写真で見るスバル「インプレッサWRX STI」4ドア


 スバル(富士重工業)の「インプレッサWRX STI」がマイナーチェンジし、7月1日より発売された。今回のマイナーチェンジでは、ティザーサイトなどで先行して情報が公開されていたとおり、4ドアモデルがラインアップされたのが注目だ。

 先代までは4ドアがメインだったインプレッサシリーズだが、WRCで勝つためにはリアオーバーハングの短い5ドアが有利ということで、フルモデルチェンジの際に5ドアへ移行。後にベーシックグレードにおいては4ドアが「アネシス」として追加設定されたが、WRX STIは5ドアのみの設定となっていた。今年4月に行われたニューヨーク国際自動車ショーで、2011年モデルのWRX STI北米仕様として4ドアモデルが公開され、関心を持っていた人も少なくないだろう。

 今回発売された国内仕様のWRX STI 4ドアモデルは、外観については北米仕様のものとほぼ同様のものとなっている。ただしエンジンに関しては北米仕様のWRX STIが2.5リッターターボなのに対し、国内仕様では従来どおり2.0リッターターボとなっている。また北米仕様に用意される「WRX」というグレードはなく、2.0リッターエンジン+6速MTのみのWRX STIに加え、2.5リッターエンジンと5速ATを搭載した「WRX STI A-Line」をラインアップする。

 マイナーチェンジでは4ドア、5ドアともに、フロントバンパーやグリルを変更することでフロントフェイスを刷新。リアまわりに関しては4ドアはベースとなるアネシスのデザインを踏襲しつつ、リアバンパーが専用タイプとなっている。6速MTモデルでは大型のリアウィングを装備する特徴だ。A-Lineではこのリアウィングは装着されないがこれはA-Lineが“大人のプレミアム”を意識したものだからとのこと。

 インテリアでは、加飾部の色を一部ダークキャストメタリックに変更。またA-Lineにはオプションとしてブラックレザーシートのほか、タンレザーシートのプレミアム タン インテリアを設定している。また、機能面ではオプションのキーレスアクセスにおいて、従来ドアのアウターハンドルに設けられたボタンを押すことで、施錠・解錠を行っていたのに対し、ドアハンドルを握ることで解錠できるようになっている。また、A-Lineにのみになるが、SUBARU G-BOOK mX対応のオーディオ一体型HDDカーナビを用意している。

 シャシーではサスペンションの仕様変更を行い車高も5mmダウン。さらにフロントロアアームを新設計し、一部にピロボールブッシュを使うなど、よりハンドリング性能のブラッシュアップを図っている。ブレーキは6速MTモデルには前後ともブレンボ製ブレーキを標準装備、A-Lineではフローティングタイプのキャリパーとなっている。

 これまでWRCで勝つための5ドアとこだわりを見せていたスバルだが、サーキットなどの高速域では空力面で4ドアのほうが有利としており、ニュルブルクリンクサーキットではトミ・マキネンがドライブし、インプレッサシリーズ最速となる7分55秒00というタイムを記録している。最近では日産「GT-R」が7分26秒70というタイムを記録しており、この記録がかすんで見えるかもしれないが、アベレージスピード170km/hを超えるハイスピードコースにおいて、2リッターターボエンジン(GT-Rは3.8リッターターボ)でこの記録は驚異的と言えるだろう。

インプレッサ WRX STI

WRX STI。ボディーカラーはスパークシルバー・メタリック。刷新されたフロントフェイスとWRX STIならではのワイドなフェンダー、そして大きなリアウィングが特徴的だ。撮影車はオプションのBBS製アルミホイールを装着
フロントフェイスは5ドアと共通。開口部が拡大されているグリルも新しいデザインとなったグリルにはSTIのエンブレムがつく
フォグランプ下の部分が、空力を考慮したリップスポイラー形状となっているバンパーサイドにはエアアウトレットも設けられるウィンカー内蔵のドアミラー
撮影車両にはオプションのBBS製18インチ鍛造アルミホイールを装備していた。カラーはブラックハイラスター塗装となるこちらが標準のアルミホイール
WRX STIには前後ともにブレンボ製のブレーキシステムが付く
WRX STIの証とも言うべきワイドなオーバーフェンダーフロントフェンダーにはSTIのロゴが入る。以前はベース部がメッキだったがマット調のシルバーに変更されているサイドステップ
リアのフェンダーもワイドにキーレスアクセスはドアのアウターハンドルの内側にセンサーが追加され、握ることで解錠できるアンテナはルーフに付く
リアWRX STIにのみ付く大型のリアウィングウィング部は3D形状となっている
テールランプなどはアネシスと共通リアバンパーは専用デザインとなる中央にあるのはバックフォグランプ
マフラーはデュアルテールの左右出しとなるテールランプトランクフードにはSTIのエンブレム
WRX STIのエンジンルームエンジンには「EJ20」の文字ターボチャージャーはIHI製
インストルメントパネルSTIのロゴが刻まれるステアリングは本革巻きでステッチはチェリーレッド。加飾部がダークキャストメタリックとなり落ち着いた雰囲気にメーター。SI-DRIVEやセンターデフのモード表示部がある
WRX STIは6速MTのみの設定。シフトノブの脇にはSI-DRIVEのモードスイッチとセンターデフのコントロールスイッチがある撮影車はオプションのレカロ製バケットタイプフロントシートを装着していたレカロシートは電動調整式ではない
リアシートもアルカンターラを使ったシート表皮となるセンターにはアームレストも内蔵。後席シートバックを倒すとトランクスルーになる
トランクトランクの床下には若干の収納スペースさらにその下にはテンパータイヤが収まる

インプレッサWRX STI A-Line

WRX STI A-Line、ボディーカラーはプラズマブルー・シリカ。オプションのBBS製18インチ鍛造アルミホイールを装着A-Lineにはリアウィングはつかない
A-Lineのエンジンルームインタークーラーのサイズなど、補機類は基本的にWRX STIと共通エンジン本体には「EJ25」の文字。2.5リッターである証だ
インテリア。撮影車はオプションのプレミアム タン インテリア、SUBARU G-BOOK mX対応のオーディオ一体型HDDカーナビを装備一部にタンカラーのレザーをあしらったステアリング。オーディオ操作やクルーズコントロールのスイッチ類が装備されるメーター。液晶部にシフトポジションが表示される。またセンターデフコントロールの表示はない
A-Lineには5速ATのみが設定されるタンレザーシート。ほかにブラックレザーシートのオプション設定もあるシートは電動パワーシート
プレミアム タン インテリアではセンターコンソールリッドなどもタンレザーになるドア内張にもタンレザーがあしらわれるリアシート

(鈴木賢二 / )
2010年 7月 2日