ワイパー交換でお手軽に撥水効果を
超強力シリコートワイパーブレード(輸入車対応)
メーカー:PIAA
価格:オープンプライス(購入価格:2980円/3390円[カーブタイプ])

 

 フロントウインドーに撥水加工をすると、雨天走行時に水滴を細かいダマとして弾いてくれる。その結果、ウインドーに水が幕としてつきにくくなり、雨天時の視界が確保しやすくなる。速度が出ていると、水滴は風で飛ばされやすくなり、高速走行の際は余計な緊張をしなくてすむのもメリットだ。

 このように撥水加工は雨天時の安全にもつながることは分かっていても、撥水加工した膜が劣化するとワイパーにビビリ音が出たり、夜間走行時の起きる乱反射などが気になったりしてくる。そのため、油膜取り→再度撥水加工という工程が必要となり、それが面倒で常時撥水加工することはなかった。

超強力シリコートワイパーブレード。ブリスターパッケージに入っている

 今回、目をつけたのが、ワイパーを動かすだけで撥水コーティングしてくれるというPIAA「輸入車対応超強力シリコートワイパーブレード」。ゴム表面の撥水成分がウインドーをコーティングしてくれるという仕組みだ。すでに交換時にきているワイパーブレードを替えることで、手間いらずの撥水加工を体験してみることにした。

 超強力シリコートワイパーには、いくつかのバリエーションがあり、主に国産車用向けと輸入車対応、そしてビッグスポイラーの付いたもの(輸入車も対応)の3シリーズがあり、それぞれブラックとカーボンカラーがラインアップされている。輸入車対応の製品には、各車種に合わせたクリップが付属しているほか、別売りのクリップも用意されている。フィッティングに関しては同社サイトで検索可能なので、参照してみるとよいだろう。

 なお、愛車を検索してみると「適合する製品がありません」という検索結果になるのだが、長さと取り付けクリップが合うようなので、自己責任で使用してみることにした。


PIAA 適合検索ページ
http://www.piaa.co.jp/c.p/sel.top


輸入車対応版でカーブワイパーがあるのがありがたい。運転席側のみ、カーブタイプを選択

 現在愛車に装着しているワイパーゴムは劣化が激しく、拭きムラも多くなってきている。劣化しているための交換でもあるが、ほかにももう1つ理由がある。元の純正ブレードはかなり湾曲したフロントウインドーに対してフィッティングがわるく、微妙に浮き気味なのも気になっていたのだ。このカーブをワイパーが拭く部分がちょうど運転席側になっていて(愛車は欧州車で右ハンドルだが、ワイパーは左用のままという微妙な仕様のせいでもある)、雨天時の拭きムラが基本的に発生しやすい。

 超強力シリコートワイパーの輸入車対応には、カーブワイパーが揃っているので、この曲面ウインドーに合うのではないかと予想したのだ。そのため、片側のみカーブタイプを選択した。

 また、ワイパー作動時には拭いている摩擦音の「キュッ」という音がかなり大きい。これはシリコンが塗布されるため、かなり軽減されるはずだ。


超強力シリコートワイパーの形状は一般的なトーナメント式ワイパー。手前はカーブタイプで曲線的な形状を保っているワイパーゴムの部分は、シリコンが染みこんでいるせいか、通常のものよりも白っぽく見えるアームに取り付けるためのクリップは、4種類付属している

 交換作業は簡単だ。まずは古いワイパーをフックから外す。取り付け基部にクリップが付いているので、クリップのストッパーを押してブレードを外す。ブレードを外すとアームの先端はU字型のフックになっている。ちなみに愛車に装着されていた純正ブレードはボッシュの製品だった。

 古いクリップをよく見て、超強力シリコートに付属のUクリップから適合するクリップを選び出す。これは購入前によく形状を確認しておき、対応した製品を選ぶのがベストだ。愛車では「C3」というクリップが適合。このクリップをブレード中央の軸に押し込んで装着する。メーカー名「PIAA」と刻印された側がボンネット側になるので、アーム先端のU字型フックのストッパーの向きをよく確認してクリップを装着する。アームのU字型フックにクリップを押し込むと「カチッ」とストッパーがはまる音がするので、取り付けがうまくいったことが分かるだろう。

 なお、過去の記事でもワイパー交換を扱っているので、交換作業はそちらの記事も参考になるだろう。

ワイパーを今はやりのフラットタイプに 「エアロツイン マルチ」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/minigoods/20100723_382430.html

ワイパー取り付け基部のクリップにあるストッパーを押して、外せるようにするフックからクリップを外すとワイパーが外れるワイパーを外すと、アーム先端がU字型のフックになっているのが分かる
外したクリップ部分を確認して、同じタイプを選ぶ。写真は元から付いていたクリップ(左)と、超強力シリコートワイパーに付属のクリップ「C3」(右)クリップの長さやストッパーの位置が合うタイプを選ぶ
軸にクリップを取り付ける。「PIAA CORP」と書かれた面がボンネット側になるようにクリップの向きに気をつける
ストッパーが「カチッ」と音がするまでフックにクリップを押し込むと装着される装着後の状態。くたびれたブレードが新品になるだけでも、だいぶ引き締まった印象を受ける

 ワイパー交換時には、ウインドーの油膜取りも同時に行うと効果が高い。今回は油膜は気になるほどではなかったので、単にウインドー洗浄のみにとどめたが、取扱説明書にも汚れと油膜は確実に落としてから、ワイパーを使用してほしいと書かれているので、最大限の効果を得たいなら油膜落とし作業は必須だろう。

 装着後ワイパーを動かしてみたが、古いワイパーに比べ格段にスムーズに動く。また、運転席側として選んだカーブタイプもバッチリとウインドー面にしっかり追従して拭き取ってくれ、拭き残しもなく視界はとてもキレイだ。今まで「キュッキュッ」と派手な音を出していた摩擦音も「スッスッ」とかなり軽減されている。ビビリ音もまったくない。

 撥水効果についてだが、ワイパー交換前は水がウインドー全体にダラっと広がっていくという、よくある状態。パッケージには5分間のワイパー動作で撥水効果が現れると書かれているので、交換後に水をかけながら5分間動作させてみた。

 油膜も取らず5分程度動作させたくらいでは、それほど大きな効果を期待していなかったのだが、驚くことに明らかな撥水効果が見て取れた。水滴がみるみる弾かれていく。ホースでかけた水は、コロコロとタマになって落ちていき気持ちがよい。

 この状態で近所を走ってみたが、愛車のウインドーはかなり寝ているので、少し速度が乗るととたんに水滴が流れていき視界から消えてしまった。雨の高速道路では、威力を発揮すること間違いないだろう。

ワイパー交換前のフロントウインドーに水をかけた状態。水は所々弾いているが、広く膜を作っている部分が多い超強力シリコートワイパーに交換後、水をかけながら5分間ワイパーを動作させ水をかけた。水滴が弾かれているのが分かる。十分に撥水効果が出ている運転席側用として選んだカーブタイプも、外側がわずかに浮き気味だが、ほぼウインドーに沿っている

 単純にワイパーを交換しただけでこれだけ効果が得られるのは、不精者にとってありがたいことこの上ない。雨の日には必ずワイパーを使うので、使う度に効果のある撥水加工がされれば言うことなしだろう。

 どれだけの期間この撥水状態が維持できるかが問題だが、メーカー側では、半年間撥水膜が持続し、ワイパーは1年ごとに交換することを推奨している。その際にはワイパーゴムだけの販売が行われているので、そちらを購入すればよい。ウインドーの撥水加工は面倒なので躊躇していたが、このワイパーならば簡単に持続させることができそうだ。

(村上俊一)
2011年 7月 22日

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