日下部保雄の悠悠閑閑

ハイエースのシートを交換してみた

圭ちゃんのトライトン、モモ//トン号。彼女はクルマに愛称をつけるのが得意で今乗っているオレンジのクルマはミカンと呼んでいるし、以前に全日本に出ていたポロ GTIはモモポロ、その前のジュリエッタはモモちゃんと呼んでいた。今回はトライトンのトンからモモトンとなったそうな。ピンクにこだわるのは圭ちゃんのラッキーからだからだそうです

 先日のラリー・カムイでXC-2クラスに参加した圭ちゃんのトライトンは、ぶっつけ本番ながら初戦を無事にクラス3位で入賞した。上位脱落が相次ぐ混戦の中、初出場のトライトンをゴールまで運んだのは立派。「無事是名馬」という言葉どおりにトラブルもなく帰ってくるのは、特に初戦はトラブルシューティングの意味でも完走は大きい。おめでとうサン!

 JN-1では新井大樹選手のシュコダがぶっちぎりで優勝。やはり彼は逸材です。2位、3位はGRヤリス・ラリー2の勝田範彦選手とアドバンカラーの奴田原文雄選手。ヤリス勢はもう少しラリーのデータが欲しいところだ。そしてコバライネン選手が闘病から回復してGRヤリス・ラリー2で復帰したのも明るい話題。まだウォーミングアップといったところで、次戦のラリー北海道は面白い展開になりそうだ。わがKYB号もグラベルラリーを完走して一桁順位で帰ってきた。絶対完走の中でよく頑張っていると感心している。

 ラリー北海道はまた出張するので旧知の仲間にも会えるし楽しみでもある。9月の北海道はそろそろ涼しくなっているだろうな。

 このところ事務所と自宅の往復が多くそれなりに忙しい。評価以外で久しぶりにクルマを触ったのは会社のハイエース。すでに10年選手だがハイエースは10年10万kmからが本領発揮。自分ではめったに乗ることはないが、その積載能力の高さはあきれるほどだし、使いやすさもいつも感心する。それにほぼ故障とは無縁だ。

 ちょっといじりたいのはシートかな。リアシートは座れればいい補助席的なものなので置いておいて、フロントは長距離移動では疲れることもあるようだ。たまたまラリー会場でブリッドの高瀬社長と雑談している中で「じゃ、ハイエース用のシートがあるから試してみますか」とお誘いいただいた。

 後日ホントにシートが届いた。ハイエースが稼働していないときに会社の木村君とシートを交換した。久しぶりの作業は勝手が分からず図面の解読から始まった。嫌いではないのだが汗はポタポタ、Tシャツは汗染みで黒くなる。外は暑いコトを忘れて夢中になっていた。しかし最後のピースがハマらず、音を上げて涼しい事務所の中で作業の続きを進めることにした。もっとも進めたのは木村君でアチコチのボルトを緩めたり調整したりしながらブリット製のシートは専用シートレールに収まった。彼は姿を消したと思ったら、シート交換を粛々と続けており標準シートに替わって収まっていた。さすがメカニック、早い。

 少しバケットタイプの黒いシートは取り外し可能なアームレストもついて、にわかにハイエースが立派になった。スタッフの福利厚生につながるとよいなぁ。

ブリッドのリクライニングシート「EUROSTER II」をハイエースに装着した。ノーマルシートは乗降性、乗り心地、耐久性いろいろな面で満足度の高いシートだ。ウチのハイエースは中長距離移動が多いのでBRIDEでちょっと凝ってみた

 シート、特にシートレールは事故にあったときに大切なパーツでブリッドはレース用シートの経験が深いだけに信頼は高い。ま、そんなお世話になりたくないが……。今度ハンドルを握るのはいつだろう?

日下部保雄

1949年12月28日生 東京都出身
■モータージャーナリスト/AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員/2020-2021年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
 大学時代からモータースポーツの魅力にとりつかれ、参戦。その経験を活かし、大学卒業後、モータージャーナリズムの世界に入り、専門誌をはじめ雑誌等に新型車の試乗レポートやコラムを寄稿。自動車ジャーナリストとして30年以上のキャリアを積む。モータースポーツ歴は全日本ラリー選手権を中心に活動、1979年・マレーシアで日本人として初の海外ラリー優勝を飾るなど輝かしい成績を誇る。ジャーナリストとしては、新型車や自動車部品の評価、時事問題の提起など、活動は多義にわたり、TVのモーターランド2、自動車専門誌、一般紙、Webなどで活動。