オグたん式「F1の読み方」

2016年シーズンを振り返って

 前回はメルセデスAMGチームの話題があまりに多く、それだけに終始してしまった。今回は、前回できなかったメルセデスAMGチーム以外の2016年の終盤戦と2016シーズンを振り返ってみよう。

優れたドライバーと最高の車体だったレッドブル

 別格の強さを誇ったメルセデスAMGを除くと、レッドブルは最強のマシンとチームだった。ドライバーでは、スペインGPから加入したマックス・フェルスタッペンの活躍がとても光っていた。終盤戦でもブラジルGPとアブダビGPでの走りは特筆に値した。

 ブラジルでは雨で多くのドライバーがスピンやコースアウトするなかで、攻めた走りでの3位だった。ウェットでの速さを稼ぐために、セーフティカーラップ中にはさまざまなラインを取りながら、路面の濡れの少ないところも探っていた。レース再開になると、この濡れの少ないところをつなぐように走り、コーナーでは濡れが少なくよりパワーをかける時間を長くできるアウト寄りのラインで、わざと大回りしながらタイムを速くする方法もとっていた。ただ若さと勢いで速いだけでなく、とても知的な戦い方による速さだった。

 アブダビでは終盤の2-3-4位争いのバトルに加え、ルイス・ハミルトンのスローダウンなどさまざまな話題があったが、そのなかでもセバスチャン・ベッテルはみごとな戦いを見せていた。

 フェルスタッペンはとても印象に残る活躍を見せたが、このフェルスタッペンを上回っていたのがダニエル・リカルドだった。フェルスタッペンが212点でランキング5位だったのに対して、リカルドは256点でランキング3位。メルセデスAMG勢以外ではトップだった。今季のリカルドはとても安定して好成績を収めていた。21戦中20戦で入賞。そのうち表彰台はマレーシアでの優勝も含めて8回も獲得していた。堅実な速さと強さでリカルドは優っていた。

 この2人の活躍は、ドライバーの才能と2人の適度なライバル意識による切磋琢磨の結果であると同時に、レッドブルのマシン「RB12」のよさのおかげでもあった。

 RB12はまさにレッドブルらしいマシンだった。2カ月前にも少し記したが、空力性能に優れているおかげで、ウイングを立てて空気抵抗を増やすことを抑えながら、車体の底で生み出されるダウンフォースを大きく稼ぐことで必要なダウンフォースを確保していた。これはパワーで遅れをとったマシンにとって大きな利点になっていた。車体の底でダウンフォースをより稼ぐ方法の1つとして、「レイク」という車体を前傾させる方法がある。これでディフューザーをよりはね上げたのと同じような効果となり、より大きなダウンフォースが底面で得られるようになる。

 この方法はレッドブルが始めて、今では全チームが採用している。RB12はこのレイクをさらに強くしていた。車体を横から見ると、リアタイヤあたりの底面と路面との間により大きな隙間ができていることでも分かる。また、車検台でもRB12のレイク角がとても大きいことが分かったという。

 車検台では車体を中央部分で持ち上げて車体を正確に水平にしてから、各部の寸法(とくに高さ)を計測する。以前もレッドブルのマシンはレイクがついていたため、車体を水平にしようと持ち上げるとリアタイヤが車検台に当たってしまったことがあった。現在は全チームがレイクをつけているため、FIAの車検台もこのレイクに対応した高さを確保したものになっていた。ところが、RB12ではまたリアタイヤが車検台に当たってしまい、さらに持ち上げる高さを増さなければならなかったというのだ。

 このことからも、レッドブルはチームの伝統とも言える空力性能追求の姿勢がよく分かった。また、同時にサスペンションのよさも特筆に値する。高速のストレートが長いコースでは、空気抵抗を減らすためにダウンフォースを削ったことでタイヤの消耗を早めたこともあったが、大部分のコースでタイヤを上手く使いこなしていた。これはダウンフォース、サスペンション、ドライビングのすべてが上手くかみ合った結果だと言える。

 メルセデスAMGの765点には及ばなかったものの、レッドブルのフェラーリを70点引き離してのコンストラクターズ2位(468点)はみごとな戦いぶりだった。「もしも」というのは勝負事にはムダなことだとは分かっているが、それでももしRB12にメルセデスのパワーユニットが搭載されていたらと考えると、じつに興味深いところだった。

決め手が足りなかったフェラーリ

 フェラーリは最後まで決め手が足りない印象だった。

 最終戦でのベッテルによる1回ピットストップ戦略と、終盤の猛追は目を見張るほどだった。このアブダビでのベッテルの猛追は、レースをとても面白い展開にしてくれた。タイヤの特性と相性を見抜いて、1回ストップというほかとは異なる戦い方を選んだこともみごとだった。最後の最後で「戦い」をより重視したやり方が功を奏したと言えた。

 だが、一方でこのアブダビでのベッテルの3位以外は、ベッテルもライコネンもあまりふるわなかった。決してわるいわけではないが、レッドブルほどの速さと強さが出せなかった。これは、主にフェラーリのマシン「SF16-H」からくるものだろう。2016年のフェラーリはパワーユニットの性能を向上してきていた。だが、まだメルセデスには足りなかった。車体全体で見てもトラブルが多く、性能不足だった。

 チームが繰り出す戦略も一見手堅そうではあったが、直近のライバルの出方を見てそれに合わせる手の出し方で、「勝負」という点ではリスクは少なそうだが「前に出る」という点では消極的なものになりがちだった。最終戦でのベッテルの戦いは、こうした傾向を打破したもので、これがもっと早い段階で出せればもう少し状況は変わっていたかもしれない。

 ライコネンは、マシンの性能とチームの戦略の結果をよりはっきりと現していたようだった。前半戦では表彰台に4回も上がっていたのに、後半戦では入賞するものの表彰台には届かなかった。

 フェラーリは2014年11月に会社のトップが変わり、それに前後してチームの上層部の人事も大幅に入れ変わった。2016年の戦闘力に欠けたマシンと、やや弱気な戦い方にもまだこのトップ人事以降による影響が残っているようでもあった。最終戦でのベッテルの戦略でチームが自信を取り戻せれば、戦略面での希望は持てそうだ。

フォース・インディア対ウィリアムズ

 今季常に興味深い展開をしてくれたのが中団グループだった。なかでもフォース・インディアとウィリアムズの戦いは激しかった。

 フォース・インディアの「VJM-09」はかなり上手くまとまっていた。メルセデスのパワーを活かしたストレートでの速さで、ヨーロッパGP(アゼルバイジャン)でのセルジオ・ペレスの3位にも結実していた。同時に、VJM-09はコーナーでの速さも増してきて、かなりオールラウンドなマシンになってきていた。これもモナコでのペレスの3位に現れていた。コーナーでの性能向上は、今季を通してVJM-09に見られた。

 ペレスは前述のとおり3位を2回獲得するなど、堅実なうえにより速さを増してきていた。その結果、メルセデスAMG、レッドブル、フェラーリの6人以外では最高位の7位となった。

 ヒュルケンベルグは結果と順位ではペレスの後ろになり、バルテリ・ボッタス(8位)にもやや届かずのランキング9位だった。だが、随所で巧みな走りを見せた。これが来季のルノー入りへとつながった。

 フォース・インディアチームは、限りあるリソース(人、金、物)のなかでこれらをとても効率よく運用していて、今季もっとも効率のよい運営をしたチームと言える。

 一方、ウィリアムズはシーズン序盤に堅実に得点を積み上げたが、「FW38」の開発が終わったシーズン終盤になるとよいところが出せなかった。パワーが重要なカナダではボッタスがメルセデスのパワーで3位になったが、総じてコーナーを苦手としていた。ボッタスはなんとか入賞を重ねたが、フェリペ・マッサはシーズン中盤になると序盤に見せたような勢いが出せないでいた。終盤戦になるとFW38はVJM-09に対抗しきれなくなっていた。ウィリアムズは過去2シーズン、大きく戦績を改善してコンストラクターズランキング3位だったが、今季はやや落として5位になってしまった。

 そんななか、ウィリアムズチームのメカニックはヨーロッパGPでのマッサのピットストップを1.92秒で終え、今季の最速ピットストップ賞を獲得した。マシンがやや苦しくともピット作業で挽回しようとするメカニックたちの姿勢に、ウィリアムズチームのレース屋としての結束の堅さと強さが見えた。

マクラーレン・ホンダ対トロロッソ

 マクラーレン・ホンダとトロロッソが繰り広げた、コンストラクターズランキング6位の戦いも激しかった。アメリカでのフェルナンド・アロンソ5位、ジェンソン・バトン9位、アメリカとブラジルでのカルロス・サインツの6位。最後までランキングが動きそうな展開だったが、最終的にはマクラーレン・ホンダがランキング6位を獲得した。

 トロロッソはなかなか苦しい展開だった。とくに終盤にはリアタイヤが壊れるトラブルが頻発してしまった。これではドライバーは存分に攻めきれない。2人とも後半戦はあまり目立った成績は挙げられなかったが、これは来季のマシン開発にリソースを割いたために「STR-11」の開発と性能が頭打ちになってしまったことが要因だろう。そんななかでのサインツとダニール・クビアトの頑張りはみごとだった。クビアトはレース結果こそあまり振るわなかったが、シーズン後半からまた持ち前の勢いを取り戻しつつあるように見えた。

 マクラーレン・ホンダは、アメリカでポイントを大きく伸ばしたのがランキング6位獲得に大きく貢献した。だが、ブラジルとアブダビでそれぞれ1点獲得にとどまり、大きくポイントを伸ばせなかった。シーズン終盤になって他チームが新規部品の投入をしなくなった段階でも、新たなウイングなどを持ち込んできていた。チームの車体にメインスポンサーの名前とロゴが見えないマクラーレン・ホンダだが、ここにチームのリソースの大きさと向上心が見えた。反面、いろいろと試せるおかげでかえって選択肢が増えてしまい、最適な答えを見つけにくくなっているようにもうかがえた。この状況に、大昔のF1でも1976年にロータスが「タイプ77」であらゆるコースのあらゆるコーナーに対応できるサスペンションというのを投入してきたのを思い出した。

 それはサスペンションアームの取り付けポイントを多数備えたもので、これで多様なセッティングが可能なはずだったが、むしろ現場のエンジニアの判断項目を煩雑にしてしまい、限られた時間での対応を難しくしてしまっていた。結果、ロータスは通常のサスペンションに戻すなど大改良を重ねて、その年の最終戦富士で優勝したのだった。これほど極端ではないが、マクラーレン・ホンダ「MP4-31」の終盤の戦いぶり、とくにバトン車でセッティングをいろいろと試して苦戦していたところにも、このかつてのロータスの例と共通しているところがあるように思えた。

 2015年モデルの開発段階で技術開発スタッフに人事異動が生じ、できあがった「MP4-30」はやや迷走していたような仕上がりだった。2016年のMP4-31は各部の設計がよりよくまとまってきたものの、まだ完成度は低かったようだ。これが終盤までいろいろと部品を投入せざるを得ないことにもつながったのだろう。そのため、仮にMP4-31にメルセデスのパワーユニットを搭載していても、おそらくウィリアムズやフォース・インディアと争ったくらいだったように思われる。

 マクラーレン・ホンダは前年のパワーユニットよりもはるかに性能と信頼性が向上していた。まだメルセデスには対抗できないものの、着実に進歩した。コンストラクターズランキングで2015年の9位から6位へと成績が向上した。2015年の苦戦の連続から、2016年は戦えるレベルになった。ホンダのパワーユニットも、マクラーレンの車体もよくなったが、まだ発展途上で「これから」への期待を抱かせる段階だった。

ハース

 参戦初年度にしてはみごとな戦いだった。シーズン中盤以降は2017年モデルの開発にリソースを移したために大きな進歩はなかったものの、常に入賞圏を争っていた。とくにシーズン後半から終盤に入ると勢いが落ちるチームとマシンが多くなるなか、ハース勢は順位と速さを失わなかった。これは終盤に入ってまた勢いを取り戻したようにも見えた。

 現代のF1は技術的にきわめて高度化しているうえ、テストや開発にも制限がある。そのため、新規参入のチームには以前よりももっと難しい競技になっている。そんななかで29ポイントを獲得してのランキング8位は立派だった。

 早い段階で2017年モデルの開発にリソースを移したこともよい判断だった。NASCARのトップカテゴリーでも戦うチームだけにチームの経営手腕も上手いようで、これからが楽しみなところ。

ルノー対ザウバー対マノー、ドライバーたちの善戦

 ルノーは2016年からあらたな再スタートとなった。だが、チーム獲得と準備期間が少なく、「RS16」は前年までのロータスマシンの焼き直しで、苦戦は覚悟の上での2016年だった。ルノーはパワーユニットでも他メーカーとの差を埋められず、早々に2017年用の開発にリソースを傾注していた。それでも、ロシアGPでケビン・マグヌッセンが7位、シンガポールGPでジョリオン・パーマーが10位を獲得。これは若いドライバーたちの頑張りによるところが大きかった。

 財政難だったザウバーも、「C35」はほぼ前年マシンの焼き直し状態だった。シーズン後半になってチームの財務体制が好転し始めて、マーカス・エリクソンはメキシコでトップ10目前の戦いができるようになった。フェリペ・ナッセは地元ブラジルで雨の中21番手スタートから9位で2ポイントを獲得。ナッセの持ち前の上手さが存分に出た走りで、ザウバーチームはランキング最下位から1つ上げての9位になれた。

 マノーF1チームは、前年よりも改良を施したマシン「MRT-05」を投入してきた。このマシンはダウンフォースが少なく、そのぶん空気抵抗が少なめでどのコースでもストレートでとても速いマシンだった。そのマシンでパスカル・ウェーレインのオーストリアでの10位入賞はみごとだった。後半から終盤にかけてはエステバン・オコンが新加入し、ウェーレインとの激しいチーム内バトルを繰り広げた。これが2人の才能をより伸ばしていたように見えた。マノーF1チームはコンストラクターズランキングでは最下位だったが、チーム体制を考えればかなり頑張った結果と言える。

 ルノー、ザウバー、マノーの3チームは下位を争うチームではあったが、予選Q1の戦いや、決勝でのバトルで大いに沸かしてくれた。とくに、入賞を賭けた奮闘ぶりは清涼剤のようなすがすがしさすらあった。また、起用した若手ドライバーたちがそれぞれ才能を伸ばして輝きを放ったところもきわめて意義深かった。

去りゆく人たち

 今季でF1を去る人たちもいるので、そのことにも触れておきたい。

 バトンはF1で戦うのは今季が最後と表明した。日本GPの段階でもバトンはF1で鈴鹿を走る最後のレースになるとコメントしていた。バトンについては、当初発表では2017年は休暇期間で、2018年については復帰の可能性も含めていた。だが、最終的には今季限りでのF1引退となった。

 これには、当初の発表と終盤戦での発表でのチームの体制の変更も影響したのかもしれない。ロン・デニスがチームの実権から離れたからだ。いずれにせよ、バトンはこれでF1ドライバーの職から去ることになった。マシンに負担をかけずに速さを引き出して戦える技は、今もトップクラス。できることなら2017年以降は、自由な立場で他のレースを選び、新たな戦いの場でその才能を発揮してくれるとよいのだが。

 マッサも今季限りでのF1からの引退を表明していた。雨のブラジルGPではリタイヤした直後に、セーフティカーラップ中にもかかわらずピットレーンでお別れの挨拶大会が始まった。ここにマッサの愛すべき人柄がうかがえる。いろいろと揶揄されることも多かったが、高速コーナーでの速さはミハエル・シューマッハを凌ぐこともあったし、常に上位ランクで長年活躍し続けたこともドライバーとして只者ではないところだった。

 マッサは、2017年以降について「新たなチャレンジ」としてその詳細を明らかにしていなかった。だが、年末になってウィリアムズでF1復帰という話が出ている。ロズベルグ引退の空席にボッタスが座り、ボッタスのウィリアムズでの空席をマッサが復帰して埋めるというのが、ほぼ確定的な話になっている。ただし、ヨーロッパのクリスマス休暇前の段階ではメルセデスAMGからもウィリアムズチームからもこの件の公式発表は出ていない。このマッサを含むメルセデスのロズベルグ後任人事については、今後の公式発表のあと触れることにしたい。

 FIAのオブザーバーのハービー・ブラッシュも2016年でF1を去る。ブラッシュは1960年代にロブ・ウォーカーレーシングのチームメンバーとしてF1に入り、そこからロータスに移籍してヨッヘン・リントのマシンなどを担当。そこでリントのマネージャーだったバーニー・エクレストンの信頼を得た。エクレストンがブラバムチームを取得すると、チームマネージャーとしてチームの運営実務をすべて担当して、1981年、1983年にネルソン・ピケとチャンピオンを獲得した。その後、ヤマハのF1活動にも貢献。さらにFIAのオブザーバーとして、その多年にわたる経験をもとにレースの円滑な進行に貢献してきた。

 ブラッシュはFIAオブザーバーから離れるが、これからもその経験を活かしてさまざまなところで活躍するだろう。

2016年の終わりに

 2016年シーズンは史上最多の21戦で行なわれ、表面的にはメルセデスAMG勢の独り勝ちで退屈に見えた。だが、実際はロズベルグとハミルトンによる歴史に残るような激戦だった。また、各チームとドライバーもそれぞれのランキングを賭けて善戦を展開した。なかでも若手ドライバーの成長は今後への大きな期待につながるものだった。

 F1は観客数もテレビ視聴者数もやや減少しているという。だが、もう少しよく観察すると、こうした面白さ、楽しさ、魅力もまた見えてくるだろう。これらをよく見えるようにするには、筆者たち伝え手の努力ももっと必要だと痛感した。

 そうしたなかで、シーズン後半からになってしまったがDAZN(ダ・ゾーン)でF1の全セッションライブ配信ができるようになったのは、1つのステップになったと思う。DAZNではGP2の日本語実況と、GP3の英語実況も行なった。これで未来の有望選手たちの走りと戦いぶりが見えるようになったし、GP2ではイタリアのレース1でのジョビナッツィによるグリッド最後列スタートからの大逆転優勝など、アクションいっぱいのレースも楽しめた。また、GP2の松下信治、GP3の福住仁嶺の戦いぶりも実況で伝わってきた。

 DAZNでは久しぶりにF1を見た方、初めてF1を見た方にもできる限り分かりやすく伝えようとしている。DAZNのF1とGP2には自分も関わることができたが、仮に自分がまったく関わっていなかったとしても、この新たな分かりやすく伝えたいという展開は意義深いものとして歓迎していただろう(実際、当初のミーティングでは自分が採用されるかどうかではなく、見る方たちにとってよりよい展開にするためにということを話していた)。

 まだインターネットの技術的な課題もあるが、インターネットがつながればスマートフォンやタブレット、PCなどで気軽にF1観戦が楽しめるという選択肢も増えた。2016年はF1のレース展開のみならず、F1をお伝えするという点でも未来に向けたステップの年になったと思う。

 2017年のF1はルールが大きく変わり、マシンもまったく異なったものになる。これで展開と勢力図も変わるだろうし、とても興味深いシーズンになるだろう。GP2やGP3も有望な選手がさらに集まり、こちらも未来のF1への期待がより膨らみそうだ。

 2017年が皆さんにとって、より楽しく、よりよい年となりますように。

小倉茂徳