DIYでクルマいじり

NAOさんのDIYでクルマいじり

第28回:春の陽気に誘われてドライブしつつ、G'sパーツ流用ボディー剛性アップDIY パート2の巻

新型ヴェルファイアの超強化されたボディを念頭に置きつつ。強靱な精神は、強靱な肉体に宿る、と言うわけで先ずはドライバーがスタミナ補給!(笑)

新型に追いつけ追い越せ!ボディー強化パーツをさらに取り付けるぞ

 連載第26回でヴェルファイア20系G's仕様のサスペンションメンバーブレース補強パーツ(フロント用の一部とリア用)をDIY取り付けし、ポン付けにもかかわらず「明らかに体感できる」効果があったことはお伝えした通り。だが、先日登場した新型=30系ヴェルファイアは、スポット溶接個所の大幅増加、構造用接着剤の採用、その他多数のカイゼンによりさらにさらに素晴らしいボディー剛性とハンドリングに仕上がっていた。

 まあ、ピカピカの新型車と、10万km以上走行して何度もあちこち分解している筆者愛車を比べても意味がないのだが、新型の性能を知ることは旧20系のDIYにも役に立つ。今回は、G's仕様のフロントサスペンションメンバーブレース補強パーツの残りすべてを取り付けて、その効果を試してみたい。

気温18℃、ポカポカ暖かい春の陽気。今回もドライブがてら、トヨタ部品の総本山へ出かけてみた
混んでる混んでる。絶好のドライブ日和の土曜日ということで、蓮田SA(サービスエリア)の駐車場は満杯状態
ドライブといえばドラ飯でしょう。なにを食べようかな……
今回は「埼玉加須 松村牧場 香り豚手付ロースカツ定食」に決定。甘みのあるジューシーな肉質、美味しかったです!
トイレとレストランを利用するだけで無く、サービスエリアにはさまざまな展示物・施設がある。たまにはゆっくり観てみたい
「行く春や 鳥啼き魚の 目は泪」 春が過ぎ去るのを惜しみ、鳥も魚も目に涙を浮かべるという芭蕉の句。筆者も今年は花粉症がひどく(略

パーツを受け取るついでに、古墳に立ち寄ってみた

 トヨタ純正部品は近所のディーラーにひと声掛けるだけで早ければ翌日には届き、配送手数料も無料。筆者もちょくちょく便利に利用させてもらっているのだが、どーしても当日欲しい!という場合はトヨタ部品共販のセンターに電話予約の上で当日受け取りすることもできる(ただし、部品共販センターはあくまで業者向けであり、車両への適合問い合わせなどは基本的に受け付けていないため、事前に自分でしっかり確認した上で型番を指定して注文する必要がある)。

 先日、G's用サスペンションメンバーブレース補強パーツを受け取りにトヨタ部品共販埼玉の本部まで走った際に、名所旧跡を案内する道路標識がずいぶんたくさんあった。自宅から小一時間ドライブするだけで、知らないことだらけ。いや~、旅って楽しいなぁ。そういえば「トラベル Watch」(http://travel.watch.impress.co.jp/)新創刊ですね。皆さんご覧になりましたか? と、ちょっと宣伝しつつ(笑)

またまた来ました、トヨタ部品埼玉共販の行田センター。今日もモノズキな一般客は筆者だけだった
思い立ったら即行動!せっかくパーツを当日受け取りしたのだが、想定よりボルトが多く必要だったため、結局馴染みのディーラーに注文することに
「さきたま古墳公園」という標識を何度か見かけて気になっていたので、立ち寄ってみた
現在埼玉県民の筆者ではあるが、出身地ではないので郷土の歴史など実はよく知らない。こんなに古墳があるのか……
梅は咲いたか、桜はまだかいな
こんもりとした丸い山が。もしかして、これが教科書で見た古墳なのか!
あちらにはピラミッド型の山が。あれも古墳なのか!(初体験でちょっと興奮気味)
のり面には菜の花が咲き、とってもよい香り。蝶々もたくさん飛んでいた
丸墓山古墳と忍城、か。ふむふむ。考古学には全く明るくないのだが、なんとなく分かったような気分に
そうそう、この形、前方後円墳だったっけ。昔習ったなぁ
なんと、日本最大の円墳だったとは。自宅から約1時間の場所なのだが、正直全く知らなかった
なるほどね~。ちょっとドライブするだけでも多数の発見。旅って楽しい!
「さきたま」?
えっ、埼玉県名発祥の地とな?子供たちは小学校で習ったらしいが、他県出身の筆者は恥ずかしながら全く知らなかった
「埼玉(さきたま)交差点」発見! ちょっと視点を変えてブラブラするのも楽しいものだ

強化パーツを早速取り付け! 錆びたボルトは新品に交換しよう

 今日は天気がよいので、パーツを即日受け取りして即日取り付けしてしまおう!と思ったのだが、クルマをジャッキアップして馬に乗せて、インパクトレンチでボルトを取り外しはじめると……うーん、ちょっと劣化が気になるな。サビサビでダメダメという訳では無いのだが、せっかくバラすのに傷んだボルトで再取り付けというのも嫌なので、結局馴染みのディーラーにボルトを注文することに。自分と家族の命を預けるクルマなので、ここは焦らずシッカリ信頼性を確保したい。

 取り付け位置の把握ができたので、ボルト到着後の作業は手際よく進められた。たかだか数kgの鉄板パーツなのだが、クルマの下にもぐり込んだ状態で取り付けようとするとズッシリと重さを感じる。怪我と事故と腰痛に気をつけつつ、確実に取り付けを進めよう。

G's用フロントサスペンションメンバーブレースSUB-ASSY、品番 51403-WY040。左右それぞれに取り付けるため、同パーツが2セット必要
左がG's、右がノーマル。見た目以上に、G's用はガッチリズッシリしている。この場所のボルトは19mm
ノーマルSUB-ASSYの重量は0.8kg
G's用SUB-ASSYの重量は2.7kg。ノーマルより3倍以上重い分、高い剛性を確保してくれる、はず
左右のSUB-ASSYを接続するフロントサスペンションブレース LWR CTR、品番 53689-WY020。ノーマル仕様には影も形もない増設補強パーツだ
LWR CTRとは、何の略だろう? こちらの重量は2.1kg
新品ボルトも無事到着。ついでに新型ヴェルファイアのミニカーもゲットしたぞ(笑)
ちなみに17mmボルト(ダイレクト、品番 90119-12283)の重さは64gだった

泥道走行の後遺症と闘いつつも、作業は順調に進む

 先日、野暮用で田んぼのあぜ道のようなところを走行し、草ボーボーの空き地に駐車する機会があった。あるイベントの駐車場として誘導されたのだが、その際クルマの下回りに草や泥がかなり入り込んでしまったようだ。下回り洗浄はしたのだが、インパクトレンチでガガガガ!と衝撃を与える度に、土埃や草などがパラパラと顔に落ちてくる。顔と体全体で自然を感じつつ、引き続き作業を進めよう。

筆者はメガネを掛けているため、安全ゴーグルはメガネ対応の深型タイプとなる。若干邪魔くさいが、目を守ってくれる頼もしい消耗品だ
ジャッキ馬よし、パーツよし、ボルトよし、工具よし、スノコよし。安全点検と、助手への声かけも確実に(一人で下回り作業するのは危険です)
先日取り付けたばかりのフロントサスペンションメンバーブレースなのだが、いきなり泥だらけにしてしまった
ノーマル仕様のフロントサスペンションメンバーブレース SUB-ASSY。世界的に有名なネズミに若干似ているような気がしないでもない
ノーマル仕様では左右のSUB-ASSYを接続するパーツが何もない状態(銀色のパーツはペラペラの遮熱板)
長いボルトを抜くと、泥水がポタポタと落ちてきた。むむむ、先日のラフロード走行のダメージか。汚れを拭き取ってちょっと乾燥させよう
予想外の泥水ぽたぽた攻撃を受けた様子。安全ゴーグルを掛けていなかったら、目を直撃していかたも。くわばらくわばら
G's用フロントサスペンションメンバーブレース SUB-ASSYに換装。参考締め付けトルクは96Nm。年式・型式によって指定トルクが異なるので、作業の際は要確認
左右に取り付けたSUB-ASSYを、フロントサスペンションブレース LWR CTRで連結する。固定には17mmボルト(ダイレクト)が4本必要

期待しつつ試運転!あれれ??なんだか乗り心地がとてもわるいぞ……

 わくわく、どきどき。汗水たらしてDIY作業を終え、試運転に出かける瞬間はいつも楽しいものだ。脳内で効果を想像しすぎるとプラシーボ効果が128倍になってしまうので(笑)、できるだけ平常心を保ちつつ。とはいえ、前々回記事で取り付けたパーツは体感効果、快適性ともにバッチリだっただけに、期待が高まる。

 自宅駐車場を出て、まずは交差点へ。信号が青に変わり、ステアリングを切りつつ走り慣れた一般道を加速する。ステアリングの応答性、頭の入り方は確実によくなっている。よくなっているのだが、フロアから足下へ、シートからお尻へ、なんとも言えないワナワナとした嫌な振動が……。

 いつも騒音測定を行っている、荒れた路面の一般道を制限速度の60km/hで走ると、筆者としては完全に不合格レベルの嫌な乗り心地。うーん、これは困ったぞ。愛車ヴェルファイアのテーマは、あくまでも「走る快適静音電化リビング」であって、走りのためならNVHはどーでもいいぜ仕様とは対極にある。特定路面と特定速度で追加パーツが共振していると思われる異常な振動も感じられ、正直これでは大失敗と言わざるを得ない。

 いやはや、ガックリ肩を落としつつ、疲れも倍増しつつひとまず帰宅。そういえばノーマルSUB-ASSYにはゴムブッシュがあったのに、G's仕様には付いていなかったしなぁ。ホームセンターで耐候性の振動吸収ゴムを買って挟もうかなぁ。でもそれだと信頼性とか謎になっちゃうしなぁ。あーぁ、参ったなぁ……と走馬燈のように悩みが駆け巡りつつ、もう一度分解して作戦検討。

 ん?、G's用SUB-ASSYにもブッシュ取り付け用の穴が空いているぞ? 勘の良い読者ならもうお気づきのことだろう。そう、G's用SUB-ASSYもブッシュを取り付ける仕様なのに、筆者は何もなしの金属スーパーダイレクトジョイント状態で取り付けてしまっていたのだ(笑)。そりゃーおかしな振動も出る訳だ。

 クルマの下にもぐり込む作業、しかも足回り系ということで細心の注意を払って作業しているつもりだったのだが、まさかの確認不足をやらかしてしまうとは。より気を引き締めて、もう一度丁寧に作業をしなおそう(もー、花粉症め!!)。

小手先で対応しようとする悪い癖(笑)。試運転の帰り道、さっそく制振ゴムを買ってきてしまった
制振ゴムをくり抜いて、ボルト部分に挟み込めば……という妄想を実際にカタチにしてみたところ。もちろん、締め付けトルクや強度が謎仕様になってしまうのでオススメしない
ノーマル仕様のSUB-ASSYとボディーの間には、ゴムブッシュが入る仕様。右側に妄想の産物も一応置いてみた
このゴムブッシュ経由でボディーと接触していたのに、金属そのままで取り付けたら、そりゃー妙な振動も出るわけだ
こちら、ノーマル仕様専用だと勝手に思い込んでいたゴムブッシュ STOPPER, FR SUSP、品番 52216-28030
左がG's、右がノーマル。そう、ノーマルだけでなく、G's仕様にも同型番のブッシュが必要だったのですよ、奥さん(笑)
鉄板パーツが増えるということは、すなわち、制振ポイントが増えるということ。今回はカット済みの制振材(レジェトレックス相当品)を使用した
SUB-ASSYはズッシリ厚い鋼鉄製だが、叩くとコーンコーンと音が響くので制振剤を貼り付ける
ペタペタ、ゴシゴシ、装着完了。コーンコーンが、コンコンになったぞ
フロントサスペンションメンバーブレースの後ろ半分。上がG's仕様、下がノーマル仕様

これはいい感じ!乗り心地はキープしたまま、ボディー剛性確実UP!

 えー、先ほどは失礼いたしました(笑)。ブッシュ(ストッパー)を確実に取り付けて補強パーツを装着しなおし、改めて試運転へGO! ステアリングの応答性、コーナリング時のしっかり感は確実に向上しつつ、乗り心地はきちんと元通りのスムーズさに戻っている。これは快適、よかったよかった!

 一般道だけでなく首都高速も走ってみると、直進安定性の向上、レーンチェンジ時のスタビリティ向上など、こちらも分かりやすく効果を体感することができた。春のドライブシーズン真っ盛り。ボディー剛性強化パーツ、オススメですよ~!

メンバーブレース補強パーツを取り付けると、最低地上高が若干低くなる。ノーマルサスであれば問題無いが、車高調サスなどを入れている場合は保安基準適合の確認が必要
フロントサスペンションメンバー周辺補強が一通り完了。ますます愛着が沸いてきたぞ
と、言うわけで、改めまして試運転。首都高速の川口PA(パーキングエリア)に立ち寄ったということは……
筆者はカツ丼、助手はたぬきソバに舌鼓。DIY作業後のご飯は、いつにもまして美味しく感じる
本文と全く関係ないのだが、新型を見たせいか愛車ヘッドライトのくすみが気になったのでケミカル用品をゲット
付属のスポンジにシートを巻いてゴシゴシするといいらしい
ちょっと分かりにくいが、左上の部分などに白っぽい汚れというか、くすみがあるのが分かるだろうか
上半分だけ磨いてみたところ。写真では違いが分かりにくいが、上半分は新品状態のピカピカさになった

※クルマいじりは自己責任で。無理な改造は事故や故障、怪我の原因となる場合があります。もちろん、違法改造はやめましょう。

NAO

クルマいじりは電装系もエンジンも足まわりも何でもござれのNAOさん。現在の愛車はトヨタ「ヴェルファイア」。ドライブはもちろんアウトドアも大好きで、歴代愛車はどれも過走行状態に。純正のスタイルをできるだけ維持しつつ、家族がくつろげる快適さを追求するのがモットー。