エコドライブモニターでガソリン代を節約
エコノミードライブサポートモニター EDM「e-drive」
メーカー:ピボット
価格:1万290円

 

 2011年6月後半のガソリン価格は、震災の影響で増産傾向だったり、火力発電用の燃料を精製する際にガソリンが作られることなどから、国内では過剰供給気味で価格も落ち着いている。しかし、これも一時的なことで、今後も燃費によい運転が求められることは変わらないだろう。

今回導入した、ピボットの「e-drive」。パッケージには、「遅く走ることがエコじゃないんです。」と書かれている

 燃費をよくするための運転は「エコドライブ」ともよばれ、簡単に言えば「急発進と急減速を極力少なくした運転」を実行すればOK。しかし、言葉で言うのは簡単だが実際に運転してみるとこれが難しい。よくありがちな間違いが、単にユックリ走ればよいと思っていて、十分に速度を上げずに走ってしまうこと。ゆるやかな加速が必要なのであって、停止までの距離が長ければ車速は上げて構わない。

 必要以上に遅く走ることは渋滞を起こすので、まわりの迷惑になる。ただこのゆるやかな加速というのが、人間の感覚にはアバウトな部分があるため、一定に保つことが難しい。こういったことは機械で計測してもらうのが一番正確だ。そこで導入したのが、ピボットの「e-drive」。


同梱物。e-drive本体以外に、両面テープと車速パルス線を分岐接続するためのカットギボシが入っている シンプルなデザインのe-drive本体 e-drive本体背面には、シガー電源アダプターと車速パルスに接続するためのコードが直結されている

 e-driveは、加速度(G)センサーと車速パルスを使って、加減速時のGが規定値を超えるとアラームを鳴らして知らせてくれる。加減速時にアラームを鳴らさないように運転すれば、おのずとエコドライブになり燃費がよくなるという仕組み。警告加速度は速度により変わってくるが、ゼロ発進から20km/hまでで0.15G以下、それ以降では0.1G以下と細かく加速度を計測して警告する。動作時は常に加減速の状態を表示してくれる。

 走行距離から燃料代(ガソリン単価をセットする必要がある)や燃費を計測してくれる機能も持っているが、エンジンを切るとリセットされてしまうため、計測機能はあくまでも簡易的なもの。瞬間燃費や区間燃費など燃料関連を正確に計測したい場合には、同社の「e-nenpi」という製品が適している。e-driveと両方設置すれば完璧だろう。愛車には、瞬間と区間平均を表示する燃費計が標準装備されているので、燃費結果はそちらを使って見ることにした。最近では燃費計が装備されるモデルも多くなっている。

 取り付けは、シガーライターなどからのDC12V電源と車速パルスを配線する必要がある。車速パルスの取り出し位置は対応車種であればマニュアル(http://pivotjp.com/download/eco_dl.html)に掲載されている。どうしても判別できなければ、クルマを購入したディーラーに聞いてみるのがよいだろう。愛車には車速パルス信号を利用するカーナビが装着されているので、そちらの車速パルス線から分岐することにした。カーナビ装着車であれば、こちらのほうがたどりやすいと思う。

 車速パルスの取り出し方法だが、マニュアルでは付属のカットギボシで分岐することが推奨されていて、分岐コネクターは使わないように書かれていたが(恐らく接触不良などの問題があるのだろう)、作業が面倒なので手軽なエーモン「配線コネクター」を活用した。この製品はコードを剥かなくても上から押しつけるだけでコードを分岐できるコネクタだ。今回接続に使用したが、特に不具合は発生しなかった。

 本体は運転時にも見やすい位置に設置することをオススメする。信号などで停止時にエコドライブ採点が3回スクロール表示されるのだが、それを確認しやすいようにするためだ。また、音のアラームを消す設定にした場合には、表示の点滅をアラームとして確認することになるので目視しやすい場所がベストだ。今回は一番見やすいステアリングボス上部のスペースに貼りつけた。

エーモン「配線コネクター」を使って車速パルス線を分岐した。2本のコードを挟みラジオペンチで圧着するだけで接続される カーナビの配線から車速パルスを分岐すると作業がしやすい。愛車の場合ステアリングの下部にある
ステアリング近くに本体を貼りつけた 設置状況の拡大。赤の7セグLED表示はとても見やすい

 取り付け後には、車速パルスとレベルを設定する必要がある。

 車速パルスは、「MODE」キーを押しながらキーを回して電源を入れると「PALS」と表示されるのでそこで設定する。設定後に速度表示モードの「SPEd」に切り替えて実走してみる。値が大幅に違って表示されたら再度パルスの値を切り替え、メーターの速度と同じになる値を探すという作業を行う。

 カウント種は「P-2〜16」の間で5つなので5回やれば必ずどれかにヒットすることになる。ちなみに愛車では「P-8」だった。速度表示は厳密な値ではないので、ピッタリ一致しないこともあるが、その場合もっとも近い値を選ぶことになる。

 レベルは「MODE」キーで「LEvL」に切り替えて、排気量別に1500cc以上なら「Hi」に、1500cc未満なら「Lo」に設定する。車速に対してアラームの鳴る加速度の設定が変わる。「Lo」のほうがよりシビアに反応する。

「MODE」キーを押しながらキーを回し、車速パルスの設定をする 「P-2〜16」の間で最適値を探す

 設置と設定が終わったら、実際に走ってみよう。画面表示を「ECO」に切り替えエコランモードにして使うと、発進して30km/hに達した後に停止するまでの区間のエコドライブ度を測定してくれる。実際に走行してみると、発信時にはいきなりアラーム音が鳴り響くことに驚く。かなりユックリと発進したつもりでも、スピードが乗る(40km/h程度)まではアラームが鳴りやすい。

 ちなみに愛車はマニュアル変速。どうしても1、2速で強くアクセルを踏んでしまうクセがあるようで、発進時にアラームを鳴らさないようにするのは一苦労。慣れてくると要領がつかめてくるが、広い幹線道路での流れの中ではやはり遅く感じ、後ろからのプレッシャーを感じつつの発進となる。

 だが30km/h以上あたりまで速度がのると、あまりアラームが鳴らなくなってくる。クルマがいったん動き出してからの加速は、人の感覚では分かりにくいのだろう。気持ちよく加速しても意外とアラームは鳴らない。このことからも「ユックリ走る≠エコドライブ」であることが体感できる。徐々に加速すれば、程度問題はあるが速度は上げても構わないのだ。

 なお、高速道路の合流や追い越し時など、マッタリ加速すると危険なシーンでは、アラームが鳴っても構わずにキッチリと加速するようにしたい。また、減速時もアラームが鳴るが、こちらは参考程度にとどめておき、構わずにブレーキングに集中してほしい。制動距離に余裕がある状況かつまわりにクルマがいない場合に、警告されない停車をしてみよう。早めにアクセルを戻せば効果は高くなる。

 加速時には「ACEL」、減速時には「brAE」、等速状態では「----」と表示が変わり状態が分かる。一度30km/hまで速度を上げた後に停車すると、区間運転採点が表示され、「Good 98」などと採点値が3回スクロール表示される。ちょっとしたゲームのようで、信号から信号までを走行する感覚が楽しくなる。

 ほかにも、「MODE」スイッチの切り替えで、全走行区間の平均採点値、Gレベル表示、速度表示、トリップメーター、走行時間、ガソリン消費量、ガソリン代といった表示を切り替えることができる。ただし、これらはキーをOFFにしエンジンを切るとリセットされてしまう点が残念。電源OFF時も値を保持してくれたり、複数区間のメモリー機能があったりすると便利に使える機器になるのではと思った。ガソリン消費量と燃費は実際の噴射量ではなく、あくまでも距離換算なので実燃費とは異なる。

 アラームは、同乗者がいる場合など消したいケースも多いが、消すにはいったん設定画面に入る必要がある。別にスイッチがあれば即座に消せるので便利だと感じた。電気工作が得意な方は、電源を切るスイッチを別配線してみてもよいかも知れない(もちろん製品保証はなくなる)。

「MODE」キーで「ECO」にすると、エコドライブ判定をしてくれるエコランモニターモードになる 加速時には「ACEL」と表示される 減速時には「brAE」と表示。どちらもアラーム(点滅)のギリギリを狙うのが最も燃料効率がよい
停止までの間でエコドライブに成功すると「Good」と表示される 続けて採点が行われる。パーフェクトなら「100」点だ
まったくダメな場合「bAd」。これは今までどおりの加速をした場合だった 思いっきり「0」点

 愛車は古いコンパクトカーではあるが、排気量は2000ccある少々アンバランスなモデル。何も考えずに走行した場合には、平均すると8km/L前後とコンパクトカーとしてあるまじき燃費で、なかなか10km/Lにはならないというような状況。しかも欧州車であるためハイオク指定である。ガソリンが高くなるとなかなか懐が痛い。

愛車のマルチファンクションディスプレイで区間平均燃費を表示させている。「8.7L/100」と表示されているが、この単位は「L/100km」で100km走行するのに必要な燃料の量。リッターあたりの走行距離に換算すると約11.5km/L。なかなかの好結果となった

 e-driveを取り付けて、なるべくアラームが鳴らないように500km程度走行してみた結果、11.5km/Lといきなり10km/Lを超え、かなりの燃費改善が見られた。これは市街地や渋滞路、郊外、高速道路などさまざまな条件がミックスした状況で2カ月程度乗り回した結果だ。高速道路だけであれば、14km/Lを超えることもあった。いかに普段の運転がおおざっぱであるかを身をもって知った。まだまだ燃費は改善できそうだ。

 この調子であれば、本体価格の元をとるのは意外と早いかもしれない。今後のガソリン価格の値上がりであわてないためにも、エコドライブテクを会得する先行投資と考えればよいだろう。なんといってもゲーム感覚のエコドライブ採点が、単調になりがちな運転を楽しませてくれる。これからの時代、シグナル間で競うのは速度ではなくエコ貢献度なのだ。


(村上俊一)
2011年 6月 17日

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