写真で見る トヨタ「カローラ アクシオ」 |
トヨタ自動車の「カローラ」は1966年の誕生以来、日本を代表するコンパクトセダンとして進化を遂げてきた。2000年にデビューした9代目モデルからワゴンに「フィールダー」の名前が付けられたのに続き、2006年登場の10代目モデルからはセダンにも「アクシオ」のサブネームが追加となった。
この5月にフルモデルチェンジを果たした11代目は、原点回帰を果たすべく「ビッグスペースコンパクト」をコンセプト据えた。基本となるテーマは「大人4人が安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマ」というもので、快適な居住空間と広々とした運転視界、走行性能および燃費の向上を目指して開発されている。
グレードは1.5リッターモデルが最上級の「1.5 LUXEL(ラグゼール)」をはじめ「1.5G」「1.5X」の3タイプ。1.3リッターモデルは「1.3X」のみだが、装備を充実させた「1.3X “G EDITION”」が用意されている。また、1.3Xと1.5Xには装備を簡素化した“ビジネスパッケージ”もラインナップ。価格は135万7500円~208万9000円。
今回の「写真で見る」では最上級グレードとなる「1.5 ラグゼール」を中心に、この新型カローラアクシオを紹介していこう。撮影車両のボディーカラーは、イメージカラーとなるメローシルバーメタリックだ。なお、ワゴンタイプとなるカローラフィールダーについては、関連記事を参照していただきたい。
■エクステリア
ボディーサイズは4360×1695×1460(1485、4WD車)mm(全長×全幅×全高)と先代より全長が50m短縮された。それに伴い、最小回転半径も5.1mから4.9mになるとともに、フロントウインドー形状の工夫やAピラーの細幅化、ドアミラー装着位置の変更などにより、市街地など狭い場所での取り回しが大きく向上している。
セダンらしいスッキリとしたエクステリア。数字上は全長が50mm短縮されているが、見た目にはボリューム感があり大きく見える造形となっている |
こちらは1.3リッターの1.3X G EDITION |
先代はヘッドライトとグリルが独立していたが新型は連続したデザインに。ヘッドライトの厚みが抑えられたこともあってシャープな印象になった | フロントグリルはラグゼールが縦桟、それ以外は横桟タイプとなる。中心にはカローラ専用のエンブレムが配置される |
ターンシグナルランプ内蔵のカラードドアミラーは全車に標準装備。ラグゼールはリバース連動&オート格納機能付でヒーターも内蔵。1.5Gはヒーター付、1.3X/1.5Xは電動格納のみとなる | Aピラーの付け根とリアコンビランプに「エアロスタビライジングフィン」を用意。車体の走行安定性を向上するためのもので、F1からフィードバックされた技術だ |
グリップアウト式のドアハンドル。全車カラードタイプだが、1.3X/1.5X以外にはメッキのアクセントが付く | 燃料は1.5リッター、1.3リッターともにレギュラーガソリン仕様。燃料タンク容量は42L |
リアワイパーは全車オプション | トランクリッド左側には車名のバッヂが付く |
右側にはグレードを示すバッヂ。アイドリングストップ機構を追加すると専用のバッヂも付く |
ラグゼールにはHIDプロジェクターヘッドランプを含む「HIDビューアシストパッケージ」が標準。そのほかのモデルはハロゲンタイプ |
ラグゼールはフロントフォグランプも標準。それ以外は販売店装着オプション | ハイマウントストップランプはLEDタイプ。リアフォグランプはバンパー埋め込み式で全車オプション |
リアコンビランプの点灯パターン |
■パワートレイン
フィールダーには1.5リッターに加え1.8リッターが用意されていたが、アクシオは1.5リッターと1.3リッターの組み合わせ。価格的な面も含め、より実用性を強めた格好だ。
1.5リッターの「1NZ-FE」はフィールダーに搭載されるものと同じ、直列4気筒のガソリンユニット。可変バルブタイミング機構「VVT-i(Variable Valve Timing-intelligent)」の採用に加え、新開発の「Super CVT-i」との組み合わせにより、JC08モードで20.0km/L(2WD、1.5Xなど)と、ハイレベルの燃費値を獲得している。さらにオプション設定されているアイドリングストップ機構「スマートストップ」を装着すれば、21.4km/Lまでアップする。
FF車には5速MTモデルも用意されているが、こちらは18.0km/Lと1割落ち。また、4WD車はCVTのみの設定となり16.4km/L(1.5 LUXELは16.0km/L)と2割落ちの数値だ。
久々の復活となる1.3リッターの「1NR-FE」は、直列4気筒のコンパクトなユニット。吸気・排気共に作用する可変バルブタイミング機構「Dual VVT-i」を採用することで、70kW(95PS)/121Nm(12.3kgm)のパワー&トルクを発生しつつ、燃費も1.5リッターを上回る20.6km/Lを実現。ただし、こちらにはアイドリングストップ機構が設定されないため、燃費面では1.5リッターのFF&CVT車にオプションのアイドリングストップを組み合わせるのが最良となる。
1.5リッターの1NZ-FEエンジン。スペックは最高出力80kW(109PS)/6000rpm、最大トルク136Nm(13.9kgm)/4800rpm。5速MT車は若干スペックが異なり圧縮比が11.0から10.5に下げられるとともに、最大トルク138Nm(14.1kgm)/4400rpmとなる | アイドリングストップ付車は燃費基準が+10%。排出ガス基準は全車共通で75%低減レベル |
1.3リッターの1NR-FEエンジン。スペックは最高出力70kW(95PS)/6000rpm、最大トルク121Nm(12.3kgm)/4000rpm | 1.5リッター、1.3リッターともにFF&&CVT車はエコカー減税の対象車 |
バッテリーサイズはこのクラスのクルマとしては大きめの60Aクラス。アイドリングストップ付車は専用タイプ |
ラグゼールと1.5Gにオプション設定されるアルミホイール。タイヤは175/65 R15 | 1.5リッター車はこの樹脂ホイールキャップ仕様が標準。タイヤは175/65 R15となる | 1.3リッター車のタイヤは175/70 R14。こちらも樹脂ホイールキャップ仕様 |
■インテリア
ボディーサイズを小型化したものの、リアシートの膝前スペースは40mm拡大することで、居住性を向上。快適性の面でも「ナノイー」付オートエアコンやベンチレーション&ヒーター付シート、リバース連動機能付電動格納式リモコンドアミラーなど、高級車並の快適装備を備えた。また、木目パネルやファブリックを貼り込んだ内張を採用するなど、上質感を際立たせる演出も随所に施されている。
ラグゼールのインストルメントパネルはファブリックや木目パネルなどを使用することで上質感をアップ | ラグゼールのステアリングは本革巻きの4本スポークタイプ。オーディオやメーター内のディスプレイ表示きりかえ用スイッチも装備 | ラグゼール以外はこちらの3本スポークタイプ。1.3X/1.5Xはウレタンタイプでシルバー塗装とステアリングスイッチがないタイプになる |
チルトステアリングは全車に標準採用。1.3X/1.5X以外にはテレスコピック機能も付く | ラグゼールのメーターパネルは平均燃費や航続距離などの表示が可能なマルチインフォメーションディスプレイ付。表示内容は「写真で見る カローラフィールダー」を見てほしい | 1.5Gと1.3X “G EDITION”はドライブモニター付のメーター。1.3X/1.5Xはタコメーターと燃料系のないシンプルなタイプが付く |
ドライブモニター表示。こちらも平均燃費や航続距離、オド、トリップなどの表示が可能 |
ラグゼールは本革巻き&木目調のシフトノブを採用 | G系のシフトノブは本革巻き、X系はウレタンとなる | ラグゼールの運転席にはベンチレーション&ヒーター付シートを採用。背もたれと座面に設けられたファンによるベンチレーションは快適だ。その上はVSCとアイドリングストップのスイッチ |
サイドブレーキはウレタンタイプ。その横にはアクセサリーソケットを用意 | ペダルまわりはシンプルな作り | トランクとフューエルリッドのオープナーはトヨタの標準位置に |
オーディオは全車レス仕様でラグゼールとG系は4スピーカー、そのほかは2スピーカー。写真のナビゲーション「NSLN-W62」はディーラーオプション | X系以外にはオートエアコンが標準。ウイルスや菌の抑制、脱臭効果のある「ナノイー」を発生させる機能も搭載。X系はマニュアルエアコンで操作もダイヤル式になる |
ラグゼールにはスマートエントリー&スタートシステムが標準。スターターもプッシュ式だ | 助手席前にはアッパーボックスとグローブボックスを用意 |
内装色はラグゼールとX系がベージュまたはグレー、G系はブラウンまたはグレー。ファブリックの表皮はグレードごとに異なり4種類設定される |
HIDビューアシストパッケージには自動防眩ミラーもセット | 同パッケージには周囲の明るさを検知しハイ/ロービームを自動で切り替えるシステムを用意。ミラー裏にはそのためのカメラが付く | サンバイザー裏にはバニティミラーを用意。ラグゼールとG系は照明付 |
ラグゼールのセンターコンソールボックス。アームレスト部分はスライド式で表皮はファブリックと豪華仕様。内部にはトレイも用意 |
ラグゼール以外はこちらのタイプ。サイズは同じだがトレイがないタイプになる |
ラグゼールのフロントシート。シート表皮はラグゼールのみとなるダブルラッセル(グレー)。シート調整は手動式 | ダブルラッセルのベージュカラー | G系にはベロア調トリコット。こちらはベージュカラー |
フロントドアのアームレストにはパワーウインドウスイッチを配置。全ウインドーともオートタイプ。ラグゼールは木目調、それ以外はブラック | フロントにマップランプ、ルーフ中央にルームランプが備わる |
ラグゼールのリアシート。居住性はボディサイズから想像するより良好だ | 6:4分割可倒式でトランクスルー機構も備わる | トランクのフロア下にはパンク修理キットと工具を収納。スペアタイヤはオプションだ |
リアシートのヘッドレストはラグゼールのみ調整式で、それ以外は一体型。X系はアームレストも未採用となる |
トランクは最大幅1570mm、最大高565mmで471Lの容量を持つ。ラグゼールは6:4分割可倒式のため、長尺物の積み込みも可能だ |
■写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/
(安田 剛)
2012年 7月 25日