冬の乾燥時に静電気による「バチッ!」を防ぐ
レジテックミニピンク「NZ973」
メーカー:カーメイト
価格:オープンプライス(購入価格:700円)

 

 冬の時期にクルマに乗ると必ずといってよいほど悩まされるのが、乗り降りの際にドアに触ったとたん「バチッ!」とくる静電気。今回はこれを低減させるグッズだ。取り上げるのは、カーメイトのレジテックミニピンク「NZ973」という製品。アクセサリー感覚で、キーやケータイと一緒にぶら下げておき、「バチッ!」ときそうな前に、これを介して触れておき静電気を逃がす。

カーメイト レジテックミニピンク「NZ973」のパッケージレジテックミニピンク「NZ973」。キーチェーンがついたアクセサリーのような形

 静電気は主に摩擦によって生まれる。子供の頃、頭の上でプラスチック下敷きをこすりつけ、髪の毛を逆立てて遊んだ経験はないだろうか。これが静電気が発生して起こる現象だ。この静電気は少しずつ体内に蓄積される。人は動く際に衣服がこすれるため、常に摩擦で発電しているような状態といえる。さらに乾燥気味の冬は摩擦による電気が起きやすくなる。運転時は、常に体を動かしているため静電気がたまりやすい状態といえるだろう。近年、フリースなどアクリル起毛素材を使った洋服も多くなっている。このような服を着ていると、さらに静電気をためやすい。

 体に帯電した静電気がイッキに移動しようとすると、指先など触れた部分にあの電撃が走る。おおよそ3,000Vあたりから痛みを感じ、10,000Vを超えると電撃として感じるようになる。10,000V超えというと恐ろしく感じるが、一瞬なので不快なだけで体に害はないという説が一般的。ただあまりため過ぎないほうがいいとは思うので、たまってきたなと感じたら、(頭髪の先端がフワフワ浮いたりするので判断できる)時々この静電気除去グッズを使って放電するのはわるくないはずだ。

 セルフガソリンスタンドでは静電気から引火のおそれがあるので、給油前にしっかり除去しておく必要がある。こちらはスタンドに静電気除去用パッドが設置されているのでそれを使おう。

 静電気が急激に移動しようとするのには理由がある。雷と同じような原理で、近づいた箇所が地面と繋がっていて(接地やアースと呼ぶ)、金属など電気が流れやすい素材(導体)だからだ。まさにクルマのボディーがそれにあたる。接地面のタイヤはゴムなので地面とは直接繋がっていないが、大きな金属の塊のため接地しているのと同じように機能してしまうのだ。

 実は静電気は金属だけでなく、電気の流れにくい物質(絶縁体)の木やコンクリートなどにも流れていく。普段はこのような物質に触れることで時間をかけて少しずつ流れていくため痛みをともなわない。また湿度が高い季節は静電気が逃げやすく、湿度の低くなる冬以外にはあまり静電気を感じることはないはずだ。

 静電気除去グッズはこの原理をうまく使い、金属のボディーに直接触れる前に、電気が急激に流れない抵抗値の大きな素材を介してユックリと静電気を地面に逃がしてやることで電撃を感じないようにするという仕組みを使っている。

 このNZ973も同じ仕組みで、先端部分にレジテックと呼ぶ金属とゴムの中間の抵抗値を持つ素材を使っていて、徐々にゆっくりと確実に静電気を逃がしてくれるというのが特徴だ。じわっと流れるので電撃にならない。中間部分にネオン管があり、体に静電気が帯電していて流れた瞬間に点灯して確認できる仕組みになっている。電気で点灯するが当然ながら電池は入っていない。

 レジテックを使ったシリーズはこの製品以外にも、さまざまな形状の製品がラインアップされている。このモデルはシンプルでコンパクトなデザインなので選択した。アクセサリー感覚のキャラクターをあしらったモデルなども用意されているので、好みで選択してほしい。

大きさを単3形電池と並べて比較してみた。持ち歩きに気になるようなサイズではない普段はクルマのキーに繋げておくと持ち歩きやすい。コンパクトなのでキーと一緒にしてもじゃまにならない

 普段はクルマのキーなどと一緒にぶら下げておき、クルマに乗る前や降りる際など、ドアに触れる前にこの「NZ973」を握り金属部分に触れるという使い方をする。カギ穴など直接金属が露出している部分がもっとも効果的だ。先端部分のレジテックはゴムのような素材なので、ボディーを傷つける心配はない。握る際にはキーホルダー部分も含めて、素手でしっかりと握る必要がある。

 体に静電気が帯電していると、ネオンが点灯して静電気が通っていることが目で確認できる。もちろんこの間に電撃を感じることはない。数秒間光って後は徐々に消えていく。完全に消灯すれば静電気を逃がしたことになる。この直後であればドアなど金属に触れても電撃を感じることはなくなる。

 ネオン管は体がかなり帯電した状態でないと光らない。光ってもわずかな光量なので、日中の屋外では光っているかの確認は難しいこともあると思われる。ネオンが光るかどうかはあまり気にせず、とりあえず金属部分に触れる前に使っておく習慣にしてしまうと、いいのではないかと感じた。

ドアのキー部分など金属部分に先端を接触させると静電気がゆっくり放電する。素手でチェーン部と共に握るのがコツちょっと見にくいが、ネオンが光っている様子。明るく輝くという感じではなく、ほんのりと点灯する程度。放電が終わると消える

 使い始めてから強烈な電撃にみまわれていない。クルマのボディーに触れる乗降車時のみではなく、日常生活でも台所のシンクまわりなどで電撃に見舞われていたので、水道の蛇口を使い、静電気を放電するのに重宝している。とりあえずあの心臓にわるい電撃の恐怖から逃れるため、冬の間の必需品となった。

(村上俊一)
2012年 2月 10日

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