写真で見る日産「セレナ」


 新型セレナがいよいよ11月29日に発売される。デザインの刷新やユーティリティの向上などのほか、5ナンバーの限られたサイズのなかで居住性も一段と高まった。

 20S、20X、20Gのボディーサイズは、4685×1695×1865~1875mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2860mm。これは先代モデルの20S、20Gと比較して、5mm短く、25mm高いスペック。

 一方、室内寸法は先代モデルよりも300mm長く、10mm広く、25mm高い3060×1480×1380mm(室内長×室内幅×室内高)となる。ニールームは先代モデルと同等ながら、ヘッドスペースは1列目で10mm、2列目で22mm、3列目で9mm広くなった。

 また、サードシート格納時のラゲッジルーム長や、サードシート格納およびセカンドシートスライド時のラゲッジルーム長は先代モデルと同等サイズとしているが、ラゲッジルーム高は30mm拡大し、より背高な荷物の収納が可能になっている。

 全高が高くなった分、ガラス面積が広がったことも変更点の1つ。とくにフロントガラスの面積は先代モデルよりも0.14m2拡大されたほか、フロントサイド(三角窓)も0.08m2広がったことで、より開放感を得られるとともに運転のしやすさにも寄与する。数値で見るとさほど変わらないように見えるが、実車を見るとガラス面積が広くなっていることにすぐに気づく。

グローバルデザイン本部 プロダクトデザイン部 プロダクトチーフデザイナー(PCD)大月圭介氏

 エクステリアデザインについて、同社のグローバルデザイン本部 プロダクトデザイン部 プロダクトチーフデザイナー(PCD)大月圭介氏に聞いたところ、新型セレナのデザインコンセプトは「カプセルキャビン」とし、シンプルで軽快、それでいて張りと強靱さを強調し、これまでの箱形デザインから脱却することを意識したと言う。その一方で従来型のセレナが持つフロントまわりの水平ライン、リアまわりの垂直ラインを継承することで「ちゃんとセレナと分かるデザインにした」(大月氏)そうだ。

 特にボディーサイドの階段状のウエストライン、斜めに切れ上がるDピラーなどは、これまで以上にデザイン性を重視したもので、ウエストラインについては「一筆書きをイメージした」(大月氏)との紹介もあった。

 インテリアもさまざまな改良が加えられており、新型セレナでは吸音天井を採用し、先代セレナよりも大幅に吸音率を高めたと言う。また、燃費性能を高めるアイドリングストップ機構は、停車中の静粛性向上にも寄与する。これらによって、家族間のコミュニケーションも取りやすくなるわけで、大月氏の言葉を借りれば「お父さんがいかに楽しく運転できるかということを考えた」とのコンセプトどおりの仕上がりをみせる。

 パワートレーンは全グレードとも直列4気筒2リッターDOHC 直噴ガソリンエンジン「MR20DD」で、最高出力は2WD(FF)モデルが108kW(147PS)/5600rpm、4WDモデルが106kW(144PS)/5600rpm、最大トルクは2WDモデルが210Nm(21.4kgm)/4400rpm、4WDモデルが207Nm(21.1kgm)/4400rpm。

 エントリーグレードの20Sを除く全グレード(20X、20G、ハイウェイスター)にアイドリングストップ機構を備える。

 今回撮影したのはハイウェイスター(2WD)で、ボディーカラーはオーロラモーヴ、インテリアカラーはブラック。

ハイウェイスターのボディーサイズは4770×1735×1865mm(全長×全幅×全高)。写真からもガラス面積が広く取られていることが分かる。撮影車のハイウェイスターはフロントグリル、フロント/リアエアロバンパー、サイドシルプロテクターなどを専用装備
フロントグリルを中心に、随所にメッキの加飾を施される。ハイウェイスターはフォグランプを標準装備
直列4気筒2リッターDOHC 直噴ガソリンエンジン195/60 R16サイズのタイヤに16インチアルミホイール(16×6J)を装備。標準グレードの20S、20Xは195/65 R15にホイールカバーを、20Gは195/65 R15に15インチアルミホイールを装備するドアミラーはサイドターンランプが埋め込まれる
メッキタイプのアウトサイドドアハンドル。2列目ドアはワンタッチで開閉可能なスイッチがオプションで用意される縦長のテールレンズを装備テールゲート右側に「Highway STAR」のロゴ。その下にエンジン進化型エコカーを表すPURE DRIVEエンブレム
インストゥルメントパネルは艶のあるフィニッシャーが与えられるほか、アッパーマウントメーターを採用するなど、品質感のあるデザインが施されるトランスミッションは全車CVTを採用。ハイウェイスターはプッシュエンジンスターターを標準装備する
ステアリングはオーディオコントロールやクルーズコントロールのON/OFFスイッチを備える
マルチグラフィックアッパーメーターは、左からタコメーター、スピードメーター、メーター内ディスプレイ、燃料計、エコ運転を促すECOメーターを表示する瞬間燃費と平均燃費を同時に表示できるECOメーター。車速に応じてアクセル開度を表示するエコドライブナビゲーター機能や、アイドリングストップ時間のアニメーション表示(写真右)も可能タコメーターはマルチグラフィックアッパーメーターの左側にある
アイドリングストップ機構やVDC(横滑り防止機構)のON/OFFスイッチは、運転席左下に備わるマルチグラフィックアッパーメーターの下には収納がある運転席右側のアッパーボックスを開くと、ETC車載器が現れる
助手席側のアッパーボックスとグローブボックスを開いたところ大型パノラミックルーフは、紫外線の約90%を遮断するUVカット断熱機能付で、挟み込み防止機構付の電動ワンタッチ格納式シェードも装備する従来モデルが採用していたモニターに比べ、約1.6倍も拡大した11インチ大型ワイドモニター後席エンターテイメントシステムは、20Gとハイウェイスターのみ装着可能
シートカラーはハイウェイスター専用色で、ジャガード織物とトリコットの組み合わせ
アームレストは運転席/助手席に備える(写真中)。1列目にスマートマルチセンターシートを持ってくることも可能(写真右)
スライドドアの開口部は従来モデルと同等ながら、開口高は8mm伸びたことでさらに乗降性が高まった。シートアレンジによって3列目へのアクセス性もよい
アームレストやテーブルとしても使えるスマートマルチセンターシートは、1列目と2列目間を移動させることができる。この装備により、8人乗りでありながらもウォークスルーを可能にしている
3列目は2名乗車となる
3列目は5:5分割可倒式を採用
3列目シートの可動機構にリンク機構とガスステーを採用しており、3列目の格納は容易に行うことができる。また、格納位置は従来モデルよりも175mm低くなったことで、ウインドーが隠れないため車内を明るくできた。あわせて、高い位置にハンドルがある自転車などの積み下ろしも容易になっているトランクスペース下は1250×440×235mm(幅×奥行き×高さ)の容量があるラゲッジアンダーボックスを備える。B型ベビーカーや9インチゴルフバックを横置きで積載できると言う
メーター内ディスプレイは平均燃費、走行時間/平均車速、航続可能距離、アイドリングストップ時間/節約燃料などの表示が可能
地デジ内蔵・HDD方式のカーウイングスナビゲーションシステム。ナビ協調機能のON/OFFやBluetoothの設定、オーディオ設定ができる
駐車時の運転をサポートするアラウンドビューモニターは、画面と音声で駐車手順を教える駐車ガイド機能、あらかじめ登録しておいた地点に停車すると、自動でフロントワイドビュー画面を表示するナビ連動フロントワイドビュー機能、フロント/リアそれぞれで左右約180度まで確認できるフロント/リアワイドビュー機能などを備える

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(編集部:小林 隆 Photo:中野英幸)
2010年 11月 29日