フェラーリサウンドを満喫
「サウンドレーサー V12」
メーカー:ハンズトレーディング(輸入元)
価格:6900円

 

フェラーリサウンドを奏でるサウンドレーサー V12

 Sound Racer(サウンドレーサー)シリーズに、新たに「サウンドレーサー V12」が追加された。

 サウンドレーサーシリーズは、本体をシガーソケットに差し込むことで気軽に大排気量車のエンジンサウンドを楽しめるというもの。エンジンの回転数に連動して、サウンドレーサーのエンジン音も変わる仕組みまで備えている。ただエンジン音を奏でるだけでなく、FMトランスミッターとしての機能を有し、付属ケーブルと手持ちのポータブルオーディオプレーヤーを接続すれば音楽も楽しめる。

 サウンドレーサーシリーズは以前にも紹介しており、そのときのラインアップはV8サウンドモデルとV10サウンドモデルの2種類だった。V8サウンドモデルはシェルビー・コブラのエンジンを、V10サウンドモデルはランボルギーニ・ガヤルドのエンジンを音源にしており、いずれも独特の大排気量サウンドを楽しめるものだった。

 そして今回追加されたサウンドレーサー V12は、その名のとおりV12エンジンサウンドを発生するのだが、他モデルとは異なり“プレミアムエディション”の名が与えられた。なぜプレミアムかと言うと、同シリーズ初となるレーシングカーのエンジンサウンドを収録しているから。レーシングカーは水平対向12気筒エンジンを搭載した、フェラーリ512BB LM(1980年)を採用し、実際に伊ムジェロサーキットを走らせて収録するというこだわりようで、アフターファイア音まで再現していると言う。

 ほかのサウンドレーサーシリーズと同じく、本体はカーボン柄でレーシーなイメージ。唯一異なるのは本体中央に配置する「V12」ロゴのカラーで、V8/V10モデルはグリーンだったが、さすがプレミアム、V12モデルはフェラーリを想起させるレッドとなる。

サウンドレーサー V12のパッケージも、本体と同じくカーボン柄でかっこよい梱包時、本体はチェッカーフラッグ柄の布にくるまれている本体中央のロゴカラーはV8/V10モデルはグリーンだったが、V12モデルはレッド。その両側にある「+」「-」ボタンで送信周波数の調整を行う。送信周波数は88.1MHz~107.9MHzの範囲で0.1MHz単位で調整できる
本体部全体がカーボン調のデザインで、レーシーなデザインに仕上がっている本体の下側に3.5mmステレオ入力端子がある

 サウンドレーサーの設定については以前も紹介しているが、おさらいしておく。まず始めにサイドブレーキを引くとともにギアをニュートラルにして、シガーライターソケットにサウンドレーサー本体を差し込む。そしてFMラジオと本体ディスプレイに表示される周波数を一致させる。

 次にエンジン回転数を2500rpm~3000rpmまで上げてから、アクセルを離してアイドリング状態に戻すと、オルタネーターからのパルスを検出したことをあらわすビープ音(ピピッと鳴る)がスピーカーから流れる。このパルスでエンジンの回転数を得て、サウンドと変化させているのだ。このビープ音が鳴ったら設定は終了となる。

 あとは装着するクルマのエンジン回転数に連動して、フェラーリサウンドがスピーカーから流れる仕組みだ。

 前置きはこのくらいにして、実際にそのフェラーリサウンドを聞いていただこう。




【動画1】2000rpmあたりからのカン高いサウンドになる



【動画2】ひと踏み目にパルスを検出できなかったか、反応せず

 実際に聞いてみると、確かにV8サウンドやV10サウンドとやや異なり、カン高いように聞こえる。さすがにフェラーリ512BB LMのナマの音を聞いたことがないので忠実に再現できているかどうかは定かではないが、簡単に設定できるわりにしっかりエンジン回転に比例したサウンドを奏でるし、なかなか楽しい。テストだからと思いつつ、気がついたらいつもよりアクセルを踏んでいたのが何よりの証拠だろう。

 今回、テスト前にもっとも期待していたのはアフターファイアー音。フェラーリから聞こえるあの独特の「ボボッ」というアフターファイアー音が、どのくらい再現できているのか楽しみだった。

 実際に走っている最中、確かにスピーカーから「ボッ」という音が聞こえてくるのだが、残念なことにFMトランスミッターが拾うノイズにかき消されてしまうくらい、か細い音だった。レース車両だから、この辺りは多少過剰に演出するほうがウケがよい気がした。

 また、これも前回のレビューでも記載したが、たまにオルタネーターから発生するパルスを検出できないときがあり、アクセルを踏んでもアイドリング音しかしないことも、何度かあった(ちなみに動画2のひと踏み目は反応していない)。

 この検出できない事象については、ハンズトレーディングのWebサイトにも理由が記載されているが、パルス検出をしにくい車種があるとともに、電装品からノイズが発生している場合は誤作動を起こしてしまうケースがあるのだそう。

 ちなみにWebサイトには検出が良好な車種のリスト(http://www.hans.co.jp/sr/list.html)も掲載されている。V12モデルはまだ出たてなので、現時点(11月11日)ではダイハツ「マックス」、マツダ「ロードスター(NC)」「AZ-1」、日産「シルビア(S15)」、スズキ「ワゴンR(MH)」、プジョー「207」「407」、ボルボ「850」、サーブ「9-5(EB)」が良好なモデルとして紹介されている。

 V12サウンドも魅力の1つだが、ほかのFMトランスミッターより格好がよいのもこの製品の特徴。ガジェット好きもきっと満足するはずだ。

(編集部:小林 隆)
2010年 11月 12日

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