特別企画
【特別企画】奥川浩彦の「WTCC(世界ツーリングカー選手権)フォトコンテスト」撮影ガイド(第2回 鈴鹿サーキット東コース編)
1~2コーナーから逆バンクまでの撮影ポイントを解説
(2014/10/21 12:14)
2014年も「WTCC(世界ツーリングカー選手権)JVCKENWOOD 日本ラウンド」が鈴鹿サーキットで開催される。このWTCC開催にあわせ、4年連続でCar Watch、デジカメWatchが主催のWTCCフォトコンテスト(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140926_668477.html)が開催されることになった。第2回となる今回の記事では、鈴鹿サーキットの東コースの撮影ポイントを紹介していこう。
WTCCは3日間で実質6セッション
まず最初に、同時開催されるWTCCとスーパー耐久のスケジュールを確認しておこう。
●WTCC&スーパー耐久スケジュール
10月24日(金) | カテゴリー | セッション |
---|---|---|
8:30~9:30 | スーパー耐久 | フリー走行 |
10:30~11:30 | ||
13:30~14:00 | WTCC | |
14:45~15:45 | スーパー耐久 |
10月25日(土) | カテゴリー | セッション |
---|---|---|
8:15~8:45 | スーパー耐久 | フリー走行 グループ2 (ST-4・ST-5クラス) |
9:20~9:50 | WTCC | フリープラクティス1 |
10:10~11:00 | ピットウォーク | |
11:20~11:50 | フリープラクティス2 | |
12:30~ | スーパー耐久 | グループ2 レース(140分間) (ST-4・ST-5クラス) |
15:30~15:50 | WTCC | 予選Q1 |
15:55~16:05 | 予選Q2 | |
16:10~16:30 | 予選Q3 |
10月26日(日) | カテゴリー | セッション |
---|---|---|
8:30~9:00 | スーパー耐久 | フリー走行 グループ1 (ST-X・ST-1・ST-2・ST-3クラス) |
9:20~10:10 | ピットウォーク | |
10:50~ | グループ1 レース(140分間) (ST-X・ST-1・ST-2・ST-3クラス) | |
14:30~15:00 | WTCC | レース1(フルコース11周) |
15:40~16:10 | レース2(フルコース11周) |
WTCCでは金曜日に30分のフリー走行が1回、土曜日は30分のフリープラクティスが2回に加えて合計で約1時間となる予選Q1、Q2、Q3が行われる。日曜日は決勝レースのみで、11周で約30分のレースが2回行われる。セッションは8回行われるが、予選のQ1とQ2、Q2とQ3のあいだには5分しかインターバルがないので、Q1~Q3で1つのセッションと考えた方がよい。そこで、実質的なセッション数は6回となる。
土・日で撮影を行う場合は、土曜日が3回のセッション、日曜日が2回のセッションで合計5回だ。今年はフルコースとなり、ヘアピン、スプーンなどがWTCCとして新たな撮影ポイントに加わったので計画的に撮影をしていただきたい。
●WTCCタイムテーブル(鈴鹿サーキット)
http://www.suzukacircuit.jp/wtcc_s/timetable/
観戦エリア
次に観戦エリアを確認しておこう。2013年までは東コースで開催されたが、今年はフルコース。ヘアピンやスプーンも観戦エリアとなった。前売観戦券は金、土、日と入場可能な通し券で、大人5200円、中・高校生1700円だ。グランドスタンドや2コーナー、シケインのスタンドに入れるエリア席券(V2・V1・A・B1/B2・Q1/Q2席共通)は大人1000円(高校生以下無料)。激感エリアやパドック、ピットウォークに入れるパドックパスは中学生以上1万300円などとなっている。詳細は鈴鹿サーキットのホームページで確認していただきたい。
●WTCCチケット情報(鈴鹿サーキット)
http://www.suzukacircuit.jp/wtcc_s/ticket/
まずは鈴鹿サーキットの観戦エリアMAPを見てみよう。鈴鹿サーキットのサイトにある観戦エリアMAPの1から9のGoogleストリートビュー番号をクリックすると、それぞれの場所のストリートビューを見ることができる。9つのポイント以外にも自由に移動できるので、観戦や撮影の参考にしていただきたい。
●WTCC観戦エリア(鈴鹿サーキット)
http://www.suzukacircuit.jp/wtcc_s/ticket/#area-map
東コースの撮影ポイント
では、本題となる東コースの撮影ポイントについて紹介しよう。ヘアピン、スプーン、シケインなどがある西コースの紹介は次回を予定している。東コースはメインストレートから1~2コーナー、S字、逆バンク、ダンロップまでとなる。このなかでは2コーナーから逆バンクにかけたポイントで多くのカメラマンが撮影をしている。コースに沿って撮影ポイントを紹介していこう。
なお、各スタンドからコースを見たようすは横長のパノラマ写真を参考にしていただきたい。パノラマ写真の撮影場所はGoogle Mapsの空撮画像に緑の点で示してある。各スタンドから走行するマシンを撮影した画像は、2013年のWTCCと同時開催されたスーパー耐久のマシンを撮影したもの。トリミングなしでリサイズだけしているので、使用したレンズの焦点距離でマシンがどれくらいの大きさで写せるかを確認できる。撮影した場所の風景も一緒に掲載したので参考にしていただきたい。撮影場所とコースとの位置関係はGoogle Mapsの空撮画像に赤い矢印で示した。
B2席スタンド 中2階(1~2コーナー)
B2席の1コーナー側の中2階(正式な名称ではなく筆者が勝手にそう呼んでいる)は、鈴鹿サーキットでレースを観戦する最高の場所だ。そのなかでも特に1コーナー側は、最終コーナーからストレート、1~2コーナー、S字と見渡せる最高のポジションとなっている。1コーナーの攻防やアクシデント、1コーナーから2コーナーに向かうマシンの流し撮り、2コーナーの攻防を後方から撮影できる。
B2席スタンド 2階(1~2コーナー)
B2席スタンドの2階席は2コーナーを真正面に見下ろすことができる。左右に長いスタンドなので位置により見え方は異なるが、高さのあるスタンドなのでS字方面は逆バンクにマシンが消えるところまで見通すことが可能だ。WTCCでは多重クラッシュの可能性が高い2コーナーを間近に見ることができ、毎年多くのファンが集まる観戦ポイントとなっている。
B2席スタンドの下、B1席の後方の通路付近は2重金網の隙間から1コーナー、2コーナーが撮影できる。2階席よりも低い位置から撮影できるメリットはあるが、あくまで通路なので混雑しているときの撮影は避けたい。
激感エリア(2コーナー)
激感エリアは2コーナーのイン側、S字のイン側、最終コーナーのイン側に設置される。そのなかで撮影に最適なのは2コーナーのイン側だ。ここは金網がなくてコースとの距離も近く、人気が高い。混雑する撮影ポイントなので、最前列を確保するには早めに行く必要がありそうだ。踏み台や脚立があるとエリア内の何処でも撮影ができるので便利。踏み台などで少し撮影位置を高くするとフレームにガードレールが入らないメリットもある。
●激感エリア(2コーナー)をストリートビューで確認
https://www.google.co.jp/maps/@34.839474,136.542164,3a,75y,131.97h,96.67t/data=!3m5!1e1!3m3!1sCIQ89FYBDwRXMzuZ__XOGg!2e0!3e5?hl=ja
C席スタンド(2コーナー~S字)
C席スタンドは2コーナーからS字に向かう短いストレートに沿った左右に長いスタンドとなっている。2コーナー側は2重金網となっているが、コースマーシャルのポストのところだけ金網に隙間があり、望遠レンズを持った人が集まる定番の撮影ポイントだ。ここからは2コーナーのクリッピングポイントを正面に見ることができる。
S字方面に移動すると2重金網がなくなるので、そこからS字側までは広い範囲で流し撮りができる。200mm程度の望遠レンズでも十分に撮影可能だ。S字側まで移動すると、S字に切り込むマシンをコーナーイン側の位置から撮ることができる。毎年ヨコハマタイヤの看板が設置されるので横浜ゴム賞を狙う絶好のポイントになる。
C席横カメラマンエリア(S字)
C席のS字側の隣にある土手は正式な名称がない場所だが、F1開催時にはカメラマンエリアとなっている場所だ。S字の1つ目が目の前に位置する小さなエリアだが、エリア内で上下左右に移動してさまざまなバリエーションの写真が撮影できるポイントだ。またこのエリアはコースに近く、200mmのレンズでも撮影できる。
●S字1つ目をストリートビューで確認
https://www.google.co.jp/maps/@34.840315,136.539743,3a,75y,30.3h,81.86t/data=!3m5!1e1!3m3!1spCODN8RC5Xesj-ruTuxyVw!2e0!3e5?hl=ja
D席スタンド(S字)
D席スタンドはS字から逆バンクまで、コースに沿って湾曲した左右に長いスタンドだ。スタンドの構造はC席側の小さなエリアと、S字2つ目から逆バンクまでの湾曲した細長いエリアに分かれている。C席側の小さなエリアはS字1つ目が目の前となる。S字1つ目の右ターンのクリッピングポイントを正面から撮ることができ、立ち上がりを流し撮りすることも可能だ。
D席スタンドにある細長いエリアのS字側は、S字2つ目の左ターンを見下ろす位置から撮影可能だ。流し撮りの定番ポイントで、100mmから200mmのレンズで撮影できる。この撮影ポイントはスタンドの上下左右の広範囲で撮影可能ということも特徴となっている。
●S字2つ目をストリートビューで確認
https://www.google.co.jp/maps/@34.841828,136.538381,3a,75y,56.91h,69.24t/data=!3m5!1e1!3m3!1s8qLClDb2Yhv1Didu5xrr9w!2e0!3e5?hl=ja
D席/E席スタンド(逆バンク)
D席スタンドのダンロップ側は逆バンクが目の前にある。ここはF1開催時には最上段がカメラマンエリアとなり、望遠レンズを持った人が大挙して集まる定番の撮影ポイントだ。S字から逆バンクに進入してくるマシンを正面から撮ったり、駆け下るマシンを流し撮りしたり、逆バンクのクリッピングポイントを正面から撮ることもできる。
D席スタンドの逆バンクエリアは、最下段にも望遠レンズを持った人が集まっている。2重金網にカメラホールがあり、そこを通して撮影できるからだ。撮影可能なスペースが限られているが、低い位置から撮影ができるポイントとなっている。晴天時は手前にある緑色の金網が反射して色が被ることがあるので注意しよう。
●逆バンクをストリートビューで確認
https://www.google.co.jp/maps/@34.842465,136.536664,3a,75y,61.85h,78.1t/data=!3m5!1e1!3m3!1sd047u0YlHM3Ue94iRqexyQ!2e0!3e5?hl=ja
E席スタンドも逆バンク側は撮影できる。距離はあるが逆バンクのクリッピングポイントを正面から撮影でき、ダンロップに向かうマシンを流し撮りできる。
鈴鹿サーキットの東コースは、2コーナーから逆バンクまで撮影ポイントが豊富だ。今回は主な撮影ポイントから撮った参考画像と使用したレンズの焦点距離を紹介した。WTCCに限らず、撮影ポイントを探すときの参考にしていただきたい。次回は西コースのヘアピン、スプーン、シケインの撮影ポイントを紹介する。