「静音計画 カタカタ音防止シート」を
DIYでグローブボックスに施工


エーモン工業「静音計画 カタカタ音防止シート」
価格:980円

 

エーモン工業「静音計画 カタカタ音防止シート」

 世の中に、まさに星の数ほど出回っているカー用品。中にはローンを組みたくなるような高額な商品もあるが、お小遣い程度で買えるグッズだけでも試しきれないほどたくさんの種類が存在する。そこで編集部スタッフが実際に気になるグッズを体当たりで試してみようというのがこの企画。これから週替わりでスタッフがレビューをお届けする。

 第1回を務めるのは私、瀬戸とその愛車のNA型ロードスター。ロードスターは1995年式の15年選手。くしくもエコカー補助金の守備範囲だが、あいにく(?)現行NC型ロードスターはエコカー補助金の適応外なので買い換える気は今のところない。

 そんな筆者が使ってみたいと物欲を刺激されたのが、DIY向けの部材を多数ラインアップするエーモン工業のニューフェイス「静音計画」だ。静音計画というのは、シリーズの名前で、その名のとおり車内を静かにするための、フロアマット下に敷くマットや、ボンネット裏に貼る静音シート、ドアのすき間を埋めて風切り音を防止する商品などがそろっている。しかし、カーオーディオにこだわっている筆者は、フロアのデッドニングやボンネット裏の防音などはすでに施工済み。オープンカーで風切り音を気にしても意味がないということで、これはスルーか?と思ったところで、ひとつ気になるグッズを発見。それが「カタカタ音防止シート」だ。

 これは、ドアポケットやグローブボックスに貼ることのできるフェルトで、資料によれば、ある程度は伸びるらしい。実はグローブボックスにCDケースなどを入れておくと、中で振動してカタカタ鳴るのが気になっていて、いつかフェルトとスプレーのりで対策しようと構想だけは練っていたのだ。そこに現れたのが、このカタカタ音防止シートというわけだ。

シートは引っ張るとこれぐらい伸びる。長さが伸びると若干幅が細くなる感じだ接着面もフェルト部に追従して伸びる
シートの厚さは0.5~1.0mm程度

 簡単に商品の説明をすると、厚さ1mm程度の粗毛ニードルフェルトの片面にアクリル系粘着剤を付けたもの。フェルトの色は黒に近いグレーで、サイズは約500×400mmの1枚入り。価格は980円。必要な工具はハサミだけだし、この価格なら試してみて失敗しても痛くはないかな。

 実際の作業は、NA型ロードスターの場合、ヒンジのネジを外すだけでグローブボックスが取れるので、グローブボックスを外して作業した。ただし最近の車は、ネジではなくプラスチックのクリップを使っている場合が多く、無理に外そうとするとクリップを壊してしまうこともあるので、外しにくいようなら、装着したままで作業したほうがよいだろう。

 細かな作業手順は写真を使って説明していこう。

NA型ロードスターの場合、プラスのネジを2本外すだけで、グローブボックスを取り外すことができるもともとグローブボックス自体が振動して異音を出していたので、これまでスポンジテープを貼って振動を抑えていた
ブレーキクリーナーを使ってグローブボックス内側を脱脂。直接吹き付けるのは樹脂にきびしそうなので、ウエスに吹いて拭き上げた現物合わせで型を決める。一枚貼りでいこうと思っていたが、幅が足りず側面を別に貼ることにした
油性ペンで幅をマーキング。型紙があればもっとよかったのだがハサミで切る。カッターよりもハサミのほうが切りやすいはく離紙をはがす。広い面積を貼るので、少しずつはく離紙をはがしながら貼り付けていく
凸凹が少なく貼りやすそうな天面側から貼って行くが、後にこれが失敗だと発覚するシワができないように、中心から外側に向かって指の腹で押さえながら貼り込んでいく奥で折り返して底面にも貼り込んでいく
最後の難所がこのキャッチ部分の大きな出っ張り。シートを横方向に引っ張りながら、凸凹面に沿うように貼り付ける軽く貼った程度なら、ある程度の貼り直しはできるので、うまくいかなかったら一度はがして貼り直していく当初は所々切れ込みを入れる必要があるかと思っていたが、予想以上の伸縮性で、大きな凸凹にも見事フィット
まずは天面と底面の貼り付け完了。途中伸ばしながら貼り込んだため、最後に貼った、最も目立つ底面手前の部分がゆがんでしまった。最初に目に付く部分から貼り込んでいったほうがよかったようだ予想以上に伸縮性は高く、凸凹にも柔軟になじむ底面より天面のほうが幅が若干狭かったらしく、左右が余ってしまったので、カッターで取り除く……
しかしフェルトの繊維が引っかかってなかなか切れないので、最後はハサミを使った。薄いワリに丈夫なようだのりは、はがしても跡が残ったりはしないタイプだよれよれになってしまった底面手前部分もカッターとハサミで整えることにした
続いて側面に貼る部分をカット。多少大きめにカットしたら、実際にあてがって、サイズを微調整する。やっていることと言ったらDIYというより図工の世界だ形が決まったら、もう1枚左右対称になるものをカットする
側面も貼って行く。意外と難しいのが、貼っている内に引っ張られて伸びてしまうこと。最初に型を取ったのが無駄になってしまう。伸びると先に貼った部分と重なってしまうのだが、よい意味で誤算だったのは、重なって貼っても違和感は少なくはがれるようなこともなかった重なってしまっても違和感がないことが分かったので、さきほど中途半端に貼れなかった底面手前部分に、余ったシートを貼ることにした
中途半端に貼り残しができてしまったが……さらに切れ端を使って埋めて行く
角にできたすき間も小さく切ったシートを貼ればほとんど目立たなくなる
完成。シートの継ぎ目は言われなければ分からないレベルついでにダッシュボードと接触する部分にも余ったシートを貼ってカタカタ音対策装着して完成。カタカタ音防止もさることながら、見た目の高級感アップで満足度高し

 施工後の仕上がりには大満足。とにかく見栄えがよくて、車の質感がグッと上がった感じだ。伸びがよいので、がんばって型取りしても、なかなか思いどおりには貼れなかったりもしたが、シート自体がそれほど分厚くはないので、重ね貼りしても目立たないし、切った貼ったで帳尻は合わせられてしまう。貼り直しもある程度なら可能というのも作業を容易にしてくれている。

施工前と施工後、その差は一目りょう然で、高級感アップに大満足

 静粛性のアップという意味では、もっと厚めのフェルト素材のほうが効果は高いと思うが、作業性も踏まえると、ちょうどよい厚さだろう。今回施工したグローブボックスのほかにも、センターコンソールやドアポケットなど多少形状が複雑なところにも使えそうだし、ラゲッジルームの内張りに貼れば、荷物がぶつかって付いた傷を隠すこともできそうだ。そういった意味では、黒系の色だけでなく、ベージュ系の色があったほうがよいだろうし、もっと大きいサイズのラインアップも欲しいところだ。

 最後の問題ははがれないかということだが、装着して2週間以上、今のところはがれそうな様子はない。最大の山場は夏だろう。気温が上がれば粘着力は落ちるので、そのときはがれないかが問題だ。まあ、金額を考えれば、もう一度貼り直せばよいレベルではあるが。

(瀬戸 学 /Photo:安田 剛)
2010年 1月 29日