ナンバープレートボルトをドレスアップしつつ盗難抑止
セキュリティナンバーボルト「BA-63」
メーカー:ユキトレーディング
オープンプライス(購入価格:1000円)

 

セキュリティナンバーボルト BA-63

 自動車のナンバープレートが盗難の被害に遭いやすいことはご存じだろうか。リアのナンバープレートは封印がされているが、フロントはプラスドライバーさえあれば外すことができてしまう。こういった被害を防止するため、ナンバーを取り付けているボルトを簡単に外すことのできないものに取り替えることで、盗難を予防する製品が存在する。今回はこの種の製品を選んでみた。

 ナンバープレートを改造して盗難車を乗りまわすためなのか知るよしもないが、ナンバープレートの盗難は想像しているよりも被害数が多い。特に大阪府は突出して多いようで、盗難防止ボルトをキャンペーン配布するほどだ。

・大阪府警「愛車のナンバープレートを盗まれないようにしましょう!!」
http://www.police.pref.osaka.jp/05bouhan/gaitohanzai/07number.html

 実際にナンバープレートを盗まれてしまうと、金銭的被害よりも手続きのほうが面倒になる。警察へ盗難届けを出し、運輸支局へナンバープレートの再交付手続きに行かなくてはならない。再交付の際は、ナンバープレート代として1480円がかかる。もちろんその間、フロントだけとはいえナンバーがないままクルマを走行させることはできないので、急用でクルマが必要なら、仮ナンバーを申請したり返却したりするという手続きも生じる。仮ナンバーの期間は5日間、費用は750円かかる。これら一連の手続きは想像しただけでもかなり面倒だ。盗難予防は無駄ではないだろう。

 今回、ナンバープレートの盗難防止も頭にあったが、ナンバープレートを止めているボルトが、8年ほど経過したこともありかなり錆びてみすぼらしくなっている状況をなんとかしたいという思惑もあった。単にボルトを付け替えれば数百円で済むのだが、どうせなら盗難抑止効果のあるものにしようと決めたのがこの「セキュリティナンバーボルト BA-63」だ。ボルト2本の価格と考えると割高な感じもするが、盗難による面倒な作業を防ぐ先行投資と考えることにする。

セキュリティナンバーボルト BA-63には、真鍮削り出しのボルト2本と専用特殊スパナが含まれるボルト頭部には、4つの切り欠きがある専用特殊スパナがボルトの切り欠きにあう作りになっている

 盗難防止用のボルトを探してみると、ショップでのみ付け外しが可能なタイプや破壊しないと取り外せないタイプなど、本格的な仕様の製品も目に入る。しかし今回はあまり本格的なものではなく、専用工具は必要でも付け外しが自分で可能で再利用も可能な、比較的手軽な製品を選んでみた。ボルトを一見すると通常の工具では外せないことが判別できるので、盗難抑止効果は十分にあるだろうと見越しての選択だ。

 こういった製品は、強引に何かで挟んで回せば、外すことも不可能ではないと思われるので、あくまでも抑止効果があるだけで100%盗難を防ぐものではない。「盗難を完全に防止するものではない」ことはパッケージに明記されている。

 また、この製品はシンプルなデザインで高級感があるのも購入の大きな動機。材質は真鍮の削り出しで、ハードクロームめっき仕上げも高級感がある。ボルト径は6mmなので、同サイズのボルトであればどこでも交換可能だ。2輪車のナンバープレートにも利用できるが、2輪車のナンバー取り付け部分は、背面ナットが固定されておらず、ナットを回せてしまうため盗難抑止効果が薄れてしまう点には注意してほしい。

 実際の取り付け作業はいたって簡単。プラスドライバーや10mmのスパナもしくはソケットレンチ(これらは付属していないので自前で用意する)で元のボルトを左回しで取り外し、「セキュリティナンバーボルト BA-63」に付属する専用レンチを使い右回しで締め付ける。

 ボルトには4つの溝があるので、この溝に合わせるように専用レンチの突起をしっかりとはめ込んでから回す。2本ある取り付けボルトを両方外してしまわずに、片方ずつ作業すればナンバープレートが動かないので穴合わせも不要で交換作業がラクになる。

 以後定期的に振動で緩んでいないか、増し締めしておけば緩んで落とすこともなくなるだろう。スプリングワッシャーを別途用意し、挟んでおけば緩みを防止できるはずだ。

元のナンバープレートに取り付けられていたボルトを外す工具は付属していないので、別途用意する。プラスドライバー、10mmスパナもしくはソケットレンチで外す長年乗っているため取り付けボルトが錆びてみすぼらしい。今回これをなんとかしたかった錆が激しいので、外す前に潤滑剤のクレ「5-56」を吹き付けてボルトを回しやすくしておいた
プラスドライバーでは固着して回りそうもなかったので、ソケットレンチを使って外した外してみたら、錆が周囲にも拡大していた作業のついでに金属研磨材を使って錆を落とすことにした
セキュリティナンバーボルトの取り付け。ある程度までは手でねじ込んでしまうほうが早い最後は付属の専用のレンチでしっかりと締め込む無事装着完了。とくに難しい作業ではない

 取り付け後は、専用のレンチをなくさないように大切に保管しておくようにしてほしい。グローブボックスなどに車検証と一緒に入れておくとよいだろう。自分は過去にホイール用の盗難防止ボルトの専用レンチを紛失して、取り外すのに大変苦労した。読者諸氏は、くれぐれも同じ目に遭わないようにしてほしい。

 セキュリティナンバーボルトは、取り付け後の見た目もスッキリしたデザインで高級感があり、個人的には気に入っている。後はナンバー泥棒が盗難防止ボルトを見てあきらめてくれるのを期待しよう。

セキュリティナンバーボルトの突起状況。通常のボルトとは異なる尖ったデザインになっているナンバープレート全体を見ても、それほど目立たず、ワンポイントデザインとしてわるくはない

(村上俊一)
2011年 2月 25日