トピック
3月4日~5日開催の鈴鹿サーキット「2017モータースポーツファン感謝デー」に行きたいお父さんへ
“ファミリー目線”で併設遊園地「モートピア」を徹底的にチェックした
2017年3月1日 00:00
- 2017年3月4日~5日 開催
- Webからのプリントアウトなどで入場無料
3月4日~5日は三重県の鈴鹿サーキットに行きたいのである。なぜなら「2017モータースポーツファン感謝デー」があるからだ。元F1ドライバーのミカ・ハッキネンにジャン・アレジ、中嶋悟に鈴木亜久里、さらには中嶋一貴、小林可夢偉に加え、元MotoGPライダーの玉田誠にスーパーバイクの清成龍一ら、往年の名選手から現役トップ選手まで勢揃いするのだ。しかも入場無料。これは行くしかない!
しかし、「行くしかない!」と勢い込んでみたところで、筆者のような小さな子どもをもつお父さんとしては、そう簡単にいかないのも確か。家族を置いて1人で(遊びに)行くなんてもってのほかだし、家族みんなで出かけようにも妻と子どもがクルマやバイクやレースに興味がなければ、イベントに行きたいとすら思ってくれないはずだ。もし行ったとしても、すぐに飽きて「帰りたい」と言い出すかもしれない……。
まだ授乳期だったりおむつが外れていなかったりする小さな子どもだと、家族でお出かけのハードルはますます高くなる。食事、授乳、おむつ交換など、緊急的に対処しなければならないことが多すぎるし、体調管理も難しい。いろいろ考えた結果、デメリットの方が多いので“諦める”というパターンが大半だ。現在2歳と3歳の子どもをもつ筆者も、そのせいでイベント参加を諦めたのは1度や2度どころではない。仕方ないのだが。
それはさておき、「2017モータースポーツファン感謝デー」が開催される鈴鹿サーキットに、遊園地が併設されていることをご存じだろうか。サーキットに隣接していることもあって、モータースポーツを意識させる多彩なアトラクションが楽しめるのだが、実はこの遊園地「モートピア」は、0歳から5歳くらいまでの低年齢層を主なターゲットにした施設なのだ。それだけに、小さな子どもと、そのお父さん・お母さんのことを徹底的に考えた充実のホスピタリティを誇っているという。
じゃあ、その「モートピア」がどれほど“ファミリー目線”なのか確かめてみたい。ということで、実際に鈴鹿サーキットへ行き、家族連れに重要なポイントとなるファシリティと関連施設をチェックしてみることにした。小さな子どもを連れて鈴鹿サーキットへ行こうとしている人、あるいは行くために家族を説得しようとしている人の参考になれば幸いだ。
ファン必見の「2017モータースポーツファン感謝デー」とは?
モートピアや関連施設を探る前に、まずは3月4日~5日に開催される「2017モータースポーツファン感謝デー」について簡単に紹介しておこう。
「2017モータースポーツファン感謝デー」は、モータースポーツファンなら誰もが知っているであろうカーレースやバイクレースの名選手、現役トップ選手らが一堂に会するモータースポーツの祭典だ。F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンがトークショーを開き、ジャン・アレジと息子のジュリアーノ・アレジがF1マシンで競い合う。さらに星野一義と中嶋悟、鈴木亜久里と土屋圭市、中嶋一貴と小林可夢偉がそれぞれカーバトルを繰り広げ、現役または元トップライダーの高橋裕紀、清成龍一、玉田誠も登場する。
さらにさらに、ホンダエンジンを搭載したF1マシンの展示や体験乗車ができるうえ、コース上ではスーパーフォーミュラ、SUPER GT、スーパーバイクなどの最新マシンやレジェンドマシンによるデモレース・デモ走行・テスト走行が行なわれ、本番さながらの迫力を堪能できる。こんなに見どころたっぷりの内容でありながら、事前に公式Webサイトにアクセスして誰でももらえる無料招待券をゲットしておけば、2日間とも入場無料なのだ(駐車場、一部プレミアムエリアの利用には別途料金が必要)。
まさしくファンなら「行くしかない!」イベント。小さな子どもをもつお父さんも、ぜひとも1日、もしくは2日間、思いきり楽しみたい。そして、サーキットで子どもが一緒に楽しむのが難しそうな状況なら、今回紹介する「モートピア」を積極的に利用するのがおすすめと、この時点で宣言しておきたい。「2017モータースポーツファン感謝デー」の無料招待券があれば、モートピア自体も入園無料だ(乗り物アトラクションの利用には別途料金が必要)。
子連れ外出時に気になるクリティカルなポイントとは?
そんなわけで、子連れ家族におすすめしたい鈴鹿サーキット併設の遊園地「モートピア」や、それに付随する施設をさっそく見ていきたい。が、そもそもこうした場所に子連れで出かけるにあたり、親としてあらかじめ知っておきたいことや、行く前に不安に感じそうなポイントとしては何が考えられるだろうか。2人の子どもをもつ筆者が思いつくポイントを4つ挙げてみた。
1.広い遊園地は歩きまわるのが大変そう
2.暑い日、寒い日、雨の日はどうする?
3.授乳やおむつ交換に使える施設、トイレは充実している?
4.赤ちゃんや小さな子ども向けの食事は?
これらの心配ごとについて、モートピアではどんな風に対処しているのか、あるいはそもそも対処できるような設備があるのかチェックしてみた。
なお、今回はあくまでも子連れの親としての立場から見たホスピタリティ紹介をメインとしている。アトラクションについてはあえて触れていないが、モートピアには0歳から遊べる乗り物も豊富にあるので、小さな子どもが退屈に感じることはないはずだ。
1.広い遊園地は歩きまわるのが大変そう
遊園地というのはだいたいが広い。このモートピアもその例に漏れず広いし、サーキットの敷地まで含めるととんでもなく広大だ。まだ歩けない乳児はもちろんのこと、1人歩きできる2歳、3歳以上の子どもでも、あちこち移動しているうちに(時にはまったく歩いていなくても)歩けなくなり、抱っこやおんぶをしてあげたり、ベビーカーの乗せたりなど、親のサポートがどうしても必要になるだろう。
そのしわ寄せは、当然親の負担となって(物理的にも)のしかかってくる。いくら子どもを楽しませるためとはいえ、子どもを文字通り抱えながら園内を歩きまわっていれば、親の足腰があっという間に限界を迎えることは想像に難くない。ただ、モートピアはそういう面では優しい遊園地だ。というのも、園内は多少の起伏はありながら、全体的にはかなり平坦で高低差が少ないので想像よりも移動はつらくない。路面が粗いアスファルトではなく、滑らかなモルタルになっていることもあるのか、足腰への負担は軽いようにも感じる。
坂道がないわけではないけれど、ほとんどがなだらかな傾斜になっているし、わずかにある階段の横にはベビーカーが通れるスロープもあるので、歩きでも、ベビーカーを押している場合でも、余計に体力を消耗することがない。ほかの遊園地だと意外に急な坂道や階段があったりして、どちらかというと親が先にうんざりしてしまうものだが、モートピアでそんな目にあうことはなさそうだ。
また、遠くから来場する人のなかには鈴鹿までベビーカーを運ぶ余裕がない、というケースもあるかもしれない。そんな時は、メインゲートから少し歩いたところにある「メインインフォメーション」に立ち寄ってベビーカーを借りよう。ここでは4歳児まで使えるベビーカー26台と、新生児用のベビーカー2台を用意している(どちらも貸出料金は500円/日)。モートピアを歩きまわっていたら子どもが眠ってしまった……なんて時にも助かるサービスだ。
2.暑い日、寒い日、雨の日はどうする?
敷地が広くても、多少の高低差があっても、天気さえよければ頑張れるという気持ちもなくはない。けれども、日差しが強くて暑すぎたり、逆に寒すぎたり、雨が降ったりすると心が折れる。当然ながら子どもの体調を考えると、そんな状況で長時間屋外を連れまわすのは避けたいところだ。
モートピアも屋外施設である以上、天候によって快適さが大きく左右されるのは当然というか、仕方のないこと。重要なのはそんなシチュエーションに遭遇した時に“逃げ場”があるのか、ということだ。そもそも人混みが苦手で、できることなら屋内でのんびり過ごしたい人(妻)もいるだろう。過酷な屋外環境から逃れ、子どもも親も落ち着けるような場所がないと、楽しいはずの遊園地が反対につらい思い出として記憶される。次から来たくなくなってしまう。
それに対し、モートピアは広々としたキッズルーム・キッズスペースで対応する。まず、先ほどのベビーカーを貸し出していたメインインフォメーションなどにミニサイズのキッズスペースがあったりするのだが、一番の注目はホテルゲートを出た先にあるレストラン・ホール「S-PLAZA」内の「チルドレンスペース」だ。
「チルドレンスペース」は、営業時間内(7時30分~21時)であればカーペット敷きの広々とした部屋の中でいつでも遊ぶことができる子ども専用スペース。おもちゃや絵本もあり、(悪天候の日は混雑することもありそうだが)子どもも親もリラックスして過ごせるだろう。そして、17時30分~21時の間はなんと無料の託児も可能となっている。1歳から小学3年生までの子どもを専任スタッフに預け、その間は親がゆっくりディナーを楽しめるというわけ。基本的にスタッフ1~2名が常駐するので安心だ。
このS-PLAZA内には、波状の床が愉快な子ども用のフリースペースもある。外が雨だったりして遊べず、体力があり余っている子どもも、ここで遊べば少しはストレスを発散できるはず。ちなみにすぐ隣が喫煙スペースとなっていて、たばこの煙が気になりそうだが、ガラス窓で隔てられているうえに、最新のエアカーテンで煙とにおいをシャットアウトしているため、ここも安心できる。
3.授乳やおむつ交換に使える施設、トイレは充実してる?
お母さんが気兼ねなく利用できる授乳室や、安全におむつ交換できる場所、子どもの突然の「おしっこ!うんち!」に対応できるトイレが充実しているかどうかも、子連れ家族にとっては大変重要だ。
授乳室はメインインフォーメーションと、そこから少し奥に進んだ「のりもの研究所」の隣に、またはS-PLAZAなどにある。例えばメインインフォメーションでは、授乳室内にカーテンで閉じられる小部屋が3つある。すぐ隣には電子レンジや給湯設備があり、子ども用のミルクを作る時などに自由に利用することが可能だ。
おむつ交換台も2つ設置され、使用済みのおむつは隣に用意されているビニール袋に入れて専用のゴミ箱に捨てられる。他の商業施設によっては、おむつ交換台はあるのに使用済みおむつは持ち帰るのが前提だったりするなか、モートピアのこうした心遣いはうれしい限り。
さらなる特筆すべきポイントは、紙おむつが園内で販売されていることだ。このメインインフォメーションに加えて、鈴鹿サーキットホテルのフロント横にあるロビーショップでも2枚210円で購入できる。出かける前にあらかじめおむつを多めに用意していても、予想以上に早く消費して足りなくなるのはままあること。わざわざ園外の離れた店まで買いに走ることなく、簡単に入手できるのは心強い。
トイレについては、もちろん大人用も兼ねたものが園内の各所やレストランなどの施設内に設置されている。面白いのは子ども用のトイレもあちこちにあること。保育施設が備えているような小型のトイレで、小さい子どもでも無理なく用を足せるので、ただいまトイレトレーニングの真っ最中という家庭にもぴったりだろう。
4.赤ちゃんや小さな子ども向けの食事は?
さて、園内を動きまわれば子どもも大人もお腹が空くもの。すでに普通に食事ができる子どもなら、園内合計12軒のレストラン、カフェ、あるいはS-PLAZA内のレストランで空腹を満たせるだろう。乳児については先述の授乳室で与えることが可能だ。ただ、ちょっとだけ難しいのが卒乳したばかりの子どもを連れている時。
味付けの濃い、市販の一般的な食品やレストランの食事は、そういった子どもには食べさせられないので、たいていは自宅で作ってきたものをタッパーなどに詰めて持ち歩くか、子ども用品店などで販売されている離乳食を与えることになると思う。しかし、特に遠方から来場するような場合は自宅から持ってくるのは厳しいし、そうするとあらかじめお店で離乳食を買い込んでおくしかない。
とはいえ、かさばる離乳食をたくさん持ち歩くのはひと苦労だ。その日に必要な分だけとしても、おむつと同じように予想を上まわるペースで消費してしまうことだってある。だから、例えば泊まりがけで遠出するような場合は、少なくとも筆者の家庭では、レストランで離乳食代わりになりそうなメニューがある時はできるだけそれを選び、携帯している離乳食はある意味“非常食”として、緊急時にいつでも使えるよう確保していた。
しかしモートピアなら、そんな涙ぐましい離乳食のやりくりはほとんど不要だ。というのも、紙おむつを販売しているメインインフォメーション、鈴鹿サーキットホテルのフロント横にあるロビーショップでは離乳食も販売しているのだ。ついでに言うと、粉ミルクも売っている。さらに言うと子ども用の純水、麦茶、お菓子まである。
S-PLAZAに至っては、ビュッフェレストランの「そら・たべよ」で本格的な離乳食を提供している。しかも大人も一緒に食事する時は、3歳児未満は無料。つまり、離乳食も無料ということになる。大量の“非常食”はモートピアではもはや必要ないかもしれない。
小さな子どもと一緒のお出かけがもっと楽しくなる「モートピア」
歩きやすい地形で、天候がよくなくても広いキッズスペースでリラックスでき、子どものトイレにかかわる緊急時にも慌てず対応できるうえ、食事も子どもに最適なものがしっかり用意されている。子どもとその親にとっては、なんとも至れり尽くせりな環境と言えるのがモートピアなのだ。
お父さんが鈴鹿サーキットのイベントに行きたいと思った時、単にお父さんが遊ぶためという理由だけでは到底家族の理解は得られないだろう。けれど、こういった充実施設の遊園地がすぐ隣にあって、子どももお母さんも(クルマなどに興味がなくても)楽しめることに気付いてもらえれば、「一緒に行こうよ」と説得するのはそれほど難しくないのではないだろうか。
モートピアとサーキットとの間はそれほど距離がなく行き来しやすいので(もちろんサーキットのどこにいるのかで距離は大きく変わってくるのだが)、互いに離れている時に何かあった時でもすぐに駆けつけることができる。サーキットのイベントを楽しみながらも、キリのよいタイミングでお母さんと子どもの面倒を交代する、といったやり方もできるだろう。
改めて言うと、「2017モータースポーツファン感謝デー」は3月4日~5日の2日間に渡って開催される。好きな選手やレースマシンに会うイベントと、モートピアでの遊びもセットにすれば、家族みんながハッピーになれること間違いなし。筆者としても、これまで子どもが小さいせいであまり積極的になれなかった泊まりがけの遠出も、鈴鹿サーキットなら楽しめそうだな、と思ったのだった。
協力:株式会社モビリティランド