写真で見るポルシェ「カイエン ターボ」


 7月に新しくなったポルシェ「カイエン」の最もホットなモデルが、カイエン ターボである。V型8気筒4.8リッターエンジンに2基のターボチャージャーを装着、368kW(500PS)の最高出力と700Nmの最大トルクを発生させ、2230kgの車体を引っ張っていく。0~100km/h加速は4.7秒。

 トランスミッションは8速ATのティプトロニックSを採用。トルコン式のATということもあり、強大なエンジンパワーもスムーズに4つのタイヤ、そして路面に伝えて走ることができる。

 また、メカニズムでは、「オートスタート/ストップ機能」と呼ばれるアイドリングストップ機能を搭載しており、信号待ちなどではストップ。発進しようとブレーキから足を離した瞬間に自動的にエンジンが再始動する。

 サスペンションはセルフレベリング・エアサスペンションで、手動で6段階に車高調節が可能。通常はノーマルレベルの設定でも、138km/hを超えると22mm低いローレベル1、210km/hを超えると32mm低いローレベル2に自動的に切り替わる。ダンパーは電子制御で、PASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)を搭載。路面状況や運転状況に応じて減衰力を無段階調節する。

 エクステリアは、最近のポルシェ車のデザインに沿ったものとなり、フロントの印象が変わった。リアまわりは大きなコンビネーションライトを持つ従来型とは変わり、よりスマートなものへと変化した。

 全体的にはサイズが大型化され、新型では4845×1940×1700mm(全長×全幅×全高)となった。カイエンだけを見た場合には大きさは感じにくいが、5ナンバーサイズのセダンを並べると、ふたまわりほど大きなカイエンのボディーに気づく。

 なお、撮影したカイエン ターボは1538万円のプライスが付くが、3.6リッターV型6エンジンの「カイエン」なら6速MTで748万円から。2011年には1092万円の「カイエン ハイブリッド」も国内導入予定である。

カイエン ターボは一見してポルシェと分かるデザインのSUV。単体では分からないが、クルマのサイズは相当に大きい。カラーはソリッドの「サンドホワイト」
フロントまわりは大きなラジエータグリルが特徴。上から見るとポルシェらしいスポーティーさを、下から見るとグリルの大きさからクルマの力強さを感じるポルシェのエンブレムはボンネット中央にある
ヘッドランプはHIDを使ったプロジェクタータイプ。オートライト機能も備えるターンシグナルとポジションランプは同じ場所が光る。ターンシグナルはオレンジ色、ポジションは白色。フォグランプはバンパー下部にある
ポジションランプは白色LEDフロントウインドーミラーは電動格納式。リモコンキーの長押しで外部から畳むこともできる
ミラー下部にはウェルカムライト、右側にはカメラが備わるチルト/スライド式電動ガラスサンルーフを装備する
リアウインドーは従来モデルよりも傾斜があり、無骨さを和らげているカイエン ターボのバッヂはリアゲートに小さく装着
リアウインドーにもワイパーを装備テールライトはLEDで構成される。ターンシグナル、ストップランプ、スモールランプ、バックランプ、リアフォグランプ、すべてLEDの精悍な光で点灯する
ハイマウントストップライトはリアスポイラー一体ドアハンドルはボディー同色仕上げフューエルリッドはリッドの端をプッシュして開く。ドアロックに連動してロックがかかる
前後とも295/35 R21という大口径ホイールを履く。軽くて耐フェード性能の高いポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)はオプション装備
V型8気筒4.8リッターエンジンはフロントに縦置きされる
エンジンのフロントフード巨大なフロントグリルがあり、ボンネットまでの高さもかなりある
撮影車は左ハンドルモデルだが、右ハンドルモデルも選べる。下位グレードでは右のみの設定レザーインテリアのカラーは「プラチナグレー」。シートには小穴があいており、シートクーラーも装備
ダッシュボード中央はカーナビのモニターやエアコンの吹き出しを特徴的な造形でまとめているステアリングホイールにはサテライトスイッチなどはないコラム左側にはターンシグナルとクルーズコントロールレバーがある
パドルシフトは左がシフトダウン、右がシフトアップコラム右側にはヘッドライト/ワイパーのレバーがある
メーターは5連メーター。スピードメーターは左側で目盛が粗いが、タコメーター下にデジタル表示もある。左から2番目はマルチディスプレイシフトレバーと、その左右には独立のエアコンコントロールボタンやシートヒーター/クーラーのボタンがある
エアコンの左右共通の操作ボタンと、ハザードなどのボタンはシフトレバーの奥にあるシフトレバー手前には、サスペンションや駆動系のボタンが並ぶ。レバーは左がデフロック、中央のボタンがダンパーの堅さ、右のレバーが車高。下は横滑り防止装置やPHC(ポルシェ・ヒル・コントロール)のボタン
カーナビはインテリアカラーに合わせたクラリオン製のものが装着されていたHDDカーナビはフロントパネルが開閉し、CDやDVDなどの挿入が可能
カーナビはFM-VICSやビーコンなども装備する
ラジオやCD/DVD、メモリーカードの各ソースの再生が可能。音声入力にも対応
ヘッドライトスイッチは回転して操作するタイプ。フォグはスイッチを手前に引く。パーキングブレーキは電子式運転席ドアのパワーウインドースイッチ。4枚のウインドーの開閉のほか、ミラーの調整や格納、リアゲートの操作ができるルームミラーには液晶画面が埋め込まれており、右ミラー下のカメラ映像を表示しておくことができる
オーバーヘッドコンソールには室内灯のほか、チルト/スライド式電動ガラスサンルーフの開閉スイッチなどがある。エアコンの温度センサーもここにあるバイザー裏のミラーは左右に装備する
バイザーは2重になっており、サイドとフロントの日よけとして同時に使えるカップホルダーとシガライターソケットがシフトレバー手前にあるセンターコンソールの肘掛を持ち上げると収納スペースが現れる
灰皿も装備パワーシートのスイッチはシートの横にあるドアにはBOSEサウンドシステムのスピーカーが装備される
リアシートの折りたたみは背もたれを前に倒すだけ。左右分割も可能
中央部分だけを倒すこともできる。アームレストとして使用する際は、カップホルダーも装備する
リアシートに独立で調整できるエアコンを装備エアコンの吹き出し口はBピラー部分にもある後席用のルームライト
リアドアには灰皿も装備する
ラゲッジスペースは多彩に変化させることができる。巻き取り式のトレイを収納し、トレイを外し、シートを倒すことで広大なスペースが登場する
シートは左右分割で倒すことができる
ラゲッジスペース下にはサブウーファーを装備スペアタイヤはなく、パンク修理キットを搭載
リアゲートは電動クローズとなる。ボタンがゲート裏にあるゲート裏には収納スペースを用意
車高調整レバーを操作すると、メーター内のディスプレイに状態が表示される
車高を最高から最低まで変化させた様子。最低状態では走行は不可能。最高状態では悪路走破などで30km/hまでの走行が可能
各ホイールにセンサーが装着されているおり、タイヤの空気圧を表示できる現在の燃料でどれだけ走れるか、航続可能距離が表示できる右コラムのレバーで、表示や設定の操作が可能
エンジンオイルの量もここでモニターできるトリップメーターは、時間や平均速度も表示でき、全体や設定区間の表示ができる
速度リミッターの設定半ドア警告は開いたドアが図示される
電子制御ダンパーの設定を変えると状態を表示する
デフのモードを変更すると状態を表示する
PHC(ポルシェ・ヒル・コントロール)を入れると、左下にPHCの表示がされる横滑り防止などのPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)を解除すると画面に表示される

写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也 /Photo:富樫秀明)
2010年 11月 18日