【第33回】春らんまんの房総半島で海の幸をまるごと味わうですの、の巻 |
春だ! お寿司だ! 房総半島だ~! |
「春のドライブといったら房総半島ですわね~!」
「いつ行こうかって言ってましたが、満を持してって感じですね」
「それに今日の車は沿道の菜の花と同じ色のスポーツカー! 編集部のチョイスもなかなかニクイですわ~」
ただでさえ目立つイエロー&ブラックの車体。途中、道の駅でオープンにしてからは、さらに注目を浴びながらの道中ですの。
そんなドライブで到着したところは房総半島のほぼ南端、布良漁港の近くにある「巴寿し」。小じんまりとした店構えですが、寿司の町・館山ではかなり定評があるお寿司屋さんなんですの。暖簾をくぐったグルメ隊を2代目の小澤大作さんがさわやかな笑顔で迎えてくださいました。今日は房総の海の幸をぞんぶんに味わうですわよ~!
春の行楽シーズンで朝の8時半から混雑していた海ほたる | 車窓から見える菜の花。スポーツカーで爽快なドライブですの | フラワーラインの相浜交差点を漁港方面に50mほどのところにある巴寿し |
創業31年目。小じんまりとしたお店ですが、地元の人からもお墨付きの名店 | カウンター席以外にお座敷席も。店内は全27席 | 現在お寿司を握るのは2代目。シャイで好青年な板さんです |
「せっかく房総半島の先まで来たんだから、いろんなお寿司を食べたいですわね」
「それなら“おまかせ満足コース”がオススメですよ。握りのほかに“なめろう”や“さんが焼き”、さざえのつぼ焼き、お椀がついてます。それからうちの名物“ぶだいの赤づけ寿し”もよかったら召し上がってみてください」
「ぶだい???ってことは鯛ですわよね?」
「ええ、でも真鯛とかの赤い鯛ではなくって、見た目が青っぽくて“これホントに食えるの?”って魚なんです(笑)この辺の寿司屋ではぶだい自体出してるところが少ないうえに、漬けで出してるのはうちだけだと思いますよ。ぜひとも独特の食感を味わってみてください」
「それは楽しみですわ~♪」
まずは出てきたなめろうとさんが焼き。言わずと知れた房総半島の郷土料理ですが、ご主人曰く、子供の頃はさんが焼きがお弁当に入ってたこともあるくらい、この辺の家庭では普通に作られるものなんだそうです。
「なめろうは何の魚を使ってもいいんですが、うちでは通年この辺りで獲れるアジを使ってます。粘りが出るまでたたいて味噌やネギ、ショウガなどを混ぜたのがなめろうで、それうに青じそを巻いて焼いたものがさんが焼きです」
さんが焼きの焼きたては薬味の味が香ばしくて、まるで海の極上ハンバーグといった感じ! なめろうも鮮度のいいアジを使っているとみえて、文句なしのおいしさですの。
お次は握り。初めて口にするぶだいの赤づけ寿しは、醤油ベースのタレに浸け込まれて、ギュっとしまった感じの身がなんともいえない歯ごたえ! ひと噛みするたびに口の中に旨みが広がってくるんですの。
「とろけてなくなる柔らかなネタとはまた違った楽しみ方ができるお寿司ですね」
「これ目当てに来るお客さんもいらっしゃるというのが納得ですわ」
「おまかせ満足コース」の握りは全12貫。前列には平目、金目、サワラ、カツオ、しめサバ、アジと地魚が並び、その後ろにはウニやカニ、イクラなどの色鮮やかなネタという配列。
まずは見た目はちょっと地味な地魚から。平目やサワラの甘みに感動し、厚みのある金目の食感に舌づつみ……と、2人の手は止まらず、そのまま後列もあっという間に完食してしまいました。あーおいしかった!
「巴寿しさんの一番のウリは何でしょう?」
「う~ん……鮮度じゃないでしょうか」
控え目だけどきっぱりそう言い切るご主人の言葉通り、巴寿しの人気のヒミツはやっぱりネタの良さ。漁師さんが一本釣りで釣ってくる魚を仕入れているので“とにかくモノがいいんです”とのこと。その日も観光客らしき家族連れが次々と来店されていましたわ。南国・館山方面へのドライブの際にはぜひとも立ち寄ってほしいお寿司屋さんですの。
巴寿し(http://www1.ocn.ne.jp/~ozawa/)
※現在、和田店は営業していません
千葉県館山市大神宮238
電話:0470-28-0009
営業時間:11時~21時
定休日:木曜日
駐車場:あり
※カウンターは5席。4名座れる小上がり席、18名が入れるお座敷もあります。メニューの一例は、刺身定食(2500円)、地魚なめろう丼(1800円)、地魚寿し10貫(1500円)など。
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■■このクルマでドライブしました!■■ BMW Z4リトラクタブルハードトップでお手軽にオープンが楽しめる「Z4」。借り出したのは「sDrive 35i M Sportsパッケージ」。3リッター直列6気筒ツインスクロールターボエンジンで、東京湾も楽々横断なのでした |
■プロフィール
ゆきぴゅー(ゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ)
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。
エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)
2011年 3月 2日