【第18回】夏の軽井沢で優雅なアメリカンブレックファーストですの、の巻


アメリカ生まれのポップオーバーは、卵をたっぷり使ったシュー皮のような食感のパンこと

 前回に引き続き、真っ赤なかっこいいハイブリッド・スポーツカーをブイブイいわせながらドライブ中のグルメ隊。向かっている先は避暑地、軽井沢。なんでも朝早くからオープンして朝食をメインに出している人気のカフェがあるそうです。

「ねぇエイミー、この車も“みっどしっぷ”ですの?」
「はっ!? いきなりどこからその言葉が出てきたんですか!?」
「今回はちゃーんと予習してきましたの。お友達から借りた『よろしくメカドック』っていうアニメによると、この車はみっどしっぷ化してゼロヨンなんとかっていうレースに出たんですのよ。でもって大幅に軽量化されていたりして……」
「あ、あの、ゆきぴゅーさん?」
「がんばって第19話のCR-Xスクランブルっていうところまで観たんですが……ん? あれれ!? こ、この車って、しーあーる……」
「Zです」

 そうこうしているうちに、あっという間に軽井沢に到着ですの。

「さすが別荘地。緑に囲まれたステキなところですわね~♪」
「週末は夜通し車を飛ばして6時半の開店時間に到着しているお客さんもいるそうですよ」

森の一軒家といった佇まいのキャボットコーヴ。車を降りたとたん、あたりに漂う空気で軽井沢を感じました「エイミー! なんだかとっても素敵なお店ですわね」「ホント! ココは大抵の女の子なら絶対に喜びますよね、きっと」「どこよりも朝早くオープン」しているキャボットコーヴは、この夏3年目を迎えます
14席あるテラス席はペット連れもOK。愛犬と散歩の途中で立ち寄る地元のお客さんもたくさんいらっしゃるそうですシャンデリアなど店内のインテリアや家具などは何年も前から少しずつ買い集めていたものだそうさりげなく窓辺に飾られるアンティークの瓶などにオーナー夫妻のセンスを感じました

 出迎えてくださった今日のお店「ブレックファースト&カフェ キャボットコーヴ」のオーナーの出口さんご夫婦は、ご主人が接客を、奥様が調理担当をされています。お好きな席にどうぞと案内されたので、鳥のさえずりがすぐ近くで聞こえるウッドデッキのテラス席に座ることにしました。

「わたくしは、えーと……このエッグベネディクトのセットにしますわ!」
「じゃ私はブルーベリーパンケーキのセット」

 人気メニューだというポップオーバーというパンは、スープとセットにしてふたりでシェアすることにしました。

 まず運ばれてきたのはフレッシュブルーベリーがいくつも入ったふっかふかのパンケーキ。ベリーの酸味がしっとりとした生地に絶妙にマッチしていてすごくおいしいんですの。

 お次はアメリカの定番朝食メニューだというエッグベネディクト。自家製ソースがこれまた絶品で、イングリッシュマフィン、上質なハム、ポーチドエッグと、ゆきぴゅーが大好きなものをこのソースがさらにおいしくしてくれているようでした。プラス400円でつけられるコーヒーや紅茶はポットで出されるので、冷めずにたっぷりといただけるのがよかったですわ。

緑のすぐ隣で食べる贅沢。景色もごちそうのひとつですわねブルーベリーパンケーキ メープルシロップ付(1000円)。サイドに選んだのはソーセージパティ男性ファンが多いというブルーベリーパンケーキは、地元産のフレッシュな生ブルーベリーが入っていて文句なしのおいしさ!
日替わりのスープ、この日はアメリカ東海岸名物のクラムチャウダー。午前中で売り切れてしまうこともしばしばだとかエッグベネディクト ホームフライドポテト付(800円)。これぞアメリカンブレックファースト!というメニューイングリッシュマフィンの上にはポーチドエッグ。その上にかかっているのは、バター・卵黄・レモン果汁などで作るオランデーズソース。酸味がきいていてさっぱり
こちらがポップオーバーと呼ばれるアメリカ生まれのパン。食感はシュー皮のようで外側はカリっとして中はもちもちポップオーバーは添えられたバターとジャムをつけていただくのですが、これがまたどちらも感動的においしい!ポップオーバーの焼き型を見せて頂きました。かなり膨らむのでマフィン型より深さがあります

「朝食メインというコンセプトはどこから来ているんですか?」
「私たちはアメリカ東海岸のニューイングランド地方が大好きで、度々ふたりで旅行に行くんですが、20年ほど前に訪れた美味しい朝食を出すお店が忘れられなくて、いつかふたりであんなお店を開きたいねって言い続けてきたんです。その長年の夢が叶ったのがおととしの夏でした」
「じゃここはまだ2年くらいしか経っていないんですね」
「そうなんです。この辺の別荘地には外国人の方もたくさん住んでいらっしゃるのですが、そういう方々に“このアメリカンスタイルが懐かしい”って喜んでいただけるのがうれしいですね」
「軽井沢っていうのがまたいいですわよね~」
「実はここから歩いて5分くらいの所に御影用水という温水路があって、その川沿いが散歩道になっているんです。そこの景色がニューイングランドの田園風景とよく似ていて、お店はどうしてもその近くにオープンしたかったんです」
「そうだったんですか。ところで店名のキャボットコーヴというのはどういう意味なんですの?」
「昔、『ジェシカおばさんの事件簿』というアメリカのテレビドラマがあったんですが、その主人公が住んでいる町の名前がキャボットコーヴなんです。実在する町ではないんですが、だいたいの場所は特定されているんですね。さっきお話しした美味しい朝食を出すお店、実はそこにあるんです」

……とまぁ、とにかくアメリカ東海岸のニューイングランド地方が好きで好きでたまらない、そんなオーナー夫妻の夢がぎゅうっとつまったとっても素敵なカフェなんですの。この夏、ちょっと早起きして愛車を走らせてみてはいかがでしょうか。まさに「早起きは三文の徳」を味わえるところですわよ。

 ちなみにその「ジェシカおばさんの事件簿」、日本でも1980年代後半に放送されていたそうで、ジェシカおばさんの吹き替えはなんと森光子さん! ゆきぴゅーがドドーンとDVD BOXを買っちゃう日も近い???

「あぁおいしかったですわ」「毎朝こうして優雅な朝食を食べたいものですねー」オーナーの出口清人・惠子さん夫妻。“もてなすこと”を心から楽しんでいらっしゃるのが伝わってくる素敵なご夫婦でしたこの地にお店をオープンするきっかけになったという御影用水。全長1kmに及ぶ景観は四季折々に楽しめるそう

 

行ったところ
ブレックファースト&カフェ キャボットコーヴ
http://cabotcove.jp/
長野県北佐久郡軽井沢町追分78-26
TEL:0267-31-5078
営業時間:6時30分~15時 (11月~3月は7時~15時)
定休日:7月~9月は無休(ただし臨時休業あり。Webサイトで要確認)。10月~6月までは第1、第3の火・水曜日が休み
駐車場:あり
アクセス:碓井軽井沢ICより約20分。ちなみに佐久ICからも約20分なので、夏の混雑期など軽井沢の町が混んでいそうな場合は佐久ICからのほうがベター

 


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このクルマでドライブしました!

ホンダ CR-Z

CR-Zと言えば世界初の6速MTのハイブリッド車。というわけでCR-Zはこの連載でも初のMT車となりました。実はMT大好きな2人組、軽井沢近郊の山道で、小気味よく決まるMTの感触を存分に楽しんだそうです。

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)



2010年 7月 21日