写真で見るBMW「6シリーズ クーペ」


 ビー・エム・ダブリューは新しい6シリーズの「クーペ」を8月に発売した。オープンボディーのカブリオレはすでに登場しており、クーペモデルはカプリオレから約半年ほど後になっての登場となった。

 ロングノーズ&ショートデッキかつワイド&ローな基本的デザインは、カブリオレと共通。ほぼ垂直に立ったキドニーグリルや、左右に流れるような丸型4灯のヘッドランプなども共通だが、ヘッドランプにLEDを採用してスモール・ライト・リングが一部円形でなくなるなど、フロントのイメージは先行したカブリオレとはやや趣が異なるものとなっている。

 ボディーサイズは4,895×1,895×1,370mm(全長×全幅×全高)で、撮影した650iクーペの重量は1,910kg。カブリオレよりも全高が5mm高くなるが、重量は約100kgほど軽くなっている。

 大きめのボディーサイズではあるが、後輪操舵を組み合わせたインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを装備しているため、大柄なボディーをあまり意識することなく運転できる。インテグレイテッド・アクティブ・ステアリングは60km/h未満でハンドルを切ると、後輪が逆方向に角度を付けて転回をサポートするシステム。とくに2,855mmと長いホイールベースにも関わらず、内輪差が少なくなったように感じられる。

 クーペでは2モデルが用意される。1つは撮影車である650iクーペで、エンジンはV型8気筒4.4リッターツインターボエンジン。最高出力は300kW(407PS)/5,800rpm、最大トルクは600Nm(61.2kgm)/1,300-4,500rpmを発生する。エンジンパワーは電子油圧制御式8速ATを介して後輪に伝えられる。もう1つは直列6気筒 DOHC 3.0リッター ツインスクロールターボエンジンの640iクーペ。

 エンジンは直噴と吸排気可変バルブ・タイミング(ダブルVANOS)を備え、ブレーキ時に発電機で電気に変換してバッテリーを充電するブレーキ・エネルギー回生システムも搭載する。なお、アイドリングストップは640iに搭載するが、650iには搭載されない。

 650iクーペの価格は12,350,000円。撮影車はBMWナイト・ビジョン、レーン・ディパーチャー・ウォーニング、レーン・チェンジ・ウォーニングなどをまとめた「イノベーション・パッケージ」(650,000円)などが装備される。

6シリーズクーペ。先に登場したカブリオレと同様にワイド&ローのデザインだ
垂直に立ったキドニーグリル
クリルの上にエンブレムのあるデザインは不変だグリル内にはカメラがある
長いノーズの先端にエンブレムが設置される
ヘッドランプはLED
ターンシグナルランプやドライビングランプもLEDとなる
大きく傾斜したフロントウインドーワイパーはフラットタイプでアームも空力を意識したデザイン650iには半ドアから自動でドアを引き込むソフト・クローズ・ドアが標準装備される
側面のターンシグナルランプはフェンダーにあり、メッキパーツと一体になっているフロントタイヤの前側にサイド・ビュー・カメラがあり、左右確認をサポートする
サイドミラー下側にもカメラを設置。室内では車両周辺を真上から見たように画像を合成して表示するトップ・ビュー表示を確認できるミラーの内側に車線変更時の接近車を警告するレーン・チェンジ・ウォーニングがある燃料は無鉛ハイオク
グラスルーフは持ち上がり、換気を行えるルーフラインはクーペならではの美しいもの
BMWのL字型コンビネーションランプを踏襲しつつ、ワイド&ローな印象を持たせている
リアのライト類もLEDを多用したものとなっているハイマウントストップランプはリアゲートに内蔵
リアビューカメラはBMWエンブレム内に内蔵するグレードのバッヂ
エキゾーストパイプは左右出しマフラーエンドの中に2本のパイプが見える
V型8気筒4.4リッターツインターボエンジンはカバーに覆われている
タイヤは前後でサイズが異なり、フロントが245/40 R19、リアが275/35 R19
ピラーレスのフロンドドアは、ドアが開く際にウインドーがわずかに下がるスカッフプレート近年のBMWに共通するシンプルなコクピット
スイッチ類はステアリング回りに集中シフトレバー周辺には電子式パーキングブレーキのスイッチやサスペンションの調整ボタンがあるインテリア・トリムは複数から選択可能で、写真はアルミ・トリムとなる
ステアリングの右側にオーディオやハンズフリー、左側にクルーズコントロールの操作ボタンがあるコラム右側はワイパーの操作レバーとなるメーター下側はマルチディスプレイとなっており、さまざまな情報表示ができる
フロントウインドーに反射して情報表示するBMWヘッドアップ・ディスプレイを装備。速度だけでなくナビゲーション情報も表示するリモート・コントロール・キーを標準装備。複数あればキーによって設定が変わるパーソナル・プロファイル・メモリー機能がある
ペダルは2ペダル。オルガン式の大きなアクセルペダルヘッドランプスイッチはダイヤル式。フォグやリアフォグがプッシュ式なのもBMW伝統。ヘッドアップディスプレイの操作はその下のボタンスイッチで行うヘッドアップディスプレイの投影部はメーターの上にある
シフトレバーとiDriveの操作ダイヤル。右横のボタンを押しながら手前に引くとドライブ。Pのボタンを押すとパーキングだ大型の液晶ディスプレイがあり、その下にエアコン、オーディオなどの操作がまとまっているフロントウインドーのルームミラーが位置するあたりにもカメラを装備。レーン確認などはこちらのカメラの映像が使われる
インテリアカラーは選択可能パーキングブレーキレバーはなく、大型のセンターアームレストを装備するアームレスト内には収納スペースとオーディオのAUX入力がある
グローブボックスドアにスピーカーを内蔵。オーディオはバング&オルフセン製ダッシュボードセンター上にもスピーカーを搭載し、オーディオONでせり出してくる
ダコタ・レザー・シートを標準装備するが、撮影車はアイボリー・ホワイトのエクスクルーシブ・ナッパ・レザーシートを装着している
グラスルーフの透明度は高く、シェードで光を遮ることもできるリアシートは2名乗車となるリアシートのヘッドレスト裏にスピーカーを配置する
トランクルームは奥行きがある。長尺物を搭載できるトランクスルー機能「スルー・ローディング・システム」はオプションで選択可能トランクルーム内にバッテリーがある
メーター下はさまざまな情報表示エリアとなっており、タコメーター下のモニターでラジオの放送局表示やハンズフリーの表示ができる
スピードメーター下は瞬間燃費計をアナログ表示するほか、燃費や航続距離などを表示する
カレンダーやクルーズコントロールの表示もできる
グリル内のカメラ映像によるナイトビジョンもオプションで装備できるVICSも装備したカーナビシステムiDriveコントローラーでラジオの選局が可能
外部入力も豊富。AUX入力もここで選択するテレビの地上デジタル放送の受信も可能テレビ番組表も表示する
オーディオの入力切替クルマの説明書もこの画面から閲覧できる車両ステータスの表示。オイルレベルのチェックも車内でできる
カメラ映像の画像処理により、上空から見たような表示が可能前方に障害物があると警告が出る
リアビューカメラはステアリング位置によって予測を表示フロントタイヤハウスの前にあるサイド・ビュー・カメラで左右を確認できる

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2011年 12月 22日