写真で見る「ジャガー XF(2012年モデル)」


 ジャガーXFは、現在のジャガーのラインアップではもっともローエンドとなる大型セダン。2009年にデビューしているが、2012年で大きくフェイスリフトを受けた。フロントの特徴はヘッドランプ形状の変更で、従来は円形を強調した形だったが2012年モデルはXJに似た“細目”に変わり、白色LEDによるポジションランプで“J”の字を表す「Jブレード」としたこと。

 テールランプはLEDをより多く採用したタイプとなり、形状もわずかに変更を受けたほか、点灯時のランプ形状が大きく変わり、より個性的な点灯パターンとなった。

 インテリアでは、XFの特徴でもあるエンジンONで開くエアコンのルーバーやシフトダイヤルのせり出しなどはそのままに、細かなデザイン変更を受けている。運転席に座るとすぐ分かるのがメーターパネルのデザイン変更。2連のアナログメーターとマルチディスプレイを中央に配置するのは変わらないが、ディスプレイの表現力が上がり、アナログメーターのカラーリングを変更、より現代的な印象のものとなっている。

 フロントエンジン・リアドライブのメカニズムに大きな変更はない。エンジンラインアップはV型6気筒3.0リッターとV型8気筒4.0リッター、スーパーチャージャー付きV型8気筒4.0リッターの3タイプで、電子制御6速ATという組み合わせはそのまま。2012年モデルでは、新型のディーゼルエンジンと8速ATを搭載したニュースもあるが、どちらも日本市場には導入されない。

 なお、ローエンドとは言え、ボディーサイズは大型そのもの。4,975×1,875×1,460mm(全長×全幅×全高)で、5mに迫る長さと1900mm近い横幅の大きさが際立っている。V型6気筒エンジン搭載車の重さは1,750kg。

 撮影車はV型6気筒3.0リッターエンジンを搭載する「XF3.0 プレミアム ラグジュアリー」で、価格は6,940,000円。これにエアロダイナミックパック、ガラスサンルーフ、20インチホイール、スポーツインテリアパック、Bowers & Wilkins 1200Wプレミアムサウンドシステムなどのオプションを追加している。

撮影車のカラーはクリスタルブルー。ボディーサイズは4,975×1,875×1,460mm(全長×全幅×全高)
上下に薄くなった2012年モデルのヘッドランプ
外側にバイキセノンヘッドランプ、内側にターンシグナルランプを備える。下辺から側面端を通って上に折り返す「J」の字のポジションランプが特徴的
フロントグリルジャガーのエンブレムが付くボンネットのラインに変更はない
バンパーの左右にエアインテーク風のデザインがあしらわれるサイドパワーベントはメッキタイプとなる
大きく傾斜したフロントウインドー特徴的な形状をする左側のワイパーサイドミラーにターンシグナルランプを内蔵
ボディー同色のドアハンドルフューエルリッドは右側後方。燃料は無鉛プレミアムだルーフ後方にラジオなどのアンテナがある
ガラスサンルーフを装備するサンルーフが開くと前方に風防が立ち上がる
クーペライクなサイドウインドーリアウインドーも大きく傾斜している
テールランプはこれまでトランクリッド側の赤い部分は上側しかなかったが、2012年モデルから下側も赤くなった小さなリアスポイラーが付く
テールランプは「J」の字状で、縁が光る。リアフォグランプが備わるほか、ターンシグナルランプもLEDで点灯する
ハイマウントストップランプはリアトレイの上部にある低排出ガス車の認定シールトランクリッドに左右に伸びたメッキラインがある
トランクリッドにジャガーのリーピングキャットのマークがある車名のXFのロゴは左側にある
エキゾーストパイプは左右2本出し。ディフューザー風のバンパーデザインとなっている
XF3.0 プレミアム ラグジュアリーに搭載するV型6気筒エンジンは最高出力179kW(243PS)/6,800rpm、最大トルク300Nm/4,100rpmを発生ホイールはオプションの20インチ、タイヤサイズは前後とも255/35 R20
インテリアカラーはバーレイFRレイアウトのため、センタートンネルに高さを感じるシンプルだが上質感を感じられるコクピット
ステアリングにはオーディオやハンズフリー通話の操作やクルーズコントロールの操作スイッチがある助手席側から見ても操作系はシンプルに見えるステアリングにパドルシフトが備わる
ステアリング中央にあるジャガーのマークペダルはメッキタイプセンターコンソールには電子的なシフトレバーのダイヤルや、パーキングブレーキの電子スイッチがある
メーター周り。左右にアナログメーター、中央にマルチディスプレイという配置ダッシュボード中央に液晶モニターが装備され、カーナビだけでなく空調の操作や表示もここで行う液晶ディスプレイ下には左にオーディオ、右に空調の操作スイッチがある。基本操作は画面を見て行うのでスイッチはシンプルで分かりやすい
シフトレバーは丸いツマミを回す「JaguarDriveセレクター」。エンジンONとともにせり上がり、OFFで収納される
空調の吹き出し口のルーバーはエンジンOFFで電動で蓋がされる
明るい色のレザーシートドア内側もシートカラーと同色キッキングプレートには「JAGUAR」のロゴが入る
ルーバー周りの表面は金属製ドアにはスピーカーやパワーウインドーのスイッチがあるパワーシートのメモリーボタンもドア側に用意される
すっきりとシンプルなダッシュボードサンルーフを開放すれば、室内はさらに明るくなるバイザー裏にミラーと照明を装着する
室内灯の操作は光る部分に直接触れることで行う。サンルーフの操作やリアシェードの操作はここで行うグローブボックスセンターコンソールの収納。オーディオはAUXやUSB、iPodの入力があり、最近のポータブルオーディオに対応する
ダッシュボード上にスピーカーが装備されるキーはワイヤレス式。エンジンスタートボタンはシフトダイヤルの上にある
撮影車のシートはスポーツインテリアパッケージのもの
リアシートアームレストにカップホルダーがあるレッグスペースはあまり広くない
ルーフを開くとリアシートの開放感も高まるリアシート側にエアコンの吹き出し口やトレイ、DCソケットが備わる
リアトレイには電動で立ち上がるシェードが備わるトランクリッドは垂直に近い状態まで開く
リアシートは分割可倒式で、シートバックを倒すことでトランクに長尺物を搭載できる
上下の高さはあまりないが、奥行きはある下にはスペアタイヤが格納される。非常用タイプで、ジャッキなども積まれている
メーター内中央にはマルチディスプレイが備わる。以前よりも解像度が増し、表現力が高まった平均燃費を表示速度を数値で表示
ドアが開いていることを図で表示する起動時はジャガーのリーピングキャットが一瞬表示される
カーナビ画面。2画面表示やVICSビーコンにも対応エアコンの操作や状態表示も画面で行うBluetoothによるハンズフリーにも対応する
地デジ放送に対応iPodの接続にも対応するフロントシートヒーターの操作も画面で行う
VICSによる交通情報も表示できる画面はダイヤルやタッチパネルで操作可能。英国車だけに右ハンドル向きのデザインになっているリアビューカメラにはステアリングの予想コースが重ねられ、障害物を赤で表示する

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(正田拓也/Photo:鈴木広一郎)
2012年 1月 5日