ボディー加工なし! 簡単装着バックカメラ
「BCAM3W」
メーカー:ビートソニック
価格:1万6800円

 

パッケージは簡易なブリスターパックタイプ、この普通自動車用のほか黄色にペイントされた軽自動車用(BCAM3Y)もラインアップされている

 この連載で2度バックカメラをレビューしているが、ついに3回目である。バックカメラの役目や効能など書く必要性は薄いと思われるので、前置きは省いてすぐにレビューに入ることにしよう。そのあたりに興味のある向きは関連記事「お手軽&格安のバックカメラ」「高画質のアドオン用バックカメラ」を参照して欲しい。

 さて、今回レビューするのは、ビートソニックが11月に発売した「カメレオンアイ」シリーズの新製品だ。同社はオーディオ系のアイテムやカーナビの取り付けキットなどで知られているが、バックカメラも以前からリリースしており、今回取り上げるのはカメレオンアイシリーズの2モデル目となる。

 カメレオンアイシリーズはナンバープレートのボルトを利用して取り付けるバックカメラで、カメラボディーをナンバープレートと同色とすることで目立たないようにしている(だからBCAM3Yには白と黄色が用意されている)。

 そんなカメレオンシリーズの特徴はそのままに、中心に穴の開いた専用のナンバープレート固定用ボルトに配線を通すことで装着を簡略化しているのが、新製品の大きなポイントだ。

内容物一覧。カメラ&ケーブル、電源&映像ケーブル、防水用のシリコンシーラント、写真には写っていないが説明書も添付されている

 パッケージに入っているのはカメラとハーネス、それに防水用のシリコンシーラントとシンプル。簡易的なものだが説明書が同封されており、このあたりは日本ならではの親切設計だ。もっとも、バックカメラの取り付け難易度は、TVとビデオの接続と同じ程度だし、この製品ならボディーなどに穴を開ける必要がなく、使い方や同梱物が複雑というワケでもないので、それほど重要性は高くなかったりするけれど……。

 カメラの撮像素子は1/4インチのカラーCMOSセンサーで、画角は水平約135度、垂直約90度。最低照度が0.6lux、有効画素数は約31.6万画素(648×488)、S/N比が50dB以上というスペック。前回紹介した「T-7/B」と比べると最低照度で若干劣るものの、画素数とS/N比はアップしているから、十分な光量がある状況ではかなりキレイな映像が期待できそうだ。

カメラ&ケーブル。カメラは19×18.5mm(直径×長さ)と親指の先より小さい。カメラから出たケーブルはナンバー固定ボルトの中心を通ってミニプラグに。ケーブルの長さは約3mと十分
電源&映像ケーブル。白いプラグがカメラとの接続側。赤が+12V、黒がアースでケーブル長は約4m、RCAプラグは映像出力で約8mと、かなり複雑な配線をしても大丈夫だ

 電気的な装着はこれまで紹介してきたモデルと同じ。電源をバックランプ(12V)から取ってボディーにアースを接続、RCAプラグの映像出力をナビやモニターの入力端子に挿入すればいい。

 一般的なバックカメラだとカメラの装着場所や配線の取り回しに悩むところだけど、このアイテムならそんな悩みとは一切無縁。ナンバープレートの固定ボルトを外して、そこにカメラとボルトをネジ込むだけでいい。実際、テストに使っているクルマは電源と映像端子がリアゲートまで来ているので、内装の取り外し&装着も含めて10分ほどで終わってしまったほどだ。

 ナンバー部分を利用するとなると保安基準への適合が気になるところだけど、正規に取り付ければ突起物に対する規制に適合する。また、ナンバープレート部分への装着には明確な禁止規定はないものの、同社ではプレート色と同色化および文字の視認性を妨げないことで、問題なしという見解としている。実際、少しは離れた場所から見ると、付いていることが分からないくらいだ。

ナンバープレートの封緘と逆側のボルトを外し、その穴にケーブルを通す裏側から引き出す。クルマの構造によって異なってくるので、装着前(できれば購入前)にケーブルが出せるかどうかをチェックしておきたい
カメラ側のコネクタと電源側のコネクタを接続。防水を考慮してかかなり深く差し込む必要がある10mmのレンチでボルトを締める。ケーブルは空回りするようになっているけれど、ネジれないように注意して作業する必要がある
装着状態。アップではそれなりに目立つものの、少し離れるとほとんど目立たない

 さっそくいつもの駐車場で映像をチェック。たまたまかもしれないけれど、カメラが写しだした映像は、バンパーの見え方といい、空と地上の配分といいちょうどいい塩梅。ただ、元々付いていたカメラの配線にプラスして装着するという手抜きをしたためか、ゴーストが出てしまった。

約1000mmの高さに装着した状態。若干右に傾いているけれど、レンズ部分を回転させることができるので、カンタンに調整できる薄暗い立体駐車場での映像。明るさそのものは十分だけど、ゴーストが気になる。が、これは取り付け方に問題がありそうだ

 ということで別のクルマにも装着してテストしてみた。手順そのものは変わらないので詳細は省略するけれど、こちらは装着されているモニターがカメラよりも解像度が低いモデルながら、RCA接続であることを感じさせない美しさ。昼間の映像は全体的に色ノリが浅い印象となっているが、解像度とS/N比はスペック通り高く感じられ、遠くのクルマなどもクッキリ。夜間は、わずかな街灯しかない住宅地などではわずかに視認性が落ちるものの、ライトアップされている駐車場ではまったく問題のない明るさだった。

取り付け方法は基本的に変わらず。バンパーにナンバーが付くクルマの場合、コンビランプなどのハーネスが通っている場所を利用してここからトランク内に
カメラを装着するとこんな感じに。カメラの高さは地面から約500mmの位置になった。このままだとボルトとケーブルの隙間から水が入るので、同梱のシリコンシーラントで防水処理を忘れずに配線用の小物は同梱されていないのでカーショップやホームセンターなどで購入し、こんな感じで処理しておこう
電源はトランク内などから分岐するのがベター。アースは既存の場所に共締めするのが手っ取り早い
最後にカーナビやテレビの映像入力端子に接続写真右のような位置関係でのカメラ映像。モニターの解像度が480×234ピクセルしかないためカメラの性能を活かし切れていないし、ちょっと逆光気味なのが残念だけど、鮮明さは十分満足できるもの
夜間、それなりに照明がある屋外の駐車場での映像。モノトーンになってしまうものの、全体的に十分な明るさで映し出された。これなら障害物があってもすぐ分かりそうだかなり暗い住宅街の路地での夜間映像。ちなみにこの画像はブレーキを踏んだ状態で、手前の陰はブレーキランプがバンパーに蹴られている部分。さすがにノイズが増えてしまっているけれど、バックカメラとしての役割は十分果たしている

 今回紹介したカメレオンアイ「BCAM3W」は、取り付け場所や配線の取り回しに悩まずに済むのがとにかくラクでいい。カメラそのものの性能も高く、映像の品質はかなり高いレベルにある。ボディーやパネルなどに穴を開けずに済むから元に戻すのもカンタン。新車購入時に下取りに出すなんてことになっても影響はほとんどないハズだから、DIYで装着するにはまさにピッタリなアイテムといえる。

(安田 剛)
2011年 1月 7日

Amazonでお買い物