お手軽&格安のバックカメラ
「CAM14」
メーカー不明
購入価格:3980円

 

 カー用品店で話を聞くと「カーナビ購入時にバックカメラを装着する割合が高まっている」らしい。アルパインがリリースしているTOPVIEWマルチカメラ(http://www.alpine.co.jp/products/camera/2009/top-view-multi.html)のような高付加価値タイプの出現がユーザーの物欲を高めているってこともあるだろうけど、カメラ自体の価格がひと昔前より安くなっていることも理由と言えそうだ。

 とはいっても、いわゆるメーカーものは1~2万円弱といったところが相場で、個人的にはマストなアイテムではないためちょっと手が出ない。まぁ、あれば便利なことは間違いないだろうけど……。

 そんな感じで装着せずに数年が経過。が、先日、超格安1DINメディアプレーヤー(http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/minigoods/20100806_384480.html)を見つけたネットショップで3980円のバックカメラを発見。あまりの安さに、なにも考えず(というかスペックも見ず)にポチッとしてしまった。

 で、程なく届いたのがこれ。いわゆるバルク品のような白箱で、メーカー名は不明だし、生産国表示もないし、といったあたりはもはやお約束。箱の中にはカメラとケーブル、A5サイズの説明書と保証書が各1枚入っているだけの超シンプルなエコパッケージ仕様。これは皮肉ではなくゴミがあまり出ないっていうのは見習いたい。

 説明書には配線図が記載されているけれど、電源(+12V/アース)と映像線(コンポジット)だけなので、あってもなくても影響がない感じだ。ちなみに保証期間は1カ月だが、この価格なら初期不良さえ回避できれば、いつ壊れても惜しげない。

 カメラ本体は、最近のバックカメラとしてはちょっと大きめ。というのは、暗い場所での補助光としてレンズ周囲にLEDが配置されているため。もっと小さいタイプも同程度の価格で並んでいたけれど、オフロードにも出かけるため、あえてこれを選んでみた。カメラとベース部分の取り付けは単純なネジ留め。一応塗装されているとはいえ、1年もすればサビて動かなくなってしまいそうだ。もっとも、1度場所を決めてしまえば動かない方がよいのだ、と前向きに考えることもできる。

補助光付きのためカメラ本体はちょっと大きめカメラからの配線は映像出力と電源のみととってもシンプルコンポジットタイプの映像ケーブルと電源用の延長ケーブル、取り付け用のネジが付属

 眺めていても面白いブツではないため、とっとと装着しよう。といっても、よほど古いカーナビでなければまず間違いなくバックカメラ用の端子が用意されているから、面倒なのは取り付ける場所の確保ぐらい……なんて思いつつ、数年ぶりにカーナビ本体の背面を見てビックリ。カプラーを使った専用端子が本体から直接生えていた。

 なんてこともあるので、購入を考えるなら、まずバックカメラ入力の端子をよく確かめておきたい。今回は「専用端子の線が4本」=「電源と信号だけ」だったため、適当に繋ぐことで対処できたけど、デジタル接続だったり映像処理ユニットを介して接続するタイプだとお手上げだ。

カーナビ側のバックカメラ入力には専用端子が使われていた映像+電源の4本線とカンタンだったので、例によって力技で対処映像ケーブル側もギボシに。本来なら熱収縮チューブとかを使いたいところだけど……

 電源はバックするときだけ入ればいいので、リアコンビランプのバックランプ用ハーネスから拝借。カメラ自体はそんなに電力を使うパーツではないから、特に問題はないハズ。

 最後に問題になるのが装着場所だ。カメラ本体はそれほど大きくないとは言え、モロ見えな場所は避けたいところ。一応「日常防水」を謳ってはいるモノの、直接雨が当たる場所は避けた方が安心できる。というワケで、チョイスしたのがリアゲートの隙間。まぁ、実際はココしかなかったというのが本当のところだ。

 カメラ本体は両面テープでボディーに貼り付ける。装着用のベース部分にはネジ用と思われる切り欠きもあるけれど、それほど重いものではないため、両面テープで十分に事足りる。ただし「外装用」の強力タイプを使うことが重要だ。

 ここで注意を1つ。昨年、道路運送車両の保安基準が改正され、外装の突起物についての項目が変更された。2009年1月1日以降に新規登録したクルマの場合は、装着場所や装着方法に配慮が必要になる。それ以前のクルマに関しては適応外となるものの、見栄えを考えれば、今回取り付けたような位置になるはず。

カメラ用の電源はバックランプから取るので、まずはコンビランプをバラして配線を確認分岐に使うカプラーは同梱されていないので、自分で用意するボディ側の取りやすいところからカプラーで分岐させてやればOK。タグが付いているのはカーナビのバック認識用
カメラ本体は雨が直接掛からない&外から見えないことを考慮してリアゲートにリアゲートをバラして配線を通す
リアゲートから配線を引き出しボディへ。今回はビニールテープでカンタンに処理したけれど、できればコルゲートチューブなどで保護しておきたい
カメラ本体は軽いのでネジ留めしなくても外装用の両面テープで十分固定するときは水平をキチンと出すことを忘れずに

 装着が終わったのでいよいよスイッチON、ではなく、ギアをバックに入れて確認。あれ? なんかヘンだと思ったら映像が上下逆になってる。カメラに付いているシール側が当然下になるだろうと思って取り付けたんだけど、どうやら逆だったらしい。事前に映像をチェックするべきだったと思っても後の祭り。すでに両面テープでガッチリと固定してしまっている。

 一瞬、途方に暮れかけたけれど、ベースとカメラがネジ留めだったことを思い出し、単純にカメラの上下をひっくり返すことで対処できた。このいい加減さは典型的なB型である自分にはピッタリ(?)だ。

はじめて映像のチェックをしたらなんと上下が逆であることが発覚ベース部分のネジをハズして上下を入れ替え
保証シールが上側になるのが正解だったらしいとりあえずちゃんと映るようになりました

 さて、ビデオカメラのように作品を作るわけではないというものの、カメラである以上、気になるのは映像の品質。というわけで、広めの駐車場に出かけて映像をチェックしてみた。

 ナビのモニターに映し出された映像は、とりあえずカラーではあるものの解像度は低く30万画素もないような感じ。最近のメーカー製バックカメラと比べるとコントラストが弱いし、映像そのものもあまり美しいとはいえない。コンポジット接続という点を考慮してもイマイチな感じだ。

 また、あまり歪みがないので一瞬「おおっ」と思いかけたものの、よく見ると画角が狭いだけ。加えて画面には目安となる距離線が刻まれているけれど、これに合わせるとなると取り付け位置(高さ&角度)を厳密に決める必要がある。でも、当然ながら説明書にそんな記載はないし、クルマによってベストな装着位置は変わってくるので、結局のところ「ただの飾り」にしかならない。たまたま合えばラッキーって感じなのかも。

カメラを装着した高さは約1050mmで、映像を見つつ角度を調整するとこんな感じわかりやすいようにバンパー後端から1mの位置に三脚を置いてみた図がこれ。つまり1m程度が死角になってしまう
死角をなくすように調整するとちょうど三脚までしか見えない。もうちょっとレンズが広角なら……夜間はカメラ周囲のLEDが補助光として機能する……はず照明のある駐車場ならそれなりに明るく映るが、映像はモノクロに
街頭のない真っ暗な広場での映像。バックランプと補助光による明かりのみなのでかなり暗くノイズも多い

 結論としては「性能は値段なり」。とはいえ、死角が減らせるのは間違いなく、安心感が増すことは確か。ミニバンなど背の高いクルマに乗っている&すでにカーナビが付いている&現状バックカメラなし&自分で取り付けできる、なんていくつかの条件が当てはまるなら、買って損はない(と思う)。これで多くのメリットと同時に不満が感じられるようなら、そのときはメーカー品を買えばいいのだ。

(安田 剛)
2010年 10月 1日

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