効果は高いが、使い道には工夫が必要
シリコン素材の「ノンスリップマット1 BK」
メーカー:星光産業
価格:オープンプライス(購入価格:450円)

 

 クルマのダッシュボード上などに小物を取りあえず置きたいという人向けに、各社から滑り止めのマットが多数発売されている。サイズや形もさまざまで、単なるシート状のものから、外枠の付いたものまで存在する。実際、それらの滑り止めマットは、どのくらい滑り止め効果があるのだろうか。ここでは星光産業の「ノンスリップマット1 BK」を使って、試してみることにした。

 ノンスリップマット1 BKは、厚さ1mmのシリコン素材を使った滑り止めマットで、表面に革シボ調の加工がされている。サイズはいくつか用意されているが、今回使ったのは100×150mmサイズのもの。携帯電話に加え、ちょっとした小物を置くには十分なサイズだ。

ノンスリップマットのパッケージ右下には、サンプルのシートが露出している。ここで滑り具合の感触を確かめられるパッケージを開けると、ノンスリップマットが1枚、サンプルシートが1枚あるのが分かる
ノンスリップマットの厚さは約1mm。シリコン素材なので、非常に柔らか表面は革シボ調に加工されている

 製品の注意書きにも「本製品は物を完全に固定するものではありません」「安全のため運転者は走行中に使用しないでください」と書いてあるように、滑り止めマットで物を固定することはできない。また、運転者が走行中に使用することが推奨されておらず、助手席に座り、別の者に運転させることで、その効果を確認した。

 ダッシュボード上に置く小物として選んだ物は、携帯電話(W52CA)、小銭、それにiPhone 3G。携帯電話の背面はカメラがあるため凸凹しており、iPhone 3Gは背面がツルツル。とくにiPhoneは置く場所がわるいと、置いたそばから動いてしまうほど。

 最初に比較のため、ノンスリップマットを設置せず、ダッシュボード上に直接物を置いて道路を走ってみた。すると、ちょっとしたカーブなどで小銭が動き始める。急なカーブになると、携帯電話やiPhoneが滑り始め、助手席に座った自分がすぐに押さえないとどこに飛んでいくか分からないほど。

 次に、ダッシュボード上にノンスリップマットを置き、その上に、先ほどと同じように携帯電話、小銭、iPhoneを置く。ここで注意してほしいのは、助手席エアバッグ装着車などでは、エアバッグの納められた場所の上にはノンスリップマットなどは置かないようにすること。今回使用したクルマは、助手席エアバッグが装着されておらず、素直にダッシュボード上に置いてみた。

 先ほどと同じ道路を走ってみたところ、ノンスリップマット上に置いた携帯電話、小銭、iPhoneは、道路からの振動などに対して影響をそれほど受けていないように見える。ちょっとしたカーブではもちろん、急なカーブなどでも、どこかに飛んでいくことがない。あえて、無理にステアリングを切ってもらったところ、携帯電話がずれたぐらいで、小銭やiPhoneは、ずれることがなかった。

今回使った車のダッシュボード。元々物を置きやすい形状になっているものの……携帯電話、小銭、iPhoneを置いてみたところ、iPhoneが奥に向かって滑っていった
そこでノンスリップマットを設置それぞれの小物が、自然に滑り出すことがない。無理な運転や、極端な道路状況でない限り、滑り止め効果は高い。もちろん、小物の形状にもよるので、過信はできない

 では、このノンスリップマットの滑り止め効果はどのくらいあるのだろう。ノンスリップマットをカッティング用マットに置き、どのくらいの角度から滑り出すのか試してみた。置いた小物は、車内と同じく携帯電話、小銭、iPhone。カッティング用マットを徐々に傾けていくと、40度で携帯電話が滑り出し、45度を超えると小銭やiPhoneが滑り出す。50度になるとさすがにどの小物も滑り落ちてしまった。

 ダッシュボードが40度傾くということは、クルマが転倒でもしない限りはあり得ず、徐々に力が加わった場合は意外と滑り止め効果があるのが分かる。ただ、気になったのは30度くらいから、ノンスリップマットがカッティング用マットから滑り始め、ノンスリップマットを支える形で行う必要があったこと。カッティング用マットとダッシュボード上の摩擦係数は異なるため一概には言えないが、ノンスリップマット自身の滑り出しが早いのかもしれない。

室内で実験。カッティング用マット上に、ノンスリップマットと小物を置く40度近辺で、携帯電話が動き始めた
50度近辺では、すべての小物が滑り落ちる。30度を超えた辺りから、ノンスリップマットが滑り出すので、親指で押さえている

 いずれにしろ、ノンスリップマットをクルマのダッシュボード上に置き、普通の道を流れに沿って走る限りは、小物がすぐに滑り出すようなことはないだろう。ただ、小物の形状もさまざまで、また、常に変化する道路状況を考えると、滑ってしまうものと考えたほうがよい。

 そういう意味では、ダッシュボード上以外の場所に使うのが安心だろう。たとえばセンターコンソールのボックス内に敷くとか、ドリンクポケット内に敷くとかであれば、その高い滑り止め効果が役に立つし、カタカタ音防止の静音シートとしても力を発揮する。ノンスリップマットは厚さも薄く、はさみやカッターで切ることができるので、使いたい形状にあわせてカットすればよいだろう。いざというときに物が飛んでいくことのない場所で使用するのがお勧めだ。