマウントストップランプ。ハイマウントランプの横にはウォッシャー液噴出口が見えるリアブレーキランプ点灯時
シボレーロゴはリアハッチ左に、車名ロゴは右側に配置される。車名の下には輸入販売を行う三井オートモーティブのステッカーも貼られているリアハッチ中央にはシボレーロゴがレイアウトされる
フロントドア開口部。全高が高く、ドアも縦に広いので乗降しやすい運転席側フロントドアに備えられた操作部。ドアハンドルの前にはドアロックスイッチが配置されるドア下部のポケットは、ドリンクホルダーも兼ねているが、ポケット自体の容量は小さい
リアドア開口部。リアドアは2個分のドリンクホルダーが用意されるインストルメントパネル。ステアリングには、左側にクルーズコントロール、右側には電話やオーディオ関連スイッチがレイアウトされる
メーターパネルは非常にシンプルセンターコンソールには上段にCDチューナーデッキ、中段にエアコン操作部が並ぶセンターコンソール下段。前席シートヒーター操作部や、スタビリトラックのOFFボタン、さらに牽引モードスイッチも用意される
シフトレバー右には大径のドリンクホルダーが用意されるカーナビゲーションは標準搭載されないが、バックモニターはルームミラー内に内蔵されるペダル。サイドブレーキはフットペダルタイプ
前席アームレストは前後にスライドが可能で、アームレスト内部とアームレスト下部は小物入れになっている
アームレスト下の小物入れにはオーディオプレーヤー接続用のUSB端子が用意されるアームレスト後端にはセカンドシート用のエアコンやオーディオ操作部などがある。左右独立のヘッドフォン端子も用意されているフロントシートはLTがレザー製、LSはクロス製
セカンドシートは3名乗車。中央にアームレストを備えるアームレストにはドリンクホルダーや小物入れを備える
サードシートも3人乗車。スペースは確保されているが、作りはフラットでセカンドシートに比べるとホールド性も低い前席とセカンドシート上部にはサンルーフを備えている
シートレイアウト。サードシート後部には、リアハッチ側から引き起こすためのストラップが装着されている。折りたたみはレバーを引けばワンタッチで行える。後部シートを全て倒すとフロアはフルフラットになる
ラッゲッジスペース下にもさらに収納スペースが用意されるラッゲッジスペース側面にはシガーソケットも用意される

(平 雅彦(WINDY Co.) / Photo 石川 智)
2010年 7月 1日