抜群に音のよいノイズ低減機能付きヘッドセット
「Bose Bluetooth headset Series 2」
メーカー:ボーズ
価格:1万7220円

 

Bluetooth headset Series 2は、シングルイヤーヘッドセットで、右耳用と左耳用をラインアップする。左が左耳用、右が右耳用

 Bluetooth搭載スマートフォンやフィーチャーフォンが当たり前のように売られている現在、車内で使用するハンズフリー機器にBluetooth対応のものを選ぶ人は多いだろう。各社からさまざまなBluetooth対応ハンズフリー機器が発売されているが、今回はスピーカーなどで有名なボーズ製のBluetooth 2.1対応シングルイヤーヘッドセット「Bose Bluetooth headset Series 2」(以下、headset Series 2)を紹介する。

 なお、ハンズフリー機器の車内での使用のガイドラインについては、過去の連載記事を参照してほしい。

 このheadset Series 2は、価格が1万7220円とBluetooth対応ヘッドセットとしては高価な部類に属する。その特徴は2つのマイクを搭載する「デュアルマイクロフォンシステム」により、外部の騒音を低減可能なノイズ低減機能を実現。通話相手に明瞭な音声を届けることが可能だと言う。

 また、ヘッドセットとして必要なHSP(Headset Profile)、HFP(Hands-Free Profile)のほか、ステレオ楽曲データを再生可能なA2DPに対応。右耳用、左耳用それぞれが用意された片耳用のヘッドセットながら、ステレオ楽曲データを、モノラル変換して聞くことができるとしている。

左耳用のheadset Series 2右耳用のheadset Series 2

 実際の使用は、通常のBluetooth対応ヘッドセットと、とくに変わるところはない。headset Series 2の電源を入れ、スマートフォン(iPhone 4Sで使用)でBluetooth機器の検索を行い、登録すれば、あっけなく使用可能となる。

iPhone 4SでのBluetooth接続設定。設定→一般からBluetoothの項目を選択headset Series 2の通話ボタンを長押ししてペアリング状態にし、iPhone側でBluetoothを「オン」にすると、デバイスの検索が始まる
無事検出できた。iPhoneの場合はこのまま登録できたが、機種によってはパスコードが要求されるものがあると言うテストで電話してみる。音声の接続先が選択でき、画面では最上段のheadset Series 2が選択されている

 使ってみて最初に気がつくのは、その付け心地のよさ。片耳用ヘッドセットでは、耳の外側に引っかけるタイプもあるのだが、headset Series 2ではウイング型のシリコン製インナーイヤー「StayHearチップ」を使って、耳の内側に引っかける。本体の重さも12gと軽く、StayHearチップのサイズもS/M/Lの3サイズが付属するため、違和感を感じる人は少ないのではないだろうか。とくに筆者のようなメガネを使うドライバーには理想的。2時間くらい付けっぱなしにしても、痛くなることはなかった。

右耳用のheadset Series 2。上部には通話ボタンや音量ボタンが並ぶ右耳用のheadset Series 2を後方から。デュアルマイクロフォンシステムの構造などが分かる。充電用のUSB端子は、ここにあるheadset Series 2から、StayHearチップを取り外したところ
StayHearチップは、S/M/Lの3種類が付属し、耳にあわせて変更可能だheadset Series 2の取り付け側。ウイング形状がよく分かる。青く光っているのは、ペアリング先の検索を行っているため

 通話してさらに驚くのは、ヘッドセットとしては十分以上の音のよさだ。そもそもヘッドセットは通話相手の声が明瞭に聞こえ、自分の声が通話相手に明瞭に届けばよいのだが、ボーズブランドの製品だけに音のよさが際立っている。その音質もボーズらしい、人の声(ボーカル部)がはっきりしたもので、ボーズ好きなら一発で分かるほどの押し出し感のある音となる。ある意味、オーバークオリティとも言える部分だ。

 このheadset Series 2は、A2DPプロファイルにも対応しているため、スマートフォン内の音楽再生を楽しめる。ステレオデータがモノラルとなる(片耳用なので当然)が、その音質は音楽として楽しめる領域に達している。奥行き感のある音で、聞き疲れもないものだった。

 通話相手の声は、とてもクリアで聞き取りやすいものの、こちらの声は相手にきちんと届いているのだろうか。headset Series 2は、デュアルマイクロホンシステムによって、この点にも配慮されており、周囲の騒音や風切り音を低減する機構が組み込まれている。今回は、左耳用、右耳用を用意し、右ステアリング位置の国産車で、その聞こえ具合を確認してみた。

 まず、左耳にheadset Series 2を取り付け高速道路を走行。サイドウインドーを下げて運転しても、問題なく通話できた。次にサイドウインドー側となる右耳にheadset Series 2を取り付け同様に高速道路を走行。サイドウインドーを下げて運転しても、こちらも問題なく通話できた。80km/hの高速走行の風切り音は、処理できる能力があるのだろう。

左耳用のheadset Series 2を付けたところ。重さも12gと、見た目より軽いやや上部から撮影。シリコン製のStayHearチップのホールド感は高いのだが、わずらわしさはほとんどない

 実際に購入する際に悩むのは、左耳用を買うべきか右耳用を買うべきかということ。この製品の発表会においてボーズの担当者は、「外部騒音の進入の問題から、右ステアリング車を乗られる方は左耳用を、左ステアリング車を乗られる方は右耳用をお勧めします」とコメントしており、この選択であれば安全面でも外部の音をヘッドセットを付けていない耳で得やすい。

 また、今回iPhone 4Sと組み合わせて使用したのだが、思いのほか便利だったのが、音声アシスタントサービス「Siri(シリ)」と組み合わせての使用。Siriを立ち上げ、「カーウオッチに電話」と話しかけると、あらかじめ「カーウオッチ」で登録してある電話番号にiPhoneが電話をかけてくれ、headset Series 2を使って通話ができる。これは、headset Series 2の独自の機能ではないが、画面を見ることなくハンズフリー通話ができるのは、使い勝手として優れているところだ。

Siriでの通話例。まずSiriを立ち上げて「カーウオッチに電話」と話しかける
“カーウオッチに電話”と認識し、電話帳から該当電話番号を拾い上げる電話をかけ、通話に移行できる

 なお、両耳に付けてステレオ楽曲が楽しめるかどうか試してみたが、そもそもBluetoothのペアリング時に、どちらかの製品しか接続できない。ハンズフリー通話用のシンクルイヤーヘッドセットのため、当然と言えば当然の結果だった。

 性能的には申し分のないheadset Series 2だが、ネックとなるのはその価格。格安ヘッドセットが2つ以上買えるものだけに、悩んでしまうところだろう。ただ、1度使ってしまうと、その音質のよさや装着感、通話の確実性など、ハンズフリー機器として満足度の高い製品だ。

(編集部:谷川 潔)
2012年 7月 6日

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