写真で見るBMW「120iクーペ」 |
BMWのエントリーモデルとして位置づけられる1シリーズ。プレミアム・コンパクト・セグメントでは唯一の後輪駆動車ながら、デビュー当初は5ドアモデルのみ。2008年に待望のクーペとカブリオレが追加となり、BMWらしい走る楽しさを満喫できるラインアップとなった。
この5月に行われたマイナーチェンジでは「Efficient Dynamics(エフィシェント・ダイナミクス)の理念をベースに、新型エンジンの採用などさまざまな技術を投入。燃費を従来モデルより最大で約25%も向上させている。
新たに116i、120iに搭載されることになった直列4気筒ユニットは、最大200気圧まで加圧した燃料を筒内に直接噴射する直噴システムとリーンバーンテクノロジーを採用。従来の156PS/20.4kgmから170PS/21.4kgm(120i/5ドア)に出力をアップさせている。
135iに搭載される6気筒ユニットには4気筒ユニットと同様の直噴システムをはじめ、ツインスクロールターボや可変バルブリフト機構「バルブトロニック」などを採用。ピークパワーは従来と変わらない306PS/40.8kgmながら、最大トルクの発生回転を1200rpm~5000rpmとワイドバンド化。扱いやすさを向上させている。
そのほか、減速時の運動エネルギーを回生するマイクロ・ハイブリッド・テクノロジー、油圧ではなく電力を使うことで燃費を向上させる電動パワー・ステアリング、燃料消費率を抑えるために最適なギアを表示するシフト・インジケータ(MTのみ)などを採用。
これらにより10・15モード燃費は4気筒ユニットモデルで14.4km/L、6気筒ユニットモデルで10.2km/L(クーペ、ATモデル)と大幅な向上を実現。その結果、平成22年度燃費基準の達成度が120iカブリオレが+25%、120iクーペ&5ドアが+10%、116iの5ドアが+5%となり、13年超の廃車を伴う場合に25万円の補助金が受けられるエコカー補助金の対象モデルとなった。
また、今回のマイナーチェンジと同時に「120iクーペ」が追加となった。1シリーズのクーペは扱いやすい車両サイズや「BMWのクーペ」という点では魅力的だったが、従来は3リッターターボの直列6気筒ユニットを搭載した135iのみ。車両価格はもちろん維持費などを考えると二の足を踏んでしまうモデルだったが、新たに2リッター直列4気筒の自然吸気ユニット搭載モデルが用意されたことでお買い得感がアップ。ATモデルのみという点はちょっと残念だが、前述したように補助金対象であること、14.4km/Lの省燃費性、135iより100kg以上軽いことによるフットワークのよさ、そして385万円というプライスは相当に魅力的だ。
撮影車両は新モデルの120iクーペ、ボディーカラーはアルピン・ホワイトIII。17インチタイヤ&ホイールのほか、iDriveナビゲーションパッケージ、コンフォート・アクセス、アルミ・アクセントトリム、電動ガラス・サンルーフ、ETC車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ)など、約70万円分のオプションが装着されている
135iにはMエアロダイナミクス・パッケージが標準だが120iではオプション扱い。そのせいかよりスマートな印象だ |
BMWらしくシートカラーやトリムは選択可能となっており、撮影車はコーラルレッドのボストンレザーを装着。トリムもオプションのアルミ・アクセントだ | フロントシートは運転席、助手席とも電動調節式。運転席にはメモリー機能も付く | 乗車定員は4名。中央部にアームレストはなく小物用のトレイが用意される |
運転席&助手席サンバイザーの間にはルームランプ&マップランプ。後方のスイッチは電動ガラスサンルーフ用 | チルト&スライドが可能な電動サンルーフはオプション。後方にはリア用のルームランプ&マップランプも |
コンパクトなクーペとはいえトランクは実用的な容量を持つ。6:4分割可倒式のリアシートを利用すれば、大型のトランクなどもラクに積み込むことが可能だ |
トランクの右サイドにはネットで仕切られた収納スペースが用意され、エマージェンシーキットが納められている。上部にはDC12Vのソケットも | ランフラットタイヤのためテンパータイヤは非搭載。そのためトランクマット下部にはバッテリー&収納スペースに。左側のケースはツールが納められている |
(安田 剛 )
2010年 8月 2日